「愛JSBA shindy CUPクラス」 JJSF 全日本選手権大会 2021 Round 5 & Round 6 蒲郡大会 水上バイク(ジェットスキー)
「愛JSBA shindy CUP」は、誰でも参加できる「本格的なレース体験」
去る2021年8月21日(土)、22日(日)の2日間、愛知県蒲郡市、ラグーナ蒲郡において、開催された「JJSF ジェットスポーツ全日本選手権シリーズ」のなかで、「愛JSBA shindy CUP」が行われた。
「愛JSBA shindy CUP」は、普段、千葉県の銚子マリーナで練習しているレーサーたちが行っている「練習形式のレース」のことである。
「愛JSBA shindy CUPクラス」という名前の由来は、元ウィメンスキークラスの全日本チャンピオン・小林 愛選手から取られている。銚子マリーナでは、彼女が中心となって練習しているからだ。
「小林 愛」の「愛」と、ワールドファイナルを主催しているアメリカのレース団体「IJSBA」をモジって、「愛JSBA」である。
気軽に参加できて、格上のレーサーたちと本格的なレース体験もできる。「若いレーサーには、良い経験になるはずですね」と小林選手は言う。
「愛JSBA shindy CUPクラス」の司会者。MCの嵐 みずえさん(写真左)と、釘﨑真治選手(右)。カテゴリー名の「shindy」は、釘崎選手の愛称でもある。
「愛JSBA shindy CUP」特別ルール・マシンの改造度合いで、スタート方法を変える
ここでは、「2ストークマシン」、「ノーマルのSX-R」、「改造しているSX-R」、「社外ハルのGPマシン」と、それぞれ戦闘能力の異なるマシンが一斉に走ることになっている。改造度の違うマシンが混走するので、遅いマシンと速いマシンでは、スタートで大きな差がついてしまう。それを解消するため、下記のようなルールが設けられた。
「2ストークマシン」:通常のレースと同じスタート方式。
「ノーマルのSX-R」:デッドエンジンで、「バンザイスタート(両手を高く上げ、スタートの合図があったらエンジンをかける方式)」。「2ストークマシン」がスタートしてから、テザーコードを差し込んでスタートするので、その分、出発は遅くなる。
「改造しているSX-R」:「ノーマルのSX-R」と同じ「バンザイスタート」で、さらに“3メートル後ろ”からのスタートとなる。
「社外ハルのGPマシン」:全員がスタートし、「司会者からOK」の合図が出たらスタートする。いつスタートになるかは、司会者次第。レースの勝敗は、司会者が出す「スタートのタイミング」にかかっている。
周回数は「8周」。最初に、スピードの遅い「2ストロークマシン」がスタートし、順繰りに速いマシンが走り出す。当然、「速いマシン」に乗るライダーが勝とうと思ったら、後ろから追い抜くことになる。
遅いマシンは必死で逃げるし、マシンが速くても、スタートの遅い「GPマシン」は、最初からガンガン攻めていかないと抜けない。
周回数の「8周」というのも絶妙な長さで、予想を以上に激しい戦いになった。
優勝したのは、「GPマシン」に乗る佐々木宏樹選手だ。彼は、現在、アクアバイクのGPスキークラスに出場し、「チャンピオンに“最も近い男”」と言われている。レース後に、皆から「頑張りすぎ!」「大人げない!!」と、身内らしい非難が飛んでいるのも微笑ましい光景だった。
愛JSBA shindy CUP・レース結果
土・日曜日ともに総合1位を獲得した佐々木宏樹選手。
佐々木選手は、土曜日は両ヒートともに2位で総合1位。日曜日は完全勝利であった。
第1戦 レースリザルト
第1戦 表彰式。
順位 |
ライダー名(チーム名) |
1位 |
佐々木宏樹(KOMMANDER JAPAN) |
2位 |
伊東憲太郎(KOMMANDER JAPAN) |
3位 |
釘崎勇真(Team shindy) |
※上位3位までを掲載
第2戦 レースリザルト
第6戦 表彰式。
順位 |
ライダー名(チーム名) |
1位 |
佐々木宏樹(KOMMANDER JAPAN) |
2位 |
田中エミ(55HEAVEN) |
3位 |
塩田智晴(TEAM T-5-R) |
※上位3位までを掲載
土曜日・日曜日ともに優勝した佐々木宏樹選手。レース仕様の「コマンダーGP1」に乗っているので、スタートは司会者の合図を待って、最後尾からだ。全員を抜けなければ、「速いマシンに乗ってるのに!」となじられるし、頑張って勝てば、「仲間同士なのに、大人げない!!」と言われる。どちらにせよ批判されるのなら、「勝ってなじられよう」と考えたそうだ。「ホントにキツいレースでした」と言うように、8周あってギリギリだったと佐々木選手。
伊東憲太郎選手は、土曜日の第1ヒートで優勝し、この日は総合2位となっている。
田中エミ選手は、ハンドル固定式の「SKI-X」で参戦。聞けば、「自分のマシンが故障中」という。ハンドルポールが動くほうが、コーナリングが楽で、「SKI-X」で走る方がキツいらしい。
ウィメンクラスで世界チャンピオンとなっている田中選手(写真左)。先行する2ストロークマシンを難なく追い抜く。
トップを走る釘崎勇真選手(写真奥)に並ぶ田中選手。
釘崎勇真選手は、土曜日の第2ヒートでは、佐々木選手の猛追を振り切り、トップフィニッシュ。
日曜日の釘崎選手は、伊東憲太郎選手のコマンダーGP1を借りて出場した。ライディングフォームがキレイだ。
見るたびに実力を上げている釘崎選手。若い選手の成長は、本当に早い。ちなみに、今回の司会者・釘崎真治選手は、釘崎勇真選手の実父である。
ベテランの塩田智晴選手。今回はスポット参戦だというが、日々の練習は怠らない。
湯島浩一選手。
湯島選手は、今大会のウィメンクラスで優勝した湯島楓選手の実父だ。この日も攻めた走りを見せてくれた。
湯島選手は、本来、ランナバウトクラスに出場するプロレーサーだ。
今回、親子対決となった湯島 楓選手。JJSFにも参戦しているが、小林 愛選手の「楓の上達のため」という「鶴の一声」で強制参加となった。
2013年のウィメンクラス全日本チャンピオン・小林 愛選手。ここ数年、シリーズ戦に出場してはいないが、いつでもレースに出場できるよう、練習は怠らない。彼女がいるから、レーサーは銚子に集まるのだ。
増子隆吉選手。
増子選手のライディングは非常に攻めた走りだ。
増子選手のような、しなやかなライディングフォームに憧れる。
児玉智裕選手。国内では、彼が最も「コマンダーGP1」に乗れていると思っている。
碩 亜由美選手。800SX-Rの船体に、2ストローク3気筒1,100ccエンジン搭載のマシン。彼女が、唯一の通常スタートで、全員に追いかけられる立場だった。今見ると、800SX-Rって小さい!?
箭内秀吉選手は、碩選手の2ストロークマシンで走った。
本来の箭内選手のマシン。「ブレットレーシング・V4」が国内で見られるのは貴重だ。「V4」といえば、ワールドチャンピオンのジェレミー・ポレット選手が乗っていることで知られている。
塩田智晴選手 vs 田中エミ選手。塩田選手は、碩選手の2ストロークマシンで、4ストロークのSKI-Xと競り合っている。
大滝純平選手。
古川 薫選手。
向井加寿子選手。
岡野まゆみ選手。日本で唯一、JJSBAのトップカテゴリーで、女性として優勝したレーサー。女性ながら「男前」な走りだ。
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