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  3. カワサキの原点・スタンドアップ「SX-R」誕生物語

こんな乗り物、他にない

「JS SX-R」とは、カワサキモータース ジャパンから発売されている「4ストロークスタンドアップ」である。今回、ニューモデルの発売に際し、開発チームに話を伺った。開発陣がどのような思いで「JS SX-R」を発売したのか、その情熱の一端でも感じていただければ幸いです。

開発チームが最も苦労したこと
それは「ジェットスキー」であること

2003年に、2ストローク艇の800SX-Rが発売されました。同じ年、4ストローク・ランナバウトのSTX-12Fも発売されました。翌2004年に、4ストローク・ランナバウトSTX-15Fの販売を開始したのですが、実は2003年の段階で、800SX-Rの船体に4ストローク1,200ccエンジンを載せていましたし、2004年には4ストローク1,500ccエンジンを載せてテストを始めていました。

800SX-Rの船体に1,500ccエンジンを搭載すると、当初予想していた通り、左右にコロンコロンと転がりやすいマシンになりました。エンジンが重く、大きくなることで重心位置が上がり、左右に転倒しやすくなります。当然、このままでは直進安定性が悪すぎてどうしようもありません。安定性を増しながら、旋回性能も高めることは、技術的にはそれほど問題はありませんでした。1973年にジェットスキーを販売し始めた企業として、すでに技術的なノウハウは問題ないと分かっていたからです。

大問題は、我々は「ジェットスキー」を作っているのあって、誰もが分かる技術的な進化だけではダメなのです。肝心なことは、ニューモデルが「ジェットスキー」であり続けること。転んでも、上手く乗れても、乗れなくても「楽しい」と感じてもらえるマシンであることなのです。

これに関しては、理屈や数値は関係ありません。「面白いと感じるかどうか?」それだけなのです。そう言えば、SX-Rの開発で、何が一番苦労したかお分かりいただけると思います。(カワサキ「JS SX-R」開発チーム談)


「スタンドアップ」って何?

スタンドアップは文字通り、「立って乗る水上バイク」のこと。座って乗るランナバウトと違って安定感に欠けるので、「立ち上がる」「真っすぐ走る」「曲がる」という動作が非常に難しい。1980年代に世界中で爆発的に売れたJS440とJS550(この2機種を総称して「44/55(ヨンヨン・ゴーゴー)」と呼ぶ)は、立って真っ直ぐ走るだけでも、かなりのライディングスキルが要求される乗り物だった。

2002年に「JS 800SX-R」が登場したときは、その船体安定性の良さから、「44/55」ユーザーから「立ち乗りが、ランナバウトになったくらい簡単だ」と言われていたほどである。

皆が待ち望んだ「SX-R」という乗り物

2012年に2ストロークスタンドアップ「800SX-R」がラインナップから姿を消したとき、後継機種はリリースされなかった。そのとき、口にこそ出さなかったが、「カワサキのスタンドアップの歴史もこれで終わりか……」「もう2度と、カワサキからスタンドアップは出ないのか……」と、大多数が思っていた。反面、「いつかまた、カワサキはスタンドアップを出してくれる」と期待し、毎年ニューモデルの時期になると、「今年は新しい立ち乗りが出る」という噂が、まことしやかに囁かれていたのだ。

そして、2017年。待望の4ストロークスタンドアップ「JS SX-R」が発売されたのである。

「誰にでも平等」それはマシンが進化しても変わらない

「立ち上がる」「真っ直ぐ走る」という「動作」だけを見れば、ジェットスキーが進化するたびに、ユーザーに優しくなってきている。しかし、誤解しないでいただきたいのは、だからといって、「下手でも乗れる」わけではないのだ。

4ストロークスタンドアップ「JS SX-R」に乗って確信したことがある。それは、テクノロジーは進化しても、「ジェットを支配する難しさ」という部分に関しては、昔も今も平等である、ということ。「昔のジェットスキーに乗っていたヤツのほうが上手い」と言い切る、昔からのジェットユーザーにこそSX-Rに乗ってもらいたい。最初から、アクセル全開では走れないから。

SX-Rは強烈に進化したスタンドアップだが、「カワサキ」というメーカーが造る以上、その根底にある「ジェットスキーの楽しさは永遠に不滅」というアイデンティティは変わらない。

 

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