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誰も知らなかったSEA-DOO(シードゥ)大革命 [1] ガソリンタンク編

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話/西本茂隆氏(シーゲッツ代表)

このガソリンタンクで
ジェットの遊び方が変わった

上の写真は、ガソリンを入れるときの姿です。あえて、ノズルは差していませんが、こうやってガソリンを入れていきます。これを見て、「ピン!」ときた人は、「超上級者」です。

シードゥはすごい発明をしました。この姿勢だと、楽に給油ができます。「それがどうした?」と思うかもしれませんが、「超画期的」なことなのです。

ジェットスキーに乗っていて、ガス欠になったことがありますか?

現代のジェット遊びの最大の醍醐味は、自由自在に「好きな場所を広範囲で走りまわれること」。キレイな景色のなか、時間を忘れて走るのは非日常の極みです。しかし、ガス欠は本当に困ります。大自然をナメたら、命の保証はありません。ガソリン給油は、「ジェット遊び」に欠かせない、「超憂鬱な心配事」のひとつです。

そう話してくれるのは、愛知県のジェットショップ「シーゲッツ」の西本茂隆店長です。西本氏は、編集部が最も信頼している「ジェット遊びの先生」です。自身もジェットが大好きで、毎週、ショップの休みの日には、琵琶湖をメインに日本全国の大海原を走っています。お客様をエスコートしてツーリングに行くことも多く、お客様が安全で苦痛なく快適なツーリングをするために、「ガソリンの問題」は常に最重要事項だそうです。この難問を、SEA-DOO(シードゥ)は解決してくれました。

下記で説明しますが、ビギナーでも、荒れた水面でも1人でも、こぼさずにガソリン給油ができるようになったのです。こんなこと、今まで考えられませんでした。

西本店長に聞いて、心底納得した
「ガソリンタンク」の話

燃料給油の話

基本的な原則として、ガソリンがこぼれたら海を汚すので、水上での給油は推奨していません。しかし、ガス欠になったら仕方がありません。私も経験がありますが、水上での給油は非常に困難です。特に少しでも水面が荒れていたら、ガソリンがこぼれるだけでなく、給油口から水が入ってしまいます。水はもちろんですが、海水が入ったら、なおさらエンジンが壊れる原因になります。

この15リットルのガソリンタンク「LinQ Fuel Caddy(燃料携行缶)」は、SEA-DOO(シードゥ)艇に装備された「LinQ(リンク)システム」のアタッチメントを使い、ワンタッチで取り外しができます。取り外したガソリンタンクは、こうやって抱えているだけで、簡単に、しかも楽にこぼさず給油ができるのです。

ガソリン給油口の位置が「超画期的」だった

2018年モデルから変更になった給油口の位置も、大きく関係しています。実は私(編集部A)は、初めてこの給油口の位置を見たとき、非常に嫌でした。理由は、ガソリンがこぼれたとき、「ストレージBOXに入ってしまうのでは?」と感じたからです。しかし、西本店長曰く「水面が荒れていても、ここに給油口があるお陰で、簡単に給油ができる」と言います。後ろを向いて、ガソリンタンクを外し、抱えて給油する。たったこれだけ。こんなこと、今までのジェットではできませんでした。

これは「ジェット遊び」の革命です。常に予備のガソリンを携帯しながら遊べるのは、ものすごいことなのです。ガソリンタンクを満タンにした60リットルとは別に、15リットルも持って行けるのですから、その安心感はハンパじゃありません。

最初は嫌だと思った、ストレージボックスに隣接している給油口

LinQ(リンク)システムでワンタッチで外れるガソリンタンク(15リットル)。

デッキの上でも、安定して後ろを向いて外せる。

サイドデッキを歩いてフロントへ。

ガソリンタンクを抱えてシートにまたがる。

本来ならノズルを差して、給油を開始。

西本店長曰く「相当、水面が荒れていても、ガソリンをこぼさず給油ができる」。

通常、市販されているガソリン缶には空気孔があるが、このタンクにはない。だから、少し給油に時間がかかる。しかし、楽な姿勢で安全に行えるので、不満に思わない。

給油が終わったら、リアデッキにガソリンタンクを戻す。

リアデッキに戻すときは空のタンクなので軽い。

LinQ(リンク)システムでワンタッチで固定する。

ガソリン警告音が鳴ってから、どのくらい走れるの

やったことがない人はピンとこないと思いますが、ガソリンがある一定以上減ると、警告音が鳴り響きます。鳴ってから結構な距離を走れるのですが、あとどれくらい走れるのかは、よく分かりません。「大体、15分くらい」とか、「5kmくらい」というのはよく聞きます。しかし、スピードやエンジン回転数によって、全然、燃費は変わるので、厳密には分かりません。

超ベテランの西本店長ですら、警告音が鳴って、「もうガソリンがカラカラ。止まる寸前でヤバかった」と思いながら、ガソリンスタンドに給油に行くと、53リットルで満タン。実は、あと7リットルも残っていたので驚いたという話を聞きました。ベテランのジェットユーザーでもそうなのだから、正確に残量が分かる人などいるはずがありません。しかし、予備のガソリンタンクがあれば、最悪、水の上でガス欠になってもそこで給油して、陸に戻ってくることができます。たった15リットルと思うかもしれませんが、60リットルで満タンになるタンクです。1/4も入ったら、かなり走れます。

ファクトリーゼロ社から発売されているガソリン缶ホルダーや、ツーリングラックを、専用のラッシングベルトで留めて、ガソリン缶をリアデッキに固定して走っているユーザーも多いと思います。これも便利ですが、基本的に、上陸した場所での給油や、水面が穏やかで、腰までの水深の場所に移動してガソリンを入れることになります。荒れた水の上での給油は、かなり難しいです。しかし、そんな都合のいい場所でガス欠になれるとは限りません。また、ガス欠の症状自体が、ジェットスキー(水上バイク)が壊れる原因になります。だから、注意してガス欠になる前に給油しましょう。

水上での給油には細心の注意が必要
最悪の場合、罰則規定が適用されるかも

水上での給油について、海上保安庁に確認したところ、「水上での給油は法律違反ではありません。しかし、1滴でも水面にこぼしたら、海洋汚染や海上災害防止の面で罰則規定があります」と、言われました。皆様、罰則規定ですぞ! また、水上バイク(ジェットスキー)の業界でも、自主規制として水上給油はしないことを推奨しています。

ちなみに、このガソリンタンクおよび、LinQ(リンク)システムのベース取り付けキットは、SEA-DOO(シードゥ)正規代理店で購入可能です。2018年以降のSEA-DOO艇には取り付けキットが標準装備されていますが、それ以外の全モデルにもLinQベース取り付けキットが装着可能です。

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