「全長4.8メートル。流線型のキャノピーに覆われた特徴的なスタイリング。それはまるで、かつて子どもの頃に夢見た未来の乗り物のようです。湖上に浮いたその乗り物が加速していくと、徐々に浮き上がり、2本の脚だけで立ち上がって滑走をはじめます。
見るからに楽しげなこの乗り物の名は「OU-32」。ヤマハのボート事業の立ち上げ(1960年)からボートの開発・設計に関わり続けた、故・堀内浩太郎氏をリーダーとする「堀内研究室」で試作され、1988年の「東京国際ボートショー」に“夢のボート”として出展した水中翼船です」(ヤマハ発動機・ニュースレターより抜粋)。
残っていた1枚の図面をもとに、水漏れの修復、シートレイアウトの変更、エンジンの換装など、レストアに要した期間は約2か月間だそうです。ジェット推進で動くこの乗り物、大きな意味で我々が乗っている水上バイクと同じといえるかもしれませんね。残念ながら当時は発売はされなかったそうですが、せっかく現代に復元されたわけですから、機会があれば一度乗ってみたくなる乗り物。ロマンです。
海外ユーチューバーの「Ray Vellinga」さんにより公開された「水中翼船 OU-32」の走行シーンです。これによると、船体重量は約358kg、水面から45cmほど浮き上がり、時速64kmほどのスピードを出せるそうです。一体、どこから水を取り込んでいるのか、謎です。