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「急激に進化するライディング。その秘密と、世界への期待」 シリーズ20歳の夏 第13回

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写真左:片野丈一郎選手、右:コンストラクター藤江功一氏。

最近のジョーは、本当に、上手くなっています。
練習量も多く、アドバイスもすぐに実践してくれます。

コンストラクター・藤江功一氏が語る「片野丈一郎選手」の現在

今、ジョーには、カワサキSX-Rの1500ccエンジン搭載のSEA-DOO「HX」で練習させています。HXのガソリンタンクが27ℓですが、これを満タンにして、ガソリンがなくなるまで、約25分間、ずっとレースコースを走り続けています。それを1日3回繰り返しています。その甲斐もあり、春から比較しても、ものすごく成長しています。

つい先日、スタンドアップのSX-Rに乗らせたのですが、立ち乗りまで上手くなっていました。HXのライディングが各段に上手くなると、スタンドアップまで上手くなっているのは驚きました。

10月に行われるワールドファイナルに出場するので、もうすぐ、「HX」をアメリカに送ります。だから、これからワールドファイナルまでは、SX-Rで練習させる予定です。

ガソリン満タンから、空になるまで、走り続ける片野選手。

1度の練習で、心は2回折れます。

片野丈一郎選手に聞く、「現在の仕上がり具合」

WJS 藤江さんは辛口の評価をする方で、事実をズバッと話されます。その藤江さんが、片野選手のライディングを誉めることが、最近は多いのですが、片野選手ご本人も、成長してると感じてますか?
片野 はい。昨日、1年ぶりにカワサキSX-Rで練習したのですが、キチンと乗れていて、自分でも驚きました。

WJS 普段は、SX-Rのエンジンが搭載された「HX」で練習されているのですよね? SX-RとHXでは、マシン特性が違うのではないですか?
片野 はい。SX-Rはコーナーの手前で1度減速して、マシンの向きを変えて曲りますよね。HXは、ほぼノーブレーキでコーナーリングできる。コーナリングスピードは、圧倒的にHXのほうが速いと思います。そのせいか、1年ぶりのスタンドアップでも、余裕を感じながら走れました。

藤江さんのアドバイスでライディングが飛躍的に進化しました。(by.片野丈一郎)

WJS 確か、4月にSX-Rと同じエンジンが搭載されたHXで初めてレースに出たときは、マシンパワーに振り回されていましたよね?
片野 はい。全然乗れませんでした。それが今は、ガソリンワンタンクは、アクセル全開で走れるようになりました。慣れとトレーニングで、体力がアップしたからだと思っています。

WJS 成長の要因は、場数を踏んだことと、練習量ですか?
片野 はい。それと、藤江さんのアドバイスは大きいです。口の悪い人は、藤江さんを「屁理屈」と言う人もいるのですが、僕からすれば、本当に効果のある話ばかりです。藤江さんの言葉は、全て実践しているし、そのお陰で成長できている部分は大きいです。

WJS 例えば、どんなことですか?
片野 最近だと、「スタート方法」ですね。スパークのレースのとき、「スタートで、マシンが跳ねてる」って藤江さんから指摘されました。自分では抑えているつもりだったのに、改めてビデオを見ると、確かに跳ねている。どうすればいいのかと聞くと、「ヘルメットの顎の部分が、フロントのフードにくっつくくらい前荷重にして、体全体でフロントを抑えながらスタートする」と言われました。最初は半信半疑でも、実践すると全部使えることばかり。それからは、分らなければすぐに藤江さんに聞いて、練習で自分のものにしていっています。このやり取りが、自分の成長には欠かせませんでした。

WJS 藤江さんは元プロライダーですし、言い方はストレートに教えてくれますよね?
片野 「こうしたほうが良い」なんて言い方はしません。さらって言って終わりです。だから、しっかり聞いていないといけないんですよね。

WJS 藤江さんに、練習を見てもらうことも多いのですか?
片野 はい。ここ最近は、珍しく誉めてくれることのほうが多いです。あの藤江さんが、「上手くなっとる」「ええ調子」って言ってくれます。


WJS ガソリンワンタンクを、アクセル全開で約25分間、走り続けるというのは、どんな感じですか?
片野 毎回、心が2回折れます……。いつも、長良川でスキークラスの服部プロたちと一緒に練習しているのですが、マラソンランナーのように、疲れて究極を超えると、もう1回、何かが燃え始めるんです。

WJS ランナーズハイのような感じですね?
片野 半分くらいで、「うわっ、服部さん、ペース落ちないな」とか思いながら、必死で食らいついていくと、だんだん「まだまだイケるぞ」って気になってきて、最後まで走り切れます。トップライダーの人たちと走れるので、サイドバイサイドとか、インの差し合いをしているうちにテンションが上がってきます。僕なんかが言うのは生意気ですが、スキーであれだけ走れるのは、本当に尊敬します。

WJS 今年のワールドファイナルや、国内の最終戦などが楽しみですね。
片野 はい。精一杯、頑張ります。

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