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  3. カワサキ「SX-R」試乗インプレッション

SX-Rは、カワサキの造った「新しいスタンドアップ」です。
事実上、800SX-Rの後継機種という位置付けになっていますが、全く違う乗り物。
船体は大きくて、ハルはV型。エンジンは4ストローク。重厚感がハンパない。
最高速も100km/h近く出る。
普通、ニューモデルのプレス発表会では、座学でその機種についてのスペックや特徴などが詳しく説明されるものです。
しかし、このSX-Rの場合、「とにかく乗ってください」と言われた……。

編集部の試乗インプレッション
フルスロットルで走る自分を、誇らしく思う乗り物

SX-Rに乗って、すぐにアクセルを全開にした。
まず最初に、トルクフルで力強い加速感に驚かされる。
体がジェットに引っ張られている。
恐怖感と、楽しさ、予想を上回るパワフルさに胸が躍る。

直進安定性

フロントが浮き気味で、リアが横ブレを自動補正してくれる。

気が付いたら安定性の高さに驚く。
立ち乗りで、時速100km/hで走行中に、これだけ安定しているなんて。
しばらくして、走りながら、ノーズ部分からサイドにかけて
水面と接して発生するスプレーに見とれた。
気が付いたら派手に転倒して吹っ飛んだ。
トップスピードで走行中、前を見ないで、下を見てる余裕などないのに、
初めて体験するSX-Rの水面とハルが接して発生するノイズの迫力に魅了され、
真下の水面を見続けていたのだから、吹っ飛ぶのは必然だった。

水の上を4回転した、吹っ飛ばされた場所から、70メートルくらい離れた場所で静止した。
まさに、初めての衝撃、頭の中が真っ白になった。
走行時のパワーが現代の「立ち乗り、最強マシン」なので、
転倒の衝撃も「現代最強」だった。
しかし、幸い奇跡的に怪我はなく、恐怖に震える体で、
遥か100メートル以上先の水面に小さく浮かんで見える
SX-Rに向かって泳ぎだした。
自分も懲りない男だな~とつくつく感じたのは、
泳ぎながらニヤついている自分に気付いたからだ。

「SX-Rスゲエや。全開で飛んだからもう大丈夫だ」
こう思っていたのが、ニヤつく原因だった。
何が「もう大丈夫だ」だ。
立ち乗りは、こけなきゃ始まらないという部分があるのだ。
最高速で吹っ飛んだら、「これ以上の痛みはない」と思えるので
ある意味、こける恐怖感が消えるのだ。

コーナリング

しっかりとフロントサイドが水を噛めば、力強く旋回する。
「自分で何かする」というよりは、車のように、
マシンが曲がってくれるから、しっかりと操縦するという感じ。
低速でも、ハンドルを切ってアクセルを開ければ、簡単にまがる。

総括

初心者が簡単に乗ろうと思えば、アクセルを開けなければよい。
低速で楽しむだけなら、歴代スタンドアップの中では最強に簡単だ。

ならば、上級者が楽しむのはモノ足りないのか?
歴代最強パワーを乗りこなすのは、これまた大変なことなのだ。

初心者にも上級者にも、すべてのジェット乗りが夢中になれるノリモノだと確信する。

こんな乗り物他にない。


編集部は言い続ける。「とにかく早く乗ってみろ」と言う。

アクセルを握って、「フル加速」が癖になる。
アッという間に風になれる、唯一無二の乗り味だ。
スリリングな乗り物は世の中にたくさんある。
しかし、最高時速約100kmのフルスロットルで走り続けるだけで、
これほど「自分を、誇らしく思える乗り物」、
これほど「シンドクて、楽しい乗り物」は、他に思いつかない。

その反面、体への負担もハンパではない。
すぐに腕がパンパンになるが、「乗れば乗るほど上手くなれる」と感じられる。
スゴい! 楽しい! 素敵!!
コレが、私の「SX-R」の初乗り印象である。

それでも、私は気分が良かった。
最高速で吹っ飛んだ経験はありがたい。
最高速で吹っ飛ぶことに対し、むやみやたらと怖がる必要がなくなったからだ。
私は無傷で、もう一度、ジェットに乗るためにワクワクしながら水面を泳いでいる。
これこそが、まさに新しい「SX-R」なのだ。

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