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「絶対おかしい、日本の“車検” 【2】」 高級外車ディーラー、トップ営業マンの憂鬱。車検のたびに請求金額が“高い”と言われる! まるで自分が“ぼったくり”と言われている気がする!

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高級外車ディーラーのトップ営業から聞いた「車検」の嘆き

日本では、新車購入時の初回だけ3年後、以降は2年ごとに「車検」を受けなければならないと法律で定められている。「車検」という制度は「整備不良のクルマを走らせない」という意味からも「必要な制度だ」であることは間違いない。

私の友人は高級外車のディーラーをしているが、車検は「クルマを買い替えてもらえるチャンスだし、日常で多忙を極めるVIPたちと接することのできる貴重な時間だ」とも言う。

なんで、自分が「顔をしかめられないといけない」のか?

彼は、車検の時期になると顧客の自宅や会社にクルマを引き取りに行き、検査に通るようにキチンと整備をして返却する。
預かったクルマをディーラーに持ち帰り、メカニックに命じてクルマの現状を徹底的に確認し把握する。そして見積書を作成し、必要金額を顧客に提示して、この内容で車検を通すことで構わないかの確認をする。
金額を納得してもらってからでないと、作業を進められないからだ。

しかしどれほど仲の良い顧客でも、金額を提示すると「顔をしかめる」。
日頃から家族ぐるみでゴルフや食事を共にして、何十年間も良い信頼関係を築いてきたと思っているお客さんでも、例外なく車検のたびに「高いね」と言うか、何も言わずに「顔をしかめる」そうだ。

カーディーラーである私の友人は、この瞬間がたまらなく嫌だという。絶対に、意味もなく金額を上乗せすることもしない。しかし顧客が「顔をしかめる」。
気持ちは十二分に理解できるから、余計にやるせない。

顧客の大半が「総額」だけ聞きたがり、見積もりの詳細までは見ない。「自分が連絡して、承諾したあとに確認しているのかもしれないが、自分の前では総額を聞いて“顔をしかめ”ながら『進めてくれ』と言って終わりだ」と言う。

通常の車検の請求で、最も高額な費用は「自動車重量税」

毎回、車検のたびに友人は国に対して苛立ちを感じるそうだ。
クルマのプロの友人が、車検時に最も高額だと感じるのは「自動車重量税」だと言う。「自動車重量税」は車種によって金額が変わるが、彼の扱う高級外車だと平均して10万円だ。

いくら高級外車とはいえ、特別な故障個所がなければ整備費用はたかが知れている。見積もりの総額を先方に伝えたときに「嫌な顔をされる最大の原因」がこの「重量税」なのに、なんだか自分が「暴利を貪っている」と言われた気になる。
特に年間走行距離の少ない人ほど、車検の値段を高く感じるらしい。

車検は「整備不良のクルマを走らせない」という意味のある制度だ。本当に“クルマを整備するための費用”なら、高額でも誰も文句は言わない。「クルマを壊した」のは顧客だし「修理が必要なのは自分自身」であるからだ。

人が嫌がるのは「壊れていないし、何も困ってもいない」のに車検時に要求される高額な経費なのだ。

なぜ国は、毎年支払う自動車税のように、「自動車重量税」も郵送で請求しないのか?

自動車を所有しているオーナーには、年に1度、必ず「自動車税の納付書(請求書)」が届く。クルマの所有者は、届いた請求書を持って自分でコンビニや金融機関で支払いをしている。

高額なので、クルマのオーナーたちは毎年、春になると「○○万円の自動車税の請求書」が届くことを理解している。
しかし、「自動車重量税」には「納付書(請求書)」が届かない。代わりに私の友人のような人が代理で徴収して国に支払っている。

「自動車税」のように、車検の前に「重量税」を郵送で請求して支払わせ、「その領収書がなければ車検を通らないようにすれば良いのに」と、件の友人は憤慨している。

顧客が日本の車検制度に不満を抱く最大の原因は「支出額」の高さだ。車検と重量税を分けて払うことになったら、会計は明瞭になる。

自分は国の税金取り立て代行屋なの? なぜ自分が…?

「重量税」を「自動車税」と同じように郵送すると、確実にクルマに対しての重税感を感じるはずだ。
友人はクルマのプロであるが故に、常日頃から「クルマに関する税金が高すぎる」と感じ、「なぜ多くの国民は不満を持たないのだろう?」と考えてはいるが、理解もしている。 それは、クルマの「重量税」を車検のたびに自分たち「クルマ屋」に代理回収させているからだ。

自分の顧客は「車検の総額」は気にしても、「重量税と自賠責保険の金額」の違いなど見ようともしない。税金も保険も整備費も、全部まとめて「クルマ屋である自分に支払っている」くらいにしか考えていない。

自動車税のように「重量税」も自分で支払いに行けば、否応なしに重税額を理解するし、車検本来の費用は高くないと思うはずだ

郵送で、自分宛てに重量税の請求書が届けば、さすがに「クルマの税金、高くね!?」と言い出すだろうと言う。
今のままの車検制度で、このことを理解して怒っているのは一部の有識者やクルマのプロだけだ。

大半の人は深く考えず、「整備費の付帯感覚」でドサクサ紛れに税金を支払わされている。そして、車検に関わる全ての人やすべての費用に「高い」と怒っている。
彼は、ここだけの話といいながら、「車検時に支払う『自賠責保険料20010円』に関しては保険料なので、微々たる金額だが事務代行手数料がもらえる。でも、みんなが顔をしかめる高額の重量税に関しては『1円の手数料も入らない』。なんか、おかしくない?」と言われて、思わずうなずいてしまった。

自分は1円ももらうことなく税金を徴収させられるうえ、高額な請求書を前にした顧客に嫌な顔をされる。なんで、毎回こんな思いをしなければいけないのかというのが、彼の本音だ。
車検時の見積もりの詳細な中身について気にしない自分の顧客も、「車検時に支払う金額が整備費用だけ」なら誰も嫌がりはしないと言う。

「クルマの税金って高くない?」と実感することが大事なのかもしれない

自分で請求書を持ってコンビニなどに支払いに行くのも、車検時にクルマ屋に「車検代金一式」として預けるのも、税金の支払い方としては間違っていない。
しかし、このカーディーラーの嘆きを聞いて「自分の支払っている税金の内容」を知るのは「必要なことだ」と感じた。

そして重税感を自覚することは良いことだと思う。もし我々一人一人が、多額の税金を支払っていることを自覚すれば、その使われ方にもより関心が高まる。
ひいてはそれが、政治に対して興味が持つことになる。良い政治家を選んで、より良き社会にしたいと考える。
今現在、この国の制度やシステムに不具合が起きているとすれば、国民の全員が問題意識を共有して多種多様な力を結集して改善するしか方法はない。

まずは車検時の重量税を、車検に含まれる金額ではなく「クルマの税金」として考えて支払うことから始めるのも良いと思う。もし車検制度に欠陥があるとすれば、それを許してきた我々国民にも責任はある。

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