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美しい日本の水辺を走る 琵琶湖の春・優しい風景 ジェットスキー(水上バイク)

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春の琵琶湖を悠々と走りたい

暖かくなってきた。東京でも、ようやく「春」が感じられるようになった。「春」と聞いて、編集部が真っ先に思い浮かべる景色が「琵琶湖」である。

心躍る湖国の春。ここにしかない風景がある。

琵琶湖の春・いにしえから変わらぬ湖国に憧れて

この湖を走りたくなるのは、ここにしかない景色と風情があるから

春は優しい季節。いつ冬が終わったのかは知らないが、春が来たことは感じる。
春になると、無性に琵琶湖を走りたくなる。何気ない風景が、とても優しく思えるからだ。

琵琶湖の景色は「優しい景色」。四季折々の季節の中でも、春の琵琶湖はとびきり素晴らしく感じる。厳しさが見えないのは、私が地元の人間ではないからだろう。それでも優しく目に映る、春の琵琶湖が大好きだ。

後ろの風車は道の駅「しんあさひ風車村」。まるで童話の世界に入ってしまったかのようだ。

琵琶湖でジェットに乗るときに絶対に必要なもの

ツーリング当日、朝8時に滋賀県野洲市のジェットショップ、シードリームスカンパニー ヨシカワに集合。オーナーの吉川氏が水先案内人として同行してくれることになっている。

ショップに行くと、すでに我々が乗るジェットに「適合証」を貼ってくれていた。琵琶湖でジェットに乗るには、「適合証」と「ライセンス」の2つが必要である。適合証はジェットに貼り、ライセンスはドライバーが所持する。ライセンスは5年間有効だ。

【関連記事】 琵琶湖でジェットスキーに乗るとき、絶対必要なもの

各地の水域には、ローカルルールがある。初めて行く場所では、信頼できる現地のショップに聞いてから走ること。「知らない」ではすまないことも多い。


【ワンポイントアドバイス】 琵琶湖の必携品 ライセンス&ステッカーがないと、琵琶湖でジェットに乗れません!!

琵琶湖でジェットに乗るために、必ず取得しておかなければならないのが、「琵琶湖水上オートバイ安全講習終了証(ライセンス)」と、環境対応型ジェットであることを証明する「適合証」だ。

ライセンス

「琵琶湖水上オートバイ安全講習終了証(通称:琵琶湖ライセンス)」。取得するには、約半日の安全講習を受講するだけでよい。講習後、その場でライセンスを発行してくれる。講習日と定員が決まっているので、琵琶湖でジェットに乗る予定があるなら早めに申し込みをしたほうがいい。ライセンスは5年間有効。※令和3年に関しては、講習日程は未定となっている。

ステッカー

必要書類をダウンロードし、滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖政策課へ送付もしくは、滋賀県指定の保管業者を通じて申請を行う。ステッカーが届くまで、2週間前後かかる。


ジェット乗りの聖地「琵琶湖」

ルールとマナーを守れば、これほど素晴らしい景色もアナタのもの

今回のツーリングのために吉川さんが用意してくれたのは、スパークとGTR215。相方はGTR215で、元気な私はスパークで出発した。風もないベタ凪の水面に繰り出す。遠く、比良山系の山々が、春霞の向こう側にうっすらと浮かんでいる。天気が良ければ、新緑の山が正面に望めるが、この日のように霞がかった景色も趣がある。
縦横無尽にスラロームしながら走る。小回りが効くスパークの、軽快な走りが大好きだ。

琵琶湖大橋を左手に見ながら、近江舞子方面へ向かう。近江舞子は、琵琶湖有数の美しい砂浜が続く。近江舞子を超えると、「白鬚神社」が見えてくる。

【本日の走行ルート】「琵琶湖大橋」を境に、琵琶湖の南側を「南湖」、北側を「北湖」と呼ぶ。この日は、琵琶湖の大半を占める北湖を1周する予定である。

凪の琵琶湖はスパークで走ると楽しい。

白鬚神社は、湖上に鳥居が建っている。いつ来ても、その荘厳さに圧倒される。白鬚神社の鳥居は「近江の厳島」と呼ばれている。日本三景「安芸の宮島」と肩を並べる鳥居なのだ。


琵琶湖ツーリングの定番、白鬚神社

湖を走って白鬚神社に近づいて行くと、常に神様から見られている気する。全体を包む荘厳な雰囲気に、自然と身が引き締まる。
湖の中に鳥居が建ち、本殿と拝殿は国道161号線を挟んだ向こう側にある。いうなれば、神社の境内を、車がひっきりなしに往来しているような状態なのだ。
だが、なぜかその音が気にならないくらい、静けさを感じる。何度も来ているうちに、私はすっかり白鬚神社のファンになってしまっているようだ。


【注意!】 白鬚神社の鳥居は、絶対にジェットでくぐらないこと!

何年か前から、ジェットで鳥居をくぐる集団が増えているという。鳥居にぶつかって、破損させた不届きものもいる。
何年か前のニュースで宮司さんが仰っていた。「規制区域にするなら、何mかおきにブイを並べる。それがかえって景観を損ねるという不安がある。けれども、水上バイクで通ってほしくないという思いのほうが強い」と。
今はまだ規制はされていないが、このままいけば、白髭神社の近くにジェットが入れないような規制ができるかもしれない。今、ジェット乗りのモラルが試されているということを忘れないでほしいのだ。

今はダメ!鳥居から神社側は神域である。そこは、乗り物に乗ったまま走るものではない。

できれば、沖でアンカリングしておきたい。こうやって砂浜に泊めると、ポンプに砂が入り、冷却経路を詰まらせる危険性がある。

国道161号線から鳥居を臨む。何度来ても絶景だ。

白髭神社の境内には、紫式部の歌碑が建てられている。


ジェットは常に注目されている

湖から陸上に上がる階段で、我々をずっと眺めていた女性に声を掛けられた。「どこまで行くんですか?」と。彼女の目がハートマークだ。悔しいことに、その相手は私ではなくジェットに、だ。
女性は、自転車で琵琶湖を巡っていて、これから海津大崎方面に向かうという。

奇遇ですね。我々もこれからそこに行くんですと言いながら、笑顔で手を振ってお別れする。どう考えても、自転車よりもジェットのほうが速いから、もう会うこともないのだろうな。

「どこまで行くんですか?」と、階段にいた女性に声をかけられた。


春はどこか遠くへ出かけたくなる

数年前にも春に琵琶湖を走ったが、そのときは海津大崎では桜が満開だった。まだ新型コロナなど影も形もないころだったので、観光客を乗せたバスが、ひっきりなしにやって来ていたことを思い出す。少し前のことなのに、ずいぶん、昔に感じるものだ……。

前回はここで上陸して土手でお弁当を広げたが、今回はそのまま出発する。
琵琶湖のベタ凪の水面は快適だが、あまりに楽チンだと眠くなる。丸1日ジェットで遊ぶ日は、「ハードなくらい」でちょうど良い。

この先のは何があるのか……? ついつい気になってしまう。


ツーリングの楽しさは、乗り物によって変わる

スパークでのツーリングは楽しい。水面が荒れると、皆から遅れないように走るのは至難の技だが、退屈することはない。他のジェットの引き波で、軽快なジャンプができるのはスパークだけ。フラッグシップはパワーと重量がありすぎて、波をつぶして走るので、ジェットの引き波程度ではジャンプできないのだ。

レギュラーガソリン仕様で、燃費が良いのも、スパークを気に入っている理由のひとつだ。ゆっくり走れば、給油なしで琵琶湖を1周できる。アクセル全開でぶっ飛ばしても、2タンクは要らないのも嬉しい。

岸から十分に離れた場所なら、スラローム走行も思いのまま。ただひたすら気持ちいい。


湖から見たい。桜の名所・海津大崎

海津大崎の桜は「日本のさくら名所100選」にも選ばれている。約800本のソメイヨシノがびわ湖岸約4kmにわたり続く。近畿圏では遅咲きの桜名所として知られている。また海津大崎は、琵琶湖八景と言われる景勝地で、毎年多くの花見客で賑わう。

湖のかなり沖まで流れてきた花びら。日本に生まれてよかったと思う。

湖上に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)。琵琶湖では2番目に大きい島だ。「深緑の竹生島の沈影」は、琵琶湖八景のひとつである。

竹生島は、「琵琶湖とその水辺景観 祈りと暮らしの水遺産 」の構成文化財として、日本遺産に認定されている。

ツーリング中、ウィンドサーフィンの講習会に遭遇。水上スポーツも盛んな湖だ。

湖に浮かぶ桜の花びらは、世の無常を感じさせてくれる。


穴場的スポット・長命寺

竹生島からノンストップで走り続けて、長命寺に到着。淡々と走れば給油しなくてもいいことは分かっている。しかし長命寺に行けば、吉川さんの奥様がガソリンを持ってきてくれることになっていた。それなら「確信犯」的に、燃料のことは考えずにアグレッシブなスポーツ走行をする。案の定、長命寺に着くころには、イイ感じにガソリンがなくなった。

琵琶湖から、長命寺の808段の長い階段を登って参拝に行く。陸上から行く場合、山の中腹まで車で行けるので、我々のように一番下から登る人は少ない。

頂上の拝殿でお参りをしていると、住職さんが「今年も良く来たね」と、声を掛けてくれた。年に1度しか来ない我々のことをちゃんと覚えてくれているのだ。毎年歓迎してくれる住職さんに、感謝しかない。

ここから808段の長い階段が始まる。

長命寺の付近の菜の花畑。菜の花のなかにいると、気持ちまで明るくなる。

人懐っこい動物。

途中で休憩ポイントもある。

808段の階段を上り、たどり着いた境内から見た琵琶湖。絶景だ。

タイムトリップしたかのような町並みだ。長命寺の付近では、時代劇の撮影ができそうだ。

袖すり合うも他生の縁。バイクのツーリング隊の皆さんと記念撮影。


堅田衆と呼ばれる「湖賊」が、琵琶湖の交通支配権を握っていた時代

ガソリンも入れてもらったし、南湖側の景勝地「浮御堂」へ向かう。浮御堂というのは通称で、正式には「満月寺」。湖に突き出した石橋の先に建つ様子から、そう呼ばれている。

戦国時代、琵琶湖は、「堅田衆」と呼ばれる湖賊が支配していた。琵琶湖の水運、漁業権を支配し、湖における圧倒的な力を持っていたという。その本拠地が、このあたりなのだ。湖の上から手を合わせてマリーナへ戻ことにした。

琵琶湖を走ると、いつも「懐かしい」と感じる。それは、風景であったり、人の優しさだったり、空気感だったり……。日本の古きよき時代の美しさが残るこの湖は、私にとって、心安らぐ場所である。

堅田の浮御堂。近江八景のひとつ「堅田の落雁」として知られる、湖上に浮かぶ御堂。

のんびりと湖に浮かぶ。今日だけは、俗世のわずらわしさから解放される。

のどかな日本の春。




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