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ドライバーに金返せ! “自動車重量税”は「道路を作る名目」だったのに、2009年から “何に使っても良い”  一般財源化に法律が変わった。国土交通省は国民の理解を得つつと言っていたが…。

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最初の名目はなくなり「自動車重量税」は「道路のため」には使われていない

「自動車重量税」が施行されたのは、今から51年前の1971年。本来は「重量の重い自動車が道路を走ると劣化をさせる。その瑕疵を補填するため」という理由であった。
「重いクルマほど道路を痛めるから、その度合に応じて税金を払え」ということだった。

ちなみに「自動車税」は、自動車重量税よりも前の1950年(昭和25年)に施行されているが、当時クルマは庶民にとって高嶺の花で、裕福な人しか所有できなかった。経済力のある人だから、“財産税”的な意味もあった。

それが高度成長期になり、一般庶民でもクルマを購入できるようになった。そうなると、道路の建設や整備が必要になる。「道路を作る」という名目で、自動車オーナーに建設財源の一部を負担させる法律が、「自動車取得税」「自動車重量税」と「揮発油税(いわゆるガソリン税)」である。

さらに道路を作ることが急務だったため、暫定的に税金を上乗せすることにしたのだ。「予算がないけど、道路がないと困るでしょ。だから暫定的(とりあえず)に税金を上げるよ!」と言ったまま、「いつまで」と期限がないのをいいことに、今も税率は上がったままだ。
(※2019年10月1日以降、「自動車税」は「自動車税(種別割)」に名称が変更されている。ここでは分かりやすく変更前の「自動車税」で統一する)

収支が「黒字」になったのに、何で「自動車重量税」を払わないといけないのか

その後、日本中で道路の整備が進み、平成19年度には「特定財源税収」が歳出を大幅に上回ることが見込まれた。つまり、足りなかったはずの道路建設費が「黒字」になったのだ。

黒字になったから、その時点で「上乗せした税金」だけでも撤廃すればいいはずが、“なぜ”かそのままの上乗せされた金額のまま徴収され続けている。
あろうことか2009年に「道路特定財源制度」が廃止され、「一般財源化」されてしまったことで、道路の建設や整備のために使わなくても良くなってしまったのだ。

我々が選んだ政治家によって「理不尽な法改正」が行われた。
「道路を作る」という「課税根拠」が根底から覆された。それなのに「道路を作る」という名目で今も税金を徴収し、道路以外の支払いに使われている。

「道路を作る」目的のために徴収されていたはずが、「何でも使っていいですよ」と変えられてしまった

「一般財源」についてザックリ説明すると、「財源の使途が特定されず、いかなる経費についても自由に使える収入」をいう。つまり、各都道府県・市町村で「どんな用途で使おうとも、使いみちを問われない」ことである。
「道路を作る」という目的のために徴収されていたはずが、「何でも使っていいですよ」と変えられてしまった。

ちなみに、元道路特定財源だった「自動車取得税」は、消費税が10%になったときに廃止され、今は「環境性能割」という新しい税金に取って代わられている。

日本は「クルマを所有する」だけで重い税金がかかる

日本で自動車を所有する場合、「購入時」「保有時」「走行時」のそれぞれの場面で税金がかかる。さらに別途、消費税もかかる。
もともと、日本は自動車ユーザーに重い税負担を課している。保有段階でかかる税負担が、イギリスの2.4倍、ドイツの2.8倍、アメリカの31倍に達するという試算もあるくらいだ。

「購入時」にかかる税金・4種類

クルマを購入するときにかかる税金には、「自動車税(軽自動車税)」「環境性能割」「自動車重量税」「消費税」の4種類である。

「保有」しているとかかる税金・2種類

毎年納付する必要があるのが「自動車税(軽自動車税)」である。自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税となる。これは年に1回、クルマの持ち主に対して課せられる。 そして2年ごとの車検時に、「自動車重量税」を支払っている。

「走行時」にかかる税金

クルマを走らせるには、当然ガソリンが必要になる。ガソリン価格には、「揮発油税」と「地方揮発油税」が含まれ、1リットル当たり「53.8円」を税金として支払っている。ガソリンには「二重課税」といわれる「消費税」もかかっていることを忘れてはいけない。

とにかく「日本」という国は、クルマを走らせるだけで「税金」がかかるのだ。

「“世界一高いレベル”の税金を負担しているのは、国民であるユーザーである」とトヨタ社長

2018年の記者会見で、トヨタ自動車の豊田章男社長がこう言っている。
「日本の税収は約100兆円だと思います。その中で、自動車関係諸税は8兆円を占めているわけです。もともとは『道路特定財源』であった取得税(当時)と重量税が『一般財源化』されているということで、自動車ユーザーが毎年4兆円以上も一般財源化された税金を負担しているということです。それによって自動車関係諸税が、地方財政を補填しております」 「日本の自動車ユーザーが世界一高いレベルの税金を負担しているという事実を踏まえたうえで、今年(2018年当時)こそ、抜本的な税制改正に取り組んでまいりたい」と語っている。

しかし、2022年の現在も、今も何も変わっていない。
政治力も経済力も発言力もある大自動車メーカーが奮起してくれないと、理不尽な自動車関係の税金が下がる希望はない。
トヨタの社長が訴えても何も変わらないから諦めるのではなく、我々国民がきちんと改善してもらえるようにさまざまな形で訴え続けるしかない。

「道路特定財源」が「一般財源化」することに対して、国民は理解と納得をしているのか?

平成20年(2008年)12月8日、国土交通省からの発表によると、一般財源化に伴う関係税制の税率のあり方として、以下のことが説明されている。
『道路特定財源の一般財源化に伴う関係税制の暫定税率分も含めた税率のあり方については、今後の税制抜本改革時に検討することとし、それまでの間、地球温暖化問題への国際的な取組み、地方の道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、現行の税率水準を原則維持する。
ただし、納税者の理解、景気及び環境対策という観点から、自動車関係諸税の負担を時限的に軽減する。』

それ以前の2005年7月に閣議決定された「骨太の方針2006」においては、「行革推進法に基づき、一般財源化を図ることを前提に、早急に検討を進め、納税者の理解を得つつ、年内に具体案を取りまとめる」とされている。

「自動車税(軽自動車税)」「環境性能割」「自動車重量税」「消費税」「ガソリン税」。何重にも払っている自動車関連の税金に対し、「現行の税率水準の維持」ということに納得している国民はどれだけいるのだろうか。
我々の知る限り、奮起している人はいるが納得している人は知らない。

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