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日本の「名車」が海外に流出! アメリカの「25年ルール」を知っていますか? 映画“007”には「トヨタ2000GT」が、“グラン・トリノ”では、「72年型 グラン・トリノ」がスクリーンで輝いている

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日本の「優良中古車」が海外にどんどん流出し、良質なクルマが日本からなくなる!? アメリカの「25年ルール」を知っていますか?

アメリカ国内では、基本的に“右ハンドル車”の走行は法律で禁止されている。
なので、「“右ハンドル車”の輸入は認められない」と定められている。

しかし、通称「25年ルール」という特別ルールがあり、初年度登録から25年以上経過したクルマなら、“右ハンドル車”であっても輸入することができると、アメリカ合衆国運輸省(NHTSA)が認めているのだ。

逆にいえば「製造から25年が経過しているクルマであれば、“右ハンドル車”でも、アメリカで走れるのだ。

この「25年ルール」により、日本の「クルマ文化」が海外に流出することを危惧する声が高まっている。

円安が進行している今は、その傾向がさらに顕著だ。
質の良い、「日本の名車」がどんどん海外に流れている。


アメリカで「古い日本車」が人気の理由

古いクルマになるほど、「課税を強化する日本」と、日本車の旧車の価値を認めてリスペクトし、さらに税負担もない海外だったら、日本の良質なオールドカーが消滅するのは当然の話である。

今、この「25年ルール」によって、アメリカでは入手できない「日本のスポーツカー」に人気が集まっている。

日本車の人気の一端には、ゲームの「グランツーリスモ」や、映画「ワイルド・スピード」などが大きく影響しているといわれている。
主演したポール・ウォーカーの愛車が、GT-Rとスープラだったことは有名だ。


日本の名車がアメリカに渡る理由は、日本の古いクルマに負担を強いる制度

最大の要因は、「長くクルマを維持することに対する税金の負担増」である。

日本の税制では、13年以上経過したクルマは税率が上がり、18年を経過するともっと重税になる。これでは、「名車」と呼ばれる“古いクルマ”を自ら手放せと国から言われているようなものだ。

愛着もあるし、普通に走る。廃車にも売却もしたくない。令和3年の乗用車の平均使用年数は「13.87年」で、国民の“ほとんど”が「13年以上」乗っている計算になる。

何十年経っても、色あせないクルマというのは存在する。いつかは手に入れたいと思っている往年の名車もある。
それなのに、今の税制のままだと乗り続けることをためらう。


アメリカ人は「最高の日本車」を格安で買える

その他の要因として、2年に1度の「車検制度」である。

同じクルマに乗っているのに、年を経ると金銭的コストばかりが増えていく日本と、25年を目途に「日本から良質な中古車を輸入できる」のを、手ぐすね引いて待っているアメリカ。
双方の利害が一致することが最大の理由なのだ。

今なら円安が絡んでくる。アメリカ人は、「最高の日本車」を格安で買えるのだ。


海外の映画には「古いクルマ」が登場する

自分が買ったクルマを、長く愛することはカッコいい。
自分が好きな機種がカッコいい。
好きなモノを大切にしている姿は、見てるだけで気分が良い。

クリント・イーストウッドが主演を務める2009年公開の映画“グラン・トリノ”では、「72年型フォードのグラン・トリノ」が主役だ。孤独に暮らす気難しい元軍人の男が、大切にしている愛車として登場する。

映画、007の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」には、1964年製の、「アストンマーティン DB5」がボンドカーとして活躍していた。
007にこのアストンマーティンDB5が初登場したのは58年前、1964年公開の「ゴールドフィンガー」だった。その後、何作もこのクルマが使われ、「DB5」といえばボンドカーの代名詞になった。

007に出演したクルマの中には日本車もある。
「トヨタ2000GT」だ。浜美枝がボンドガールで、日本で撮影された1967年公開の「007は2度死ぬ」である。

しかし今、現代の日本映画で、この「トヨタ2000GT」が走るシーンを見ることない。
58年前のDB5は色あせずに銀幕を飾っているのに、よほどのことがない限り、往年の日本車が現代モノの日本映画で使われることはない。

そのことに対して、何か「悔しい」と感じた。


日本のメーカーが作った「名車」の大半が、海外に流失するのは忍びない

再度書くが、令和3年の乗用車の平均使用年数は「13.87年」で、国民の“ほとんど”が「13年以上」乗っている計算になる。
メンテナンスしながら、1台を長く乗っているほうが、次々と新しいクルマを作って資源を使いまくるよりも「エコ」ではないのだろうか。

「トヨタ2000GT」のように 何十年経っても、色あせないクルマというのは存在する。いつかは手に入れたいと思っている往年の名車もある。それなのに、今の税制のままだと乗り続けることをためらう。

このような理由も含め、さまざまな要因から、日本のメーカーが作った「名車」の大半が、海外に流失している。
古い「名車」をずっと乗り続けることが、日本において最も税負担率が高く、費用対効果が悪い。

ちなみに、本誌は水上バイクの専門誌だが、水上バイク自体に税金はかからない。
そのため、30年以上前の水上バイクを大切に乗っている人が、日本中に数多くいる。
レースでも「ヴィンテージクラス」と呼ばれる「カワサキ JS550」を使ったクラスが一番盛り上がっている。

SDGsを推奨するはずの現代において、モノを大切にする行為に対する罰則規定のような税制に疑問を感じざる得ない。


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