2021年5月23日午後1時12分ごろ、「水上バイク爆発」というニュースが流れた。内容は「高松漁港内のスロープ付近で水上バイクが燃えている。けが人もいる」ということで、118番通報があった。
高松海上保安部からの発表によると、男性1名、女性2名が水上バイクに乗船し、出港しようとエンジンをかけたところ、「ドン」という音とともに、3名が海中に投げされたという。水上バイクはエンジン部分が焼けたものの、海上に油の流出は認められなかった。
乗っていた3名は高松市内の病院に搬送され、それぞれ全治1~2週間程度のケガを負ったが命に別状はない。
現在、火の出た原因の詳細な調査が行われているところである。
編集部は過去に、実際に目の前でプレージャーボートが爆発するシーンに遭遇したことがある。理由は様々な要因が重なって起こる事故だと思うのだが、出来ることならば、悲惨な事故を未然に防ぎたい。
エンジンを掛ける前には、一度、シートを開けてエンジンルームを確認しましょう。
この事故を聞き、水上バイクのメカニズムに詳しい、プロのマシンコンストラクター(水上バイクの専門家)・藤江功一氏に話を聞いた。
WJS 水上バイクが爆発・炎上するというのは、どういう理由で起きるのですか?
藤江 私の知る限り、水上バイクの爆発事故は10年で2件ほどありました。水上バイクが爆発する原因は「ガソリン」しかありません。密閉されたエンジンルーム内に揮発したガソリンが充満し、何らかの原因で引火したと考えます。
WJS ガソリンがないと爆発は起きない?
藤江 この事故の直接の原因は、現在、調査中とのことで正確な内容は分かりませんが、ガソリンが爆発の原因になっていることは間違いありません。ゴムホースの劣化など、何らかの原因でエンジンルーム内にガソリンが漏れていたと思われます。
WJS 事故を防ぐ方法は?
藤江 小型船舶免許を取得するときに、出港前の「点検」を習ったはずです。 出港前の点検をせず、いきなりセルモーターを回すことは避けましょう。エンジンを掛ける前に、一度、シートを開けて換気をして、配線などに異常がないか確認してからセルをまわすようにしましょう。
WJS 出航前の点検が大事?
藤江 今回の事故原因について、点検云々は分かりません。しかし、口を酸っぱくして言うべきは、「エンジンを掛ける前には、シートを開けてエンジンルームを確認しましょう」ということです。ガソリンが漏れていたら「匂い」で気が付くかもしれません。異常を見つければ、事故を防げる可能性が高まります。
WJS レース関係者より、一般ユーザーの方がマシンの確認をしない?
藤江 僕たちレース関係者は、確認せずにエンジンをかけることは絶対にしません。確認ミスで高額なレース艇を壊すわけにはいかないからです。 市販艇も同じです。高額な乗り物であると同時に、人命にも関わることです。何度確認しても、確認しすぎるということはありません。
水上バイクのメカニズムに詳しい、プロのマシンコンストラクター(水上バイクの専門家)・藤江功一氏。エンジンをかける前には、エンジンルームを確認しましょう。何度確認しても、確認しすぎるということはありません。
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