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水上バイク(ジェットスキー)のトレーラーのタイヤは、手入れを怠ると走行中に外れます 

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過酷で悲惨な使われ方をする定めの水上バイク用トレーラー!

たまに、船や水上バイク(ジェットスキー、以下ジェット)を積んだトレーラーが、高速道路の走行中にタイヤが外れたというニュースを耳にします。

実際、沖縄で走行中にタイヤが外れた場面を見たことがあります。前を走っているトレーラーのタイヤがいきなり外れ、ジェットが道路の上を滑って来るのです。一瞬の出来事で、向かってきたジェットを避けることしか出来ませんでした。

幸い、後続車はなく大事には至りませんでした。それでも、壊れたトレーラーと、道路の壁にぶつかって大破したジェットの金額を考えれば、大損害と言えるでしょう。もし、後続車がいたら目を覆いたくなる事故が起こっていても不思議ではありませんでした。

今でも思い出すのは、前を走っているトレーラーのタイヤが「ガタガタ」と揺れていたことです。「ああ、錆びてガタがきているのだな」と思いました。そのトレーラーは、「古い」というよりは、「大事に扱われていないトレーラー」というふうに感じたことです。南国の塩分が濃い海で、雑に扱われてきたトレーラー……。

オーナー曰く、「小さな島なので、それほど長距離走行をしない」と言い、整備をしていなかったそうです。「トレーラーなんて、近場までジェットを運ぶためだから」ということで、値段だけ安い、あまり聞いたことのないメーカーの製品でした。

それにしても、タイヤが走行中に外れるなどとは思いもよりませんでした。外れた原因は、トレーラーの整備不良です。タイヤが外れるまで劣化したトレーラーなんて、滅多にない。自分には関係ないと思うのは、普段から大切に使っている人です。

ジェットのトレーラーは、他のトレーラーよりも数倍過酷な条件で使用されるということを忘れないでください。長時間、高速道路を走り続けたタイヤが、いきなり冷えた海水に浸かるわけです。熱を帯びたハブ部分が塩水の中に放り込まれ、場合によっては、数時間そのまま海の中で待機する……。

例えるなら、「熱した鉄を、一気に水で冷やす」のと同じ状況です。これが、グリスにとって良いわけがありません。また、水分による腐食の問題です。

こんな過酷な使われ方をするトレーラーは、ジェットくらいでしょう。

 

何時間もジェットを乗せて走って来たトレーラー。イキナリ水に漬けて冷やされたらグリスの劣化は早まります。

トレーラーは、気を使ってケアすべき「台車」なのです

「グリス」の劣化は要注意!

「グリス」とは、潤滑剤の一種です。油よりも粘度が高く、流動性が低いため、常温では半固体または半流動体。トレーラーのベアリングの焼き付きを防ぐ効果があります。温度変化によって、酸化や変質し、劣化します。グリスが劣化すると、潤滑効果が低下し、ベアリングやハブが焼き付きます。最悪の場合、私が体験したように、ハブごとタイヤが外れます。

 

酸化や変質により、劣化したグリス。塩水に漬けていればこうなる。

グリスが劣化する理由

一般的に、グリスは劣化すると、新品と比べて濃色となります。さらに乳化すると、粘度が低くなり、ベアリングの焼き付きの原因となります。

車軸のベアリングは、普通の自動車よりも高い防水構造になっていますが、それでもジェットの場合、トレーラー自体を水に浸けることが多いので、水と混ざるのは避けて通れません。c

水と混ざることで、グリスは乳化します。淡水の場合、塩分がないだけまだいいのですが、それでも急激な温度変化で劣化します。

劣化したグリス。汚れて濃い色になっています。写真提供タイトジャパン。

車検時に「グリス」の劣化はチェックしません!

トレーラーの使用頻度に関わらず、最低、年に1度はグリスの交換(グリスアップ)を行いましょう。

トレーラーをジェットの移動に使うだけで、「水に浸けない」という人もいるかもしれません。しかし、トレーラーは「車」です。自動車と同様に、普段からメンテナンスが必要です。

トレーラーの車検で、グリスの状態までは確認してくれません。自分で確認するしかないのです。


新品の綺麗なグリス。写真提供タイトジャパン。


トレーラーの整備には、専門の資格が必要です!

トレーラーはクルマなので、当然、車検があります。普通自動車登録と小型自動車登録(ともに白ナンバー)の場合、車検は初年度2年、以降は1年ごとに行います。軽自動車登録(黄ナンバー)は、2年ごとにあります。

実は、ジェット用のトレーラーの車検というのは、自動車と違ってそれほど厳しくありません。基本的な確認事項は、全長、全幅、重量などの数値が登録時と変わっていないかと、ウインカーやランプなどの灯火類がキチンと点くかどうかです。グリスの状態は見ないことが多いのです。

誰も指摘してくれないので、グリスの劣化は持ち主自身が気にしていないといけないところです。

足まわりや、安全に走行させるための主要部位の整備は、専門の資格を持っていないと行えません。本来、トレーラーのグリスアップも整備士の免許が必要です。

グリスアップのサイクルは、最低年1回。何度も海で乗る人は、マメにジェットショップに持って行き、グリスアップを行いましょう。

事故を防ぐため、家から出発する際に、目視でかまわないので、タイヤのホイールにグリスが飛び散っていないか、オイルシールからグリスが漏れていないか、内側、外側ともに確認する習慣をつけてください。

トレーラーの取り扱い方法 基本①「クルマとの連結時に気を付けること」
トレーラーの取り扱い方法 基本②「電気配線コネクターとセーフティチェーンの正しい接続方」


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