カテゴリ
タグ
  1. TOP
  2. 社会・経済
  3. どこが間違っている、青天井の“補助金”ジャブジャブ! アメリカ、バイデン大統領は、「“ガソリン”に対する税金を3カ月間免除」するよう議会に要請した。では、日本はどうだ?

どこが間違っている、青天井の“補助金”ジャブジャブ! アメリカ、バイデン大統領は、「“ガソリン”に対する税金を3カ月間免除」するよう議会に要請した。では、日本はどうだ?

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

原油高に対し、アメリカでは3カ月間の税金免除を議会に要求

アメリカのバイデン大統領は6月22日、ガソリン価格の高騰に対し、市民の負担を軽減するためガソリンなどの燃料に対する国の税金を3カ月間「免除」するよう、議会に要請していると報じられた。

これは、原油高を背景に市民生活の負担の増加や、記録的なインフレの長期化につながることを懸念したものだ。アメリカのエネルギー情報局によると、6月13日の時点で1ガロン=3.78リットル当たり5ドルを超えて最高値を更新した。1年前と比べた上昇率は、57%に上るという。

バイデン大統領は演説のなかで「ガソリン高は差し迫った危機だ」と強調し、1ガロンあたり18セント(約24.3円)のガソリン税と、独自に課税している各州政府や石油関連企業に協力を呼びかけ、「1ガロンあたり最大1ドル(約136円)の値下げ」を目指すといっている。

ナゼだ? 青天井で大盤振る舞い! 日本は“相も変わらず” 石油元売り会社 に「補助金」を支払っている

経済産業省は現在、「1リットルに対し上限35円」の補助金を石油元売り会社に支給しているうえに、「さらなる超過分についても1/2支給」と、補助金の追加も行われている。6月27日時点のレギュラーガソリン「1リットルの平均価格は174.9円」。なんと「1リットル当たり39.2円」もの補助金が支給されている。

「本来なら、【1リットル当たり214.1円】のところを、補助金を支給している“おかげ”で【174.9円】で買えるんですよ」と言っているのだ。

素朴な疑問。「補助金」は止めて「ガソリン税」の引き下げできないのか? トリガー条項が法律で決まったのに、実施されず凍結!

トリガー条項とは、『ガソリン価格が3カ月続けて1リットル当たり160円を超えた場合に、ガソリン税の一部を軽減する措置』のことである。この法案、トリガー条項は2010年4月に成立した。ガソリン価格は国民生活に多大な影響を与えるものであるからと、不明瞭に課税されているガソリン税の一部を軽減するという制度だ。国が決めた制度なのである。
(トリガー条項:正確には租税特別措置法第89条の「揮発油価格高騰時における揮発油税及び地方揮発油税の税率の特例規定の適用停止」)

しかし、3カ月どころか、今年に入ってから170円を切ることのほうが稀である状態なのに発令されたことはない。政府の「3カ月続けて160円」という言葉を信じるとすれば、すでにトリガー条項は凍結解除されていなければおかしい。

2010年4月に成立したトリガー条項が凍結された理由として、翌年3月に東日本大震災が起こったため、「復興財源を確保する」のだという。しかし、震災からすでに12年経った今も運用が凍結されたままなのはおかしいと思うのだ。

トリガー条項が解除されれば、ガソリン1リットル当たり約25円の減税となる。その発動による「価格引き下げ効果」は大きいといえるだろう。

しかし実際に政府が行っているのが、石油元売り会社に対する「補助金制度」だ。 ガソリンの平均小売価格を172円程度に抑制することを目的に、石油元売り会社に172円を上回る分の補助金を支給している。

「トリガー条項」と「補助金」では、市民の財布にどう影響する?

「トリガー条項」は、「ガソリンに対する課税の一部を停止して、価格を引き下げる」ものである。もともとガソリンは「二重課税」といわれている。ガソリン税の税率は本来、1リットル当たり28.7円だが、1970年代から道路整備の財源にする名目で「25.1円」の上乗せが始まり、一般財源化された現在も続いている。

トリガー条項は発動基準を満たせば、25.1円分の税金が停止となる。市場の動きに合わせた機動的な対応はできない半面、大幅な引き下げが即座に適用され、我々消費者にも減税が分かりやすい。

デメリットとして、トリガー条項を発動すれば、国と地方の合計で年1兆5700億円程度の減収が見込まれると試算する。地方自治体では、約5000億円以上税収が減る計算になるそうだ。

石油元売り会社に支給されている「補助金」は、「ガソリンの卸値を抑える」ための制度である

「トリガー条項」と「補助金」。どちらも、「ガソリン価格の抑制」という目的のためだが、なぜ政府は「補助金」を出すのか。
一番の理由は、「補助金のほうが素早い対応が可能」ということだ。ガソリン価格の動向に合わせて、毎週、補助金の金額を変えられる。

萩生田光一経済産業相は、「どちらがいいかは“一概”に言えない」としたうえで、トリガー条項の凍結解除よりも“石油元売り会社”に配る“補助金”の方が「機動的だ」との認識を示している。

この場合の問題点は、“補助金を出す先は”あくまで「石油元売り会社」のため、実際にいくら小売価格に反映されるか“不透明な部分”が多いことだ。

ガソリン価格の鍵を握るのは、「ガソリンスタンド」

我々消費者は、石油元売り会社から直接ガソリンを購入するわけではなく、「地域のガソリンスタンド」で購入している。ガソリン価格の大半は、税金と仕入れ値で占められており、小売り価格を抑えるためには販売店(ガソリンスタンド)の企業努力に頼るしかないのが現状だ。

ご存じのとおり「ガソリンスタンド」によって“価格はまちまち”である。これは、ガソリンの卸値に加え、人件費や輸送費、自分たちの利益分をプラスして価格を設定しているからだ。

結局、元売り会社にいくら補助金が支払われようと、我々にはどれくらい還元されているか分かりにくい。何に使っているのか“さえ”分からないのだ。しかも「石油元売」会社の業績は大手3社ともに好調で、2022年3月期は純利益最高額を更新している。

消費者の立場から言わせてもらえば、「トリガー条項」や「補助金」以前に、もともとガソリンは“二重課税”なのだから、“上乗せ分の税金”の徴収をやめてもらいたい。ガソリン価格が高騰しているのだから当然であろう。

「余分に税金を徴収している分」がなくなったら「1兆5700億円の減収」といわれてもピンとこない、大前提が間違っているような気がする。
萩生田光一経済産業相は、「どちらがいいかは“一概”に言えない」としたうえで、トリガー条項の凍結解除よりも、“石油元売り会社”に配る“補助金”の方が「機動的だ」との認識を示し、せっせと補助金を支払っている。

現在、最初に政府が予想していた“20倍の補助金”が支払われている。今も減税と補助金について「どちらがいいかは“一概”に言えない」と、萩生田光一経済産業相は言うのだろうか?
いずれにせよ国民にいくら還元されているか分からない政策を続けていれば、あらぬ疑いをかけられても仕方がない。そとそろ補助金と減税についての総括を行い、国民が納得できる政策を行ってもらいたい。

【関連記事】
2022年 BRP SEA-DOO(シードゥ)ニューモデル国内全モデルラインナップ
2022年 ヤマハ Wave Runner(マリンジェット) ニューモデル国内全モデルラインナップ
2022年 カワサキ ジェットスキー ニューモデル国内全モデルラインナップ
誰もいわない「不都合な真実」。気を付けて、その“肉”を食べたら癌になる! 政治家と役人に見捨てられた国、日本 東京大学院教授・鈴木宣弘先生に聞く
危険走行で刑務所へ! 明石市長、水上バイク危険運転に「懲役刑」の方針! 全ては市民の命を守るために
「悪質で危険・愚かで悲しい!」「水上バイク問題」究極の「解決方法」とは?


ジェットスキー中古艇情報

月間アクセスランキング