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  3. 雨が降れば思い出す「あの日」

「記録的な雨量の恐れ警戒を」

これは、Yahoo!ニュースの見出しである。

悪天候の日は、ジェットに乗らないほうが良い。しかし、雨が降っていても風はなく、水面はベタ凪ということは良くある。「今日は雨」と割り切って出発すれば、「雨」でも楽しい。本当だ。小学生のころ、体中びちょびちょに濡らしながら遊んだ経験は、皆もあるはずだ。

数年前、ジェットスキーで沖縄1周のツーリングにチャレンジした。そのとき、人生初体験、まさに「マンゴーレイン」としか言いようのない、バケツをひっくり返したようなスコールの中を走ったことがある。海の上で停止していても、両腕と顔が痛い。慌ててゴーグルをハメたが、それだけで嘘のように快適に走れた。大雨で視界は悪いが、空が明るくなったり暗くなったりする。荘厳で偉大な大自然の中で生きている気がして、非常に印象に残っている。地球は、こんなにたくさんの雨を降らすことができるのか……。楽しいというよりは、少し怖かったことを覚えている。

梅雨時の今、天気の回復を待ってばかりだと、悔しいだけの週末が繰り返される。自己責任で、十分に安全に気を付けながら、雨のツーリングに出かけるのもいいかもしれない。忘れ難い思い出になるかもしれませんよ。


沖縄BAY BLUES

朝は晴れていたのに、
気が付いたら強烈な豪雨。
まだ半分も走っていないのに……。

今日中に沖縄本島1周なんて、
本当にできるのだろうか?

海の上で、初めて経験する強烈な雨。
黒く、暗い海のなか、
より暗く、黒い雨雲に向って走る。
前がロクに見えない。

激しい雨に叩かれ続けて、
何だか「俺の人生みたいだな」と思った。

こんな雨のなかで、
今日中に沖縄本島1周なんて
本当にできるのだろうか?

これが、
俺たちの
沖縄BAY BLUES。


果てしなく続く、大きく「うねる」海。
まるで、砂漠の中を走り続けているようだ。

一瞬も気が抜けない海面。
ジェットよりも早く流れる雲たち。

陸(山の方)で雷の音が聞こえる。
こっち(海)には来ないように、神に祈る。
今できることは、神に祈ることだけ。

我々が進む先には、まっ黒で分厚い雨雲。
振り返れば、
今、通り過ぎて来たばかりの海の上に、
青空が広がっている。

振り返るのはやめよう。
前だけを見て、闇に向かって走る。
たとえ嵐が来ようとも、
行けるところまでは旅を続ける。

未来は何がどうなるのか、誰にも分かりはしない。
暗闇の先には、光り輝く未来があるのかもしれない。
今より黒く、深い闇に包まれるのかもしれない。

全部、自分で決めたこと。
何が起きようと、後悔だけはしなくていい。


もう止めておけ。
諦めろ。
そう簡単に、沖縄1周なんてさせるわけにはいかない。

そう言わんばかりに雨が降る。

尋常ではない豪雨に、
毅然と立ち向かう俺たちがいる。
何でもいいから「カカッテコイヤ」。
心の中で叫んでいる。

今日の雨は、生涯、忘れない。
何があろうと。
仲間と走った沖縄BAY BLUES。


人間は単純である。
朝から走り続けて7時間。
体力は限界を超えているはずなのに、
勝負を挑まれると夢中で応じてしまう。

何の前触れもなく、
東シナ海・サバイバルレースが始まった。

不思議なことだが、
一定の条件が揃うと、なぜか競争が始まる。
風、気温、天候、海面、そして雰囲気。

ロマンチックな愚か者同士の、
終わりなき懲りない戦い。
勝負はつかず……。


日没までに帰港する。
それだけが目的になっていた午後6時。
いきなり太陽が現れた。

体力は限界を超えているのに、
夕日に照らされると
少しだけ元気になるから不思議だ。

あと、どれくらい走ればいいのか分からない。
今の気分は、「徹夜で走り続けた」夕暮れどき。

暗く黒い空、さっきまでの大雨とは全く違う。
夕日に照らされ、金色に光輝く海に、
ただただ見とれるばかりの午後6時。


やっと見覚えのある岩が見えた。
帰って来たのだ。

海は神々しい。
特に今日のような天候では、なおさらだ。
1日で走るには、沖縄1周は距離が長すぎる。
日の出から出発して、日没までに戻るには、
耐久レースと同じペースで走り続けなければならなかった。

両腕は何度も痙攣したし、
足腰も限界を超えている。
まるでお遍路さんにでもなったようだ。
もっとゆるいツーリングだと思っていたが、
実際はあまりの過酷さに、途中で嫌になった。

登山も同じかもしれない。
求める目的のためだけに、
ひたすら肉体を酷使する。

苦しければ苦しいほど、過酷であればあるほど、
得られるものは
強烈な達成感と満足感。

なぜか今、共に走った2人に
強烈な感謝の気持ちが沸き起こった。

仲間3人でなしとげた
これが、俺たちの沖縄BAY BLUES。

到着してしばらくは動けなかったが、幸せだった。



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