12月12日~15日まで、タイのパタヤビーチで開催されていた水上バイクの世界大会「WGP#1 WATERJET WORLD CUP 2024」の会場で、カワサキが新しいジェットスキーが初披露された。
紹介されたのは、座って乗るランナバウトタイプの「ULTRA 160LX-S Angler」「STX160」「STX160R」「STX160LX」そして、1人乗りの「SX-X」である。
そのなかで注目したいのは、1人乗りモデル「SX-X」である。
ハンドル固定式のジェットスキーといえば、1986年にカワサキから発売された、ジェットスキー初のタンデム(2人乗り)モデル「650 X-2」を思い出す人も多いだろう。
全長が2,225mmと、当時のシングルモデルのJS 550より8.5cm長いだけなのに、合法的に2人乗りできるモデルだった。
スタンドアップのJS 550と比べて、ハンドルが固定されている分、腰の負担が軽減されるので、体力的には少し楽というメリットもあった。
主にバイク乗りと、スタンドアップは少しキツイと感じていた人たちが、こぞって650 X-2を購入し、爆発的にヒットした、現在でも“熱狂的なファン”を持つ名機だ。
1995年に一度販売が終了したが、ユーザーからの熱いリクエストに応え、2005年に800ccエンジンを搭載した全く新しい船体の「800 X-2」として復活。
「800 X-2」が販売されたのは2007年までの3年間で、その後、ハンドル固定式のシングルモデルは、カワサキのラインナップからは姿を消していた。
今回、タイのレース会場で突然、ニューモデルとしてお披露目されたのである。
しかも来年発売の「2025年モデル」ではなく、「2026年モデル」だという。
2年後のニューモデルを、今発表するというのも驚きだ。
見た目は、スタンドアップ「SX-R」からハンドルポールをなくしたような感じ。船体に、直接ハンドルが付いている。
かつての「X-2」のようにシートはなく、デッキに直接立って乗るシングルモデルだ。
それも、SX-Rのように見える要因となっている。
「SX-X」のデモライドを行ったのは、元世界チャンピオンでジェットスキーの開発に携わっている金森 稔氏と、氏の愛娘・モエさんである。
クイックに曲がるコーナリングも、ハンドル固定式ならではの安定感のあるものだった。
カワサキからは「革新的な固定ハンドルバー、強烈な加速、優れたコーナリング・コントロールが特徴で、いつでもスリリングなライディングが楽しめます。これぞ、憧れのスタンドアップ・パフォーマンス。価格と入手方法は、後日発表」とのコメントが出されている。
2020年に「SXT160」シリーズが発売されて以来、外観に大きな変更はなかったが、今回、デザインを一新。
ハッチカバーは、近未来的なイメージを与える流麗なフォルムを採用した。
また、ラッチアッセンブリーも変更され、洗練されたデザインとなっている。
「STX160」「STX160R」「STX160LX」の3機種展示されていたが、簡単に違いをいえば「STX160」がベーシックモデル、「STX160R」がレーシングモデル、「STX160LX」がラグジュアリーモデルである。
レーシングモデルとして紹介されていた「STX160R」は、STXシリーズの船体を持ちながら「2人乗り」だという。 ガソリンはレギュラーガソリンで、燃費・環境の面でも考えられている。
「ULTRA 160」のプラットフォームをベースに、フィッシングに特化した機能を追加したモデルが「ULTRA 160LX-S Angler」だ。
船体は、レースにインスパイアされた「ディープVハル」により、穏やかな水面でもチョッピーな水面でも正確なパフォーマンスを体感できる。
ジェット推進の特徴として、浅瀬でも航行できる。
シートは2ピース構造で、釣りをするとき2人が横向きになれるようフラットなデザイン。前後に移動しやすいので、後部のクーラーボックスにも手が届きやすい。
サイドフロート付きで、停船時や低速時に浮力を増し、安定性を高めてくれる。このフロートは、横向きに座って釣りをする際に足を置くスペースとしても使える。
魚群探知機は、ガーミンの7インチディスプレイ、エコーマップUHD2 7cvチャートプロッターを採用。メインディスプレイの右上に設置されており、座ったままでも見やすい。
高コントラストの表示画面は視認性にも優れ、記録された航路からのナビゲーションも可能となっている。
リアラックには、14.5ガロン(55L)のORCA製のハードクーラーボックスを装備できる。
ラックには4つのフィッシング・ロッドホルダー、多目的収納パック、フィッシング用具を収納できる小型ポケットが付いており、走行中でも落ちる心配がない。
ロッドも差せる多目的収納パックは取り外し可能で、陸上でも簡単に持ち運ぶことができる。
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