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2020年 フリースタイル「JET SPORTS JAPAN CUP in NISHIKINOHAMA」開催 水上バイク(ジェットスキー)

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スーパートリックに会場中が息をのんだ

2020年9月6日(日)、大阪府貝塚市の二色の浜公園において、「JET SPORTS JAPAN CUP in NISHIKINOHAMA」が開催された。
この大会では、「aquabike(アクアバイク)」と、「JET SPORTS JAPAN CUP in NISHIKINOHAMA」が行われ、コロナ禍のなか66名のエントリーがあった。

フリースタイルクラスのエントリー数は全部で15名(PROクラス8名、OPENクラス7名)。優勝は、昨年のジェットスキーワールドカップで優勝し、世界ナンバーワンとなった山本汰司。初っ端から、完璧なダブルバックフリップからの連続技を決めた。他の選手を寄せ付けない、貫禄の勝利であった。2位は岡本輝正、3位は花井眞二、4位は坂井田和明であった。

大会リザルト

1位 山本汰司(BUN FREESTYLE)
2位 岡本輝正(BUN FREESTYLE)
3位 花井眞二(Nagaragawa FREESTYLE Doukoukai)



今大会を見て確信した、「フリースタイル競技」の厳しさ

今年は、新型コロナ禍の影響で、ジェット関連の大会自体が少ない。そんななかで行われた今大会。
普通、フリースタイルの大会の決勝は、予選の順位が低い者から先に演技をするので、後になるほど上手い選手となる。しかし今回は、一発勝負のため、出走順がくじ引きで決められた。

プロクラスの2番目に出場した山本汰司が、その場を全て「持って」いってしまった。彼の繰り出すダブルバックフリップに魅了された。
しっかりと水を噛ませて飛び上がるスピードは、1回転のバックフリップとは比べものにならないくらい速い。「2回転」したという事実よりも、「ものすごいスピードで、回転しながら空中高くを飛んでいる」様子に圧倒される。

今までは、『さあ、ダブルをするぞ、するぞ』と全身でアピールし、終えてからも「どうだ」と言わんばかりの雰囲気があった。しかし今大会は、自然な流れのなかで、普通に1回転するようにダブルバックフリップを決め、そのまま連続コンボへと続いていく。
人は、予測を上回る演技を見せられたときに感動するが、今回の山本の演技は、まさにそれだった。
山本の後に出てきた、ベテランの花井眞二や元世界チャンピオンの坂井田和明も、攻撃的でベテランらしい演技で良かったが、山本の演技が頭から離れなかった。

裏を返せば、フリースタイルは、非常に残酷な競技だと改めて感じた。大会である以上、山本を超えなければ勝利はない。それには、あのマシンも必要になる。
当然だが、自分のできる環境でしか選手は戦えない。そう考えると、なおさら無慈悲な事実を突きつけられたような気になった。

2番手で登場して、「フリースタイルへの期待、不安、喜び、楽しさ」といった、ギャラリーの感情全てを、完璧な演技で持っていってしまった山本汰司選手。

現在のフリースタイルに、超絶マシンは必要か?

世界最高峰のフリースタイルマシンビルダー・渡部文一氏に聞く

WJS この大会を見て痛感したのが、競技としてみたら、ダブル技ができないと勝負の土俵にも上がれません。でも、国内でダブルバックフリップをやれる選手はたった2人だけ。それで、会場中の歓声や称賛を全て持って行ってしまう。ある意味で、凄く残酷だと感じました。
渡部 そうですか? でも、人ができないことをやらないと、見ている側も驚かない。「それなら、誰もやらないトリックを」ってなりますよね。難易度が上るのは必然です。

WJS それには、渡部さんが造るBUN FREE STYLEの最新モデルか、それに匹敵するマシンが必要だということでしょうか?
渡部 確かに僕は、世界を獲るためのマシンを開発しています。そこがメインではあるのだけど、フリースタイルを楽しむためには、やっぱり練習して上達していく喜びが必要です。その上で、プロの選手が繰り出す難易度の高いトリックに憧れて、この業界に入ってきてくれたらと考えています。

WJS 今日、非常に頑張っていたベテランの2人、花井選手と坂井田選手。彼らのスキルがあっても、今乗っているマシンではダブル技はできないのですよね?
渡部 そんなことはありません。自分が、「やるか、やらないか」なんです。今、「2回転しないと世界は獲れない」というのがベースになっています。その中で「俺は、どうする?」ということなんです。僕の場合、「ダブルはしなくていいよ」って言っちゃうと、その選手の成長は終わり。そこ止まりなんです。

WJS そうは言っても、上に行きたいからこそ、最新のフリースタイル艇が必要なのではないのでしょうか?
渡部 そんなことはないです。岡本は、ひとつ前の「Z UFO」というモデルでやっています。今日も完璧にダブルバックフリップを成功させました。結局、自分のフリースタイルのレベルを上げるのは自分自身なんです。どうなりたい、どこを目指したいということを決めるのも、本人次第です。

WJS 高みを目指すのであれば、最高のマシンが必要ということではないのですか?
渡部 それは分かりません。でも、僕は常に最高のマシンを造る努力をしています。「仲間の中で一番上手い」でもいいし、「世界チャンピオンになりたい」でもいいです。「世界チャンピオン」というのは世界で唯一の「称号」なんです。その部分を上手に活かすことで、良い人生を送れる。僕はそれを、自分で示したいと考えています。そうすることで、新たな世界チャンピオン保持者にも指導してあげたい。世の中、「世界は獲ったけど、人生それで終わり」という人がほとんどです。だから、僕は今も頑張っているんです。

WJS 今日は山本プロのダブル技の強烈さを、まざまざと見せつけられました。
渡部 それも、環境によると思います。僕らは、ダブルは当たり前のように見ているので、「ダブルだけでは勝てないぞ」くらいの感覚です。普通の人は、普段見ていないので、余計に強烈なんでしょうね。

WJS 確かに、どの大会に行っても2回転なんてそうそう見られるものではないので、すごく印象に残ります。
渡部 縦だけではなく横もなんです。縦、横の2回転は、僕らにとってはスタンダードベース。次の3回転や、それ以上の技を考えて、前を見てやっているので、少しずつ前が見えてくるのではないでしょうか。

WJS あれだけ完璧なダブルバックフリップを見せられたとき、一瞬、会場全体がシーンとしました。YouTubeなどで動画は上がっているので、「もう知っている」と思っていたのに、実際に目にすると「そうか、これが見たかったんだ」と気が付きます。
渡部 そうなんですよ。「リアル」で見ると全然違うんです。

大会終了後、インタビューに答えてくれた渡部文一氏(BUN FREESTYLE主宰)。

【ギャラリー】JET SPORTS JAPAN CUP in NISHIKINOHAMA PROクラス

PROクラス

優勝した山本汰司選手。自然なアプローチから突然始まった完璧なダブルバックフリップと、そこからの連続トリック。スピードからインパクトまで、この日の大会を全て持って行ってしまった。

2位の岡本輝正選手。闘志溢れるクレージーハグが印象的だった。

完璧な着水を見せて成功した、岡本選手のダブルバックフリップ。

3位の花井眞二選手は、プライドを剥き出しにした迫力のある演技を見せた。「俺を見ろ!」と言わんばかりの花井選手の連続コンボ。

元祖・マシンガンエアリアルの坂井田和明選手。

普通に技をするだけなのに、坂井田選手の演技には「おっ」と思わせる何かがある。

同じクレージーハグでも、坂井田選手と岡本選手は違う。

完璧なノーハンド。ここから先の進化が見たい。

どんどんフォームがキレイになる福田憲男選手は5位。

6位の和氣正季選手。久々に、ベテランらしい演技を見た。

7位はスーパージェットで出場した城 顕彰選手。非力なマシンで、この演技はすごい。

令和2年のオンザフード。とても新鮮だった。城選手の楽しそうな笑顔がいい。

成長著しい西村秀樹選手。

OPENクラス

OPENクラスは、普段、全日本選手権大会に参加しない選手がメインで、7名がエントリーした。優勝は、北海道から参戦した高橋伸英。2位は水嶋健太、3位は井村友律の順であった。
優勝した高橋のポイントは21.5p、2位の水嶋は21.4pと、コンマ1ポイント差の大接戦だった。3位の井村選手は、本番で自分ができる力を全て出し切れる、勝負強い選手であった。

北海道から参戦した高橋伸英選手。21.5p獲得して優勝した。

愛知県から参戦の水嶋選手が21.4pで2位となった。1位とは0.1p差の惜敗であった。

仲間の和氣選手が「井村君は讃えられるべきだ。今、彼が持ってる実力を全て出し切った結果だ」と言う。もしかしたら、下位に井村選手よりも上手い選手がいたのかもしれないが、本番で自分の力を出し切れる選手が上位にくる。これが大会だ。

爽やかなブルーのカラーリングも美しい濵田直樹選手が4位。

今大会、唯一の女性フリースタイラー、鷲野 恵選手。完璧なバックフリップを決めていた。

船引利次郎選手のバックフリップ。

大会前の和気あいあいとした雰囲気。これが本番になると一気に空気が変わるから面白い。


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