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2021 FREESTYLE フリースタイル大会「ALL JAPAN JET SPORTS SERIES」開催 水上バイク(ジェットスキー)

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世界最強マシン

今大会のTOP3。写真左:3位の村尾高明選手、中央:優勝した山本汰司選手、右:2位・和氣正季選手。

スーパートリックに、会場中が息をのんだ

2021年9月5日(日)、大阪府貝塚市の二色の浜公園において、「ALL JAPAN JET SPORTS SERIES 2021 5th STAGE」が開催された。
この大会は、「aquabike(アクアバイク)」と、「ALL JAPAN JET SPORTS SERIES 2021」の併催で、久しぶりにフリースタイルのカテゴリーも行われた。
フリースタイルクラスのエントリーは、全部で9名(PROクラス6名、OPENクラス3名)。

優勝は、2019年のジェットスキーワールドカップの世界チャンピオン・山本汰司選手である。この大会、彼は10月に迫るワールドファイナルに向け、キラートリックである「ダブルバックフリップ」を封印しての優勝であった。
2位は和氣正季選手、3位は村尾高明選手であった。

大会リザルト

1位 山本汰司(BUN FREESTYLE)
2位 和氣正季(TEAM BroHymn)
3位 村尾高明(FREE RIDE DEVIL)



大会を見て感じた、コロナ渦での「フリースタイル競技」の難しさ

昨年同様、今年も新型コロナ禍の影響で、ジェットのイベント自体が極端に少ない。「フリースタイル」という競技の性質上、場数を踏んでいる選手が圧倒的に有利だ。大会数が少ないということは、それだけで若手選手には不利である。
この大会が、今年初めてのエントリーという選手が多く、しかも一発勝負である。選手の緊張感が、見ていても伝わってくる。

そんな中、気炎を吐いていたのは、村尾高明選手だ。彼は800ccのスーパジェットベースのフリースタイル艇を手足のように駆り、多彩な技を披露していた。
MCの佐古氏までもが「上手いな~」と実況するほど、完成度の高いトリックを見せた。

村尾選手は、大会前にもSNSなどで盛んに和氣正季選手を煽っていたが、煽られた側の和氣選手の演技も素晴らしかった。登場した瞬間から気合いが入った表情を見せ、高い集中力から繰り出される連続コンボは、ギャラリーの心を掴んだ。
まるで「フリースタイルショー」のように、ギャラリーを楽しませようとした村尾選手に対して、和氣選手は「自分自身と戦って」いるような、気迫の演技であった。

最後に登場したのが山本汰司選手だ。今大会、「彼を倒そう」と考えている選手はいなかった。世界を狙うことが宿命の山本選手は、ここでは「別格」なのである。
10月にアメリカで行われる世界大会の直前ということもあり、「ダブルバックフリップ」を封印するなど、本来の実力を見せなかったが、それでも優勝するのだから、さすがである。

しかし、山本選手のジャッジポイントが「25.5」で、2位の和氣選手が「25.4」ポイントと、その差は「0.1ポイント」であった。和氣選手が、途中で1度だけミスをしたが、あのミスがなかったら「大騒ぎの順位」になっていたかもしれない。

久しぶりのフリースタイル大会で、レベルの高い選手たちが、自分のマシンを手足のように操り演技する姿に胸を打たれた。改めて、フリースタイルは素晴らしい!


ALL JAPAN JET SPORTS SERIES「PROクラス」

1位 山本汰司選手(BUN FREESTYLE)

目標は、常に「世界一」。国内では「敵」がいない山本汰司選手。

彼が登場すると、全ての演技を見逃さないように、皆が注目する。

「Taiji Yamamoto」SHOW TIME !!

高さ、スピード、すべてが完璧。鮮やかで余裕の演技からは、「必死さ」は感じられない。彼が、これほど”気負わず”に戦っている記憶がない。世界戦では、「チャンピオン獲得」という強烈なプレッシャーに、国内大会では「彼を倒すのが目標」という選手から、常にターゲットにされている。

テンポのよいルーティン。

連続トリックでも、ひとつひとつの技の完成度が高い。

両手を前に出し、フロント部分にタッチ。細かなトリックも、随所に織り交ぜている。

モンスターパワーを支配下に置き、高く遠くにジャンプするビッグ・エアートリック。レベルの高いマシンとライダーが揃わないと見られない。

2分間の演技があっという間に終わる。休むことなく飛び続けているので、気が付いたら「2分経っていた」なのだ。終わってから、ダブルバックフリップを見ていないことに気付くのだ。やはり、世界チャンピオンはスゴイ!


2位 和氣正季選手(TEAM BroHymn)

村尾選手の挑発を受け、「絶対に負けられない」と、引き締まった表情からのファーストトリック。気合の入った良い顔だ!

「Masaki Wake」SHOW TIME !!

和氣選手の持ち味である、高さのある「バックフリップ&バレルロール」の連続コンボ。

ファーストトリックから、完璧な8連続コンボを成功させた。

いつもと同じルーティンのはずなのに、なぜかいつもより「強く魅了」された。研ぎ澄まされた集中力と、執念のような“何か”がトリックから感じられる。

演技を終えてからも笑顔がない。演技後、やりきった感のある「ドヤ顔」。

表彰式で、村尾選手に勝った瞬間に見せた満面の笑み。今大会、村尾選手に「勝つ」ことだけが目的で戦ったのだ。弾けた笑顔がステキ!


3位 村尾高明選手(FREE RIDE DEVIL)

ワクワクのショータイムの始まり! ファーストトリックはストレートジャンプ。ここから両足が大きく開いたり、フロントから潜ってサブマリンを行ったりと、目が離せない。

「Takaaki Murao」 SHOW TIME !!

オンザフードは、めちゃくちゃスリリングだ。見ていて楽しいし、「上手いな~」と思わずつぶやいている。

ウイリーからの「モンキージャンプ」。流れるようなトリックに、手品のショーを見せられているような気分にさせられる。

「スプレー」でフィニッシュ。ショーの終わりに相応しい技だ。

2分間、常に笑顔でギャラリーへアピール! 危機迫るほどの集中力を見せた和氣選手とは対極にいる。「本日は、村尾高明ショーにお越しいただき、ありがとうございます」と言われているような気がした。

FREE STYLE SHOW TIME !!

大前真樹選手

大前選手の高いバックフリップ。

ハツラツとした演技であった。

福田憲男選手(BUN FREESTYLE)

笑顔のスナイパー。フリースタイルは採点競技だ。この笑顔はズルイ!

福田選手の真骨頂・BIGエアリアルトリック。

ワンフットもお手のもの。

野口雅生選手(M2 RACING)

出走前の野口選手。今から、「魅せてやる」と言わんばかりの表情が素敵だ。

スケアクロウ炸裂。

バレルロール。

どうだ、見たか!

審査員 JUDGE

公正な審査員の皆様。多種多様なマシン、個性的なトリックのオンパレードだ。現代フリースタイルのジャッジは難しい! 採点競技なので、誰かがジャッジをしないと大会が成立しない。素晴らしい審査、ご苦労様です。

OPENクラス

OPENクラスは、普段、全日本選手権大会に参加しない選手がメインで、3名がエントリーした。優勝は井村友律選手、2位は益子三千男選手、3位は坂口博文選手であった。

優勝した井村選手(長良川フリースタイル同好会)。連続トリックが見事であった。

2位の益子選手(長良川フリースタイル同好会)。

3位の坂口選手。

【ギャラリー】 ALL JAPAN JET SPORTS SERIES















ラスタカラーで決めていたM2 RACING の皆様。



同日に開催された他のレース競技「ALL JAPAN JET SPORTS SERIES 2021 5th STAGE」につきましては、ワールドジェットスポーツマガジン「2021年10月号」を見て下さい!

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