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2021年度 世界で戦う日本代表「4名」が決定!「Pro SKI GRANDPRIX クラス」 「JJSF 全日本選手権大会」 水上バイク(ジェットスキー

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最後まで、タイトル争いの行方が分からなかったスキークラス

プロスキークラスは、服部和生が悲願の初タイトル獲得で幕を閉じた

2020年9月12日(土)、13日(日)の両日、愛知県蒲郡市のラグーナ蒲郡において、JJSF全日本選手権シリーズ最終戦が行われた。この大会は、来年3月にタイで行われる「JETSKI WORLD Cup」の出場権を得るためのセレクションレースも兼ねている。
ちなみに、「JETSKI WORLD Cup」のプロスキークラスの優勝賞金は、なんと80,000USドル。日本円にして約850万円だ。この金額だけでも、十分に魅力的である。

大会は、土曜日は晴天に恵まれたが、日曜日は、午前中が雨、午後から曇りと変わりやすい天気。海面コンディションは、波のないフラットウォーターであった。

2020年のシリーズ戦が全て終了し、「JETSKI WORLD Cup」の出場権を得られる上位4名が確定した。
4戦走って、成績の良かった上位3戦分が獲得ポイントとなる。
今年のスキークラスの全日本チャンピオンは、服部和生。初のタイトル獲得となった。総合2位は山本陽平、3位は倉橋秀幸と、ある意味で非常に実力通りの順当な結果であると思う。

尚、この参戦資格を貰えるセレクションレースに竹野下正治、片山司というビックネームは参戦していない。彼ら2人が居れば、この順位に変動があったかもしれない。
いずれにせよ、まず最初に、編集部は本気でこの4人を称えたい。

「JETSKI WORLD Cup」出場権獲得者

順位 ライダー名(チーム名)
1位 服部和生(UNLIMITED Racing)
2位 山本陽平(Team YRF)
3位 倉橋秀幸(Team Wave Fighter)
4位 海老原祥吾(CLEVER with SWF)

 



年間チャンピオン・服部和生選手インタビュー

初の全日本チャンピオンを獲得した服部和生選手。

マシンは、ある程度のレベルに持ってこられれば、あとはライディングで勝つ

WJS シリーズチャンピオン獲得おめでとうございます。今シーズンは、第1戦と最終戦で勝利。このクラスで、唯一2勝して、初のタイトル獲得です。最終戦では、スタートから最後まで、トップを走りきった見事な勝利でした。
服部 ありがとうございます。嬉しいです。日ごろの努力が実を結んできたと思います。

WJS 服部プロは、常に練習を怠らず、マシン開発にも余念がないように思えます。どのくらい、練習しているのですか?
服部 ジェットに乗るのは週1くらいです。ただし、乗る日は真剣に乗って、とことんまで練習します。重要視しているのは、日ごろのフィジカルトレーニング。コロナ以前は、水泳を中心にやってきたのですが、プールが使えなくなったので、今は自転車を使っています。ジョギングでも良いのですが、膝に負担が掛かってしまうケースもあるので……。

WJS マシンはご自分で造っているので、他のライダーよりもアドバンテージがあるのではないですか?
服部 触れますが、遅くはないけど、速くもないです。エンジンは、細かなことをやればやるほど速くなります。でも、究極を求めると、キリがありません。それなら、ある程度のレベルに持ってこられれば、あとはライディングで勝つというふうに考えています。

WJS 面白いですね。マシンを造れるからこそ、「このくらいで良い」と妥協できるのですね。服部選手は、今シーズン2勝していますが「もっとやれるのでは?」と思ってしまいます。すみません、チャンピオンインタビューなのに、こんなことを聞いてしまって……。
服部 本当ですよ。勘弁してください(笑)。日本のスキークラスで勝つのは、すごく大変なんですよ。これでも、「これでもか!」というほどの努力を、日々重ねてきましたから。

WJS それができると思うからこそ、記憶に残るレースが見たいと思ってしまうのでしょうね。2年前のタイで行われた国際レース、ジェットスキーワールドカップで、世界の強豪を従えて、4周目までトップを走っていた姿は忘れられません。実力があるライダーだから、「国内敵なし」と言われるようになっても不思議ではないと感じていました。
服部 「吹っ飛んでも良いから、記憶に残る戦いが見たい」とは、よく言われてきました。でも、いろいろ大変なんですよ。

WJS チャンピオンインタビューで、「もっと魅了してほしい」なんていうのはどうかと思いながら、また、タイのレースのような、脳裏に焼き付く戦いを期待しています。
服部 ありがとうございます。僕も、年々進化をしている実感はあります。頑張ります。

レース後のインタビューで、爽やかな笑顔を見せる服部選手。


年間総合第2位・山本陽平選手インタビュー

今シーズン、マシンをコマンダーGP1に乗り換えた山本陽平選手。

いくら速いマシンでも、乗りこなせなくては戦闘力にはなりませんからね

WJS 今シーズンから、コマンダーGP1に乗り換え、第1戦が2位、第2戦も2位、第3戦では見事な優勝。そして、シリーズチャンピオンを狙いに行った最終戦で、まさかのクラッシュ。そんな状況ですので、日本で2番目に速いことが確定しても、簡単に「おめでとう」とは言いづらいです。今回の2位は不満なんじゃないですか?
山本 そんなことはありません。この2位は一生懸命やった結果なので、事実として受け入れています。成績の良いときは悪い部分が見えません。上手くいかないときのほうがいろいろな部分が見えるので、それも悪くはないです。

WJS 山本プロは、「ここぞ」というときに勝つイメージがあります。それは、勝負強いレーサーということなのでしょうか?
山本 違います。僕の場合は、事前にかなり考えて、レース展開や状況を予測して準備します。ジグソーパズルのように、ピースが嵌れば成績は残せますが、最終戦のように予測が外れれば、痛い目を見ます。

WJS 日本のスキークラスはレベルが高いです。普通に戦うだけでは、上位には入れても勝ちきることはできません。だから考え続けて、状況判断に合わせた準備をするわけですね?
山本 はい。その通りです。だから最終戦は思った通りにマシンが動いてくれなかった。自分の判断が間違っていたので、仕方がありません。

WJS 来年3月のタイのレースは参戦されるのですね?
山本 はい。頑張ります。

WJS 山本プロの乗るコマンダーGP1は、世界のトップライダーが乗っている率が高いです。戦闘能力は、彼らのマシンと同レベルなのですか?
山本 現時点では、海外勢のマシンのほうが速いです。僕のは、パワーを上げていません。パワーを上げると、ドンドン乗りにくくなります。

WJS 山本プロはご自分でレース艇を造るコンストラクターでもあるのに、エンジンを限界まで速くはしませんね。
山本 はい。それが僕のスタイルです。マシンより、ライダーで勝つことに重点をおいてやっています。

WJS コマンダーGP1も、マシンにアジャストできたら、少しづつパワーを上げていくのですか?
山本 はい。その通りです。いくら速いマシンでも、乗りこなせなくては戦闘力にはなりませんからね。

WJS タイのレースでは、ピースがぴったりと嵌ることを期待しています。
山本 はい。頑張ります。

スキークラス総合2位の山本陽平選手。最後まで服部選手とチャンピオン争いとなった。


年間総合第3位・倉橋秀幸選手インタビュー

水面が荒れたら、倉橋秀幸選手の上手さが際立つ。

欲しいのは「速いマシン」です

WJS 総合3位で、「JETSKI WORLD Cup」の出場権獲得、おめでとうございます。
倉橋 ありがとうございます。何とか出場権は確保できました。海外のトップレーサーたちとの戦いは、やりがいがあります。国内でも海外でも、出場する以上、ベストを尽くして勝ちに行きます。

WJS 国内のレースでは、「荒れたらヒデ」と言われるように、海面が荒れたら、倉橋プロが断然強さを発揮します。
倉橋 速いマシンに乗っている選手がいても、海面状況が悪いほど、マシンの差はなくなりますから。

WJS 倉橋プロは、全日本チャンピオンも経験されているベテランライダーなのですが、何歳からレースを始められたのですか?
倉橋 16歳からです。今38歳なので、22年間、どっぷりとレースやっています。人生の半分以上、ジェットです。

WJS 船舶免許が取得できる年齢になったと同時に、レースに出場しているのですね?
倉橋 年齢が38歳なのに、レース歴は22年。全日本チャンピオンを獲得したりすると、経歴がいろいろなメディアに掲載されます。それを見た人から、「あれ? 38歳でレース歴22年って変だろう?」みたいな言い方を良くされました。

WJS でも、スキークラスのトップに君臨するライダー、竹野下正治プロ、片山司プロ、桜井直樹プロ、山本陽平プロと、長くレースを続けている選手が多いですよね?
倉橋 はい。彼らとは、少なくとも20年はシノギを削っています。

WJS BIGネームたちは、今でも強いですよね。若いライダーが現れても、未だに彼らを超えられていません。
倉橋 今でも、変わらないですよね。

WJS 倉橋プロを含めて、国内のベテラン勢は、なぜ速いのですか?
倉橋 長くやっているからでしょうね。

WJS 今シーズンについて伺いたいのですが、開幕戦のヒート2は1位でしたが、ヒート1はマシントラブルでリタイア。第2戦は優勝し、第3戦が2位。そして、最終戦が4位でした。この成績については満足していますか?
倉橋 久しぶりに「年間チャンピオン獲得」と思って頑張ったのですが、こういう状況のなかでは、良い結果を残せたと思っています。

WJS 世界で戦う権利は確保しました。次に、世界チャンピオンに輝くために必要なものは何だと思いますか?
倉橋 欲しいのは、速いマシンです。

WJS 今のマシンは、世界のトップライダーに比べると遅いのですか?
倉橋 最高速で10km/h以上の差はあります。

WJS 世界戦での倉橋選手は、4番手、5番手を走っていることが多いです。でも、マシンの速度が10km/h以上も違うわりには、引き離されないでその順位をキープして走り続けていますよね?
倉橋 世界戦は、レース時間が「15分プラス1周」の長丁場です。あのペースが、世界のトップクラスのペースです。そのスピード領域では走れているので、順位は上がらないけど抜かれもしません。

WJS 当然ですが、速いマシンは乗りにくい。現状のマシンの性能を十分引き出せるようになってから、パワーを上げていきたいという考え方の人も多いです。倉橋プロはそうではないのですね?
倉橋 僕は、速いマシンが良い。マシンが劣ると、自分のできる範囲の中で勝ちにいく戦い方に徹するしかありません。だけど、世界で戦うときは、できるなかでの最大の速さを求めて、大会期間中のギリギリまであがいています。

WJS もし、今から5分後に世界戦の決勝ヒートが始まるとして、「乗り慣れた自分のマシン」と「1度も乗ったこともないけれど、最速のマシン」が用意されていたら、どちらを選びますか?
倉橋 もちろん「最速マシン」です。

WJS それはどうしてですか?
倉橋 22年レースをやっていますから、大抵のマシンならいきなり乗ってもアジャストできます。

WJS 倉橋プロは基本的には無口で、あまりご自分のことを話しませんよね。失礼ですが、考え方が分からないときがあります。
倉橋 はい、そのせいで誤解され、嫌な思いをすることもあります。自分はレーサーなので、走りや戦いの中で、自分という人間を見てもらうことしかできません。でも、熱い走りを見せると一度離れた人たちも、また戻って来てくれたりしました。

WJS 3月の世界戦で、熱い走りが見られることを、心から願っています。ワクワクするレースを楽しみにしています。
倉橋 ありがとうございます。熱い走りを見せて、何かを共感してもらったり、レースを通じて、自分の本当の中身を知ってもらえるように頑張ります。

寡黙な倉橋秀幸選手は、内に闘志を秘めている。


年間総合第4位・海老原祥吾選手インタビュー

利根川で、誰よりも練習をしているという海老原祥吾選手。

16歳でレースデビューしたときから、「世界チャンピオンになりたい」と思っています

WJS タイのレースの出場権獲得おめでとうございます。今年、日本で4番目に速いライダーですね。今シーズンを見ていると、全て追い上げるレース展開でした。かなり手応えを掴んだのではないですか?
海老原 ありがとうございます。レースの内容に関しては、ある程度満足していますし、結果についても、応援してくれる皆さんが喜んでくれたので良かったです。

WJS 海老原プロはお若いですが、おいくつですか?
海老原 2000年3月生まれで、今、20歳です。

WJS レースはいつから出場されているのですか?
海老原 16歳で免許を取得して、その年にレースデビューしました。

WJS レースを始めたきっかけはなんですか?
海老原 父親の関係で、利根川にクレーバー(CLEVER)というチームの練習を見に来ていました。それで、どんどんハマっていきました。

WJS 目標は、やはり世界チャンピオンですか?
海老原 はい、そうです。16歳でレースデビューしたときからずっと、「世界チャンピオンになりたい」と思っています。

WJS 今季のレースを見ていると、序盤はいつも最後尾近くにいて、中盤から後半にかけて怒涛の追い上げを見せてくれました。あれは戦略ですか?
海老原 そうではなく、マシンがストック艇なんで、スタートではどうしても置いていかれるんです。

WJS ストックのSX-Rというのは、ほぼノーマル艇とスピードが変わらないですよね?
海老原 足まわりしかやってないから、速さはノーマル艇と同じです。

WJS マシンは何をしているのですか?
海老原 スポンソンや、ハンドルの長さとか変えています。結局、自分の思い通りにマシンを操れるようになれないと意味がないので。

WJS レベルの高い日本のスキークラスで、ノーマルで戦えるのですか?
海老原 エンジンはノーマルだけど、利根川で限界を超えるつもりで、誰よりも練習しています。

WJS 練習は何をしているのですか?
海老原 先輩のプロライダーの金子選手に、マンツーマンで指導を受けながらやっています。ひとつのパーツを変えたら、そのパーツの機能を100%引き出せるようになるまで体に叩き込み、それができたら、初めて次のステップに行くという感じです。

WJS よく、いきなり速いマシンに乗るのはあまり良くないという話を聞きますが、マシンに頼りすぎてはライダーの成長が妨げられるということなのでしょうか?
海老原 昨年はサポートで、速いマシンに乗らせていただきました。そのとき、足まわりの大切さに気が付きました。マシンが速くても、思い通りに操れないと意味がありません。

WJS ノーマルのマシンで戦い、マシンのポテンシャルを100%引き出しているわけですね。それにしても、他の選手のマシンよりも、優に10km/h以上は遅いのですよね。良くあれほど後ろから追い抜けますね?
海老原 僕のスピードは、最初から最後まで同じです。

WJS 先ほど、限界を超える練習を仰いましたが、具体的に何をしているのですか?
海老原 例えば、本番が15分プラス1周ならば、利根川の小さなコースなんだけど、15分以上、自分の限界を超えるつもりで走り続けます。そのとき、絶対に最後までペースを落とさないことを考えてやっています。自分のレースは後半に速いのではなく、最初から最後まで同じペースで走るということが目的なんです。

WJS 今季の海老原プロの成績は、第1戦が3位、第2戦が4位、第3戦が3位、最終戦が2位と、全てのレースで上位に入賞しています。エントリー台数が各戦14台くらいで、スタートして1周目はほとんど最下位にいますよね。毎回、10台以上抜いているのはすごいと思います。
海老原 ストックマシンだからそういう戦い方をするしかありません。スタートの練習も、タイミングやマシンを跳ねさせないことを意識しながら、誰よりも多くやっています。しかし、1ブイまでの直線は純粋に「マシンの速さ勝負」なので、最後尾になっています。

WJS レース中は、何に気を付けていますか?
海老原 15分間、同じペースで走ることを心がけています。最初は他のライダーが速いです。でも、最初のペースが速ければ、中盤でガタっとスピードが落ちてくるんです。

WJS そこから追い上げるわけですね。
海老原 いや、僕のペースは同じです。日ごろの練習で、「追い抜くための走行ライン」を何通りも、あらゆる角度でやっています。追い抜きに行って、抜ききれないときほど体力を消耗することはないからです。スパッて抜けるのが、最も体力を使わずにすみますから。

WJS そうやって、ほとんどノーマル艇のマシンのポテンシャルを100%引き出しているわけですね。それは、大変立派だと思います。そんな姿勢で日々努力しているからこそ、まわりの人たちも応援してくれ、成長しているのですね。3月のタイのレースは、目標はやはり世界チャンピオンですか?
海老原 獲れるように頑張りますが、今の目標は「全日本チャンピオン」です。

WJS ジェットスキーワールドカップや他の世界戦も、日本人最速になるための経験を積むという部分が大きいということですか?
海老原 はい。そうです。
WJS 今の時代に、こんな真っ直ぐに努力を続ける若者がいた事に本当に驚きました。これからも頑張ってください。

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