カテゴリ
タグ
  1. TOP
  2. INTERVIEW
  3. アメリカで公開された「水上バイクのレース」を扱った青春映画『HOT WATER(ホットウォーター)』 水上バイク(ジェットスキー)

アメリカで公開された「水上バイクのレース」を扱った青春映画『HOT WATER(ホットウォーター)』 水上バイク(ジェットスキー)

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アメリカで公開された「水上バイク」が主役の映画『HOT WATER』

今夏、アメリカで水上バイクを題材にした映画『HOT WATER(ホットウォーター)』が公開されました。監督は、ジェットスポーツ界の伝説のチャンピオン・ラリー・リッペンクローガー氏で、彼はこの映画で、初めてメガホンを取りました。

今夏公開された映画『HOT WATER』のポスター。

主人公の若者が、プロのジェットレーサーに憧れ、レースを通じて夢を手に入れる物語

主人公のビリー・バーネットが、伝説のチャンピオンや彼のメカニックの指導のもと、水上バイクのレースを通じて夢を手に入れる姿を描いたアクションとコメディ満載の爽快な青春映画です。
冒頭から見どころ満載で、ビリーがT-Rexの着ぐるみを着てバックフリップを披露するシーンと、その後に起こる“悲劇(喜劇?)”は必見です。

撮影中のワンシーン。

映画監督「ラリー・リッペンクローガー」はどんな人物? 

「ラリー・リッペンクローガー」。この名前を聞いて、「懐かしい」と思われた方は、かなりのベテランの水上バイク乗りです。
ラリー・リッペンクローガー(以下、ラリー)監督は、1982年と1984年にIJSBA(アメリカのワールドファイナルの主催団体)のナショナルシリーズを制して、全米チャンピオンに輝きました。

1982年は、IJSBAが主催となった初めての大会で、この年を境に、ジェットスキーのレースには、プロモーター(興行主)が付くプロスポーツとして、数多くのスター選手を生み出していきました。

「ミスター・ジェットスキー」の名を欲しいままにしていたラリー監督は、当時、フリースタイルのチャンピオンでもありました。

25歳で全米ツアーの7クラスを制覇した伝説のジェットスキーヤー

当時、ラリー監督は25歳。 1982年の全米ツアーでは、モディファイクラスとスーパーストッククラスなど、全7つあるカテゴリーの全てで優勝しました。「Larry“The Ripper”Rippenkroeger(ラリー“ザ・リッパー” リッペンクローガー)」は、名実ともに「新しいジェットスキー界の帝王、『ミスタージェットスキー』」となったのです。

阿字ヶ浦で行われたレースに招待されたラリー監督。圧倒的に速かったそうです。

ブルース・ウィリスの専属スタントとして活躍

水上バイクのレースから退いたラリー監督は、1994年からスタントマンに転身します。彼の最初の映画は「ウォーターワールド」で、完璧なライディングを披露しました。 また彼は、映画「ダイ・ハード」でも有名なブルース・ウィリスの専属スタントを長年務めたことでも知られています。

レースシーンの撮影は、ワールドファイナルの会場で行われたそうです。臨場感のあるシーンとなっています。

映画の脚本は、大ケガのリハビリ中に出来上がった

映画『HOT WATER』の脚本が書かれたのは、ラリー監督がスタントの仕事で大ケガをし、回復するまでの2年間で書かれたものです。『ダイ・ハード4.0(北米タイトル:Live Free or Die Hard)』の撮影中、25フィート(約3.5m)の高さの非常階段から、頭から舗道に落ちるという大事故から生還した監督は、「この事故は、私にとって最高でもあり、最悪でもあるといえるでしょう」と語っています。

今回、映画『HOT WATER』について、ラリー・リッペンクローガー監督に話を聞くことができました。(インタビューは敬称略)

ラリー監督は、スタントマンとしてデビューし、100本以上の映画やテレビドラマに出演しています。

ラリー監督に聞く映画『HOT WATER』

WJS どうしてジェットスキーの映画を作ろうと思ったのですか?
ラリー 私がジェットスキーツアーに参加していた1980年代から、ジェットを題材にした映画ができたらいいなって思っていた。それが、この映画の始まりです。

WJS 『HOT WATER』というタイトルの由来は何ですか?
ラリー 『HOT WATER』という名前にしたのは、言葉の響きが好きなのと、以前「Hot Water」というジェットスキーレースのツアーがあったから。映画の名前としても良いでしょ。

WJS 製作上、一番苦労した点はどこですか?
ラリー 製作に関する全てが大変だった。資金を集めること、キャストを集めること、時間のない中で撮影すること。全部が大きな挑戦だ。

WJS 一番気に入っているシーンはどこですか?
ラリー 私のお気に入りのシーンは、プールからT-Rexが墜落してくるところ。これは、ビリーが水上バイクのレースに出ることになった全ての理由を示しているからね。

WJS どうして、あのシーンを思いついたのですか?
ラリー 良いオープニングシーンを探していたとき、以前、マーク・ゴメス(フリースタイルの世界チャンピオン)が、T-Rexのコスチュームを着てジェットスキーをしている映像を思い出したんだ。
それで、T-Rexの乗っていた水上バイクがすっぽ抜けて飛んでいき、プールの外の父親の車に衝突させることで、ビリーを家から追い出すシーンを思いついたんだよ。

監督のお気に入りのシーンは、オープニングの「T-Rex」が墜落してくるところです。

ジェットスポーツ界のスーパースターがこぞって出演している作品

WJS この映画の見どころはどこですか?
ラリー 私にとっての『Hot Water』のハイライトは、「自分がこの映画を作った」という事実だけ。ジェットスポーツに敬意を表して、何年も前からこの映画を作りたいと思っていた。それが、ついに実現したことだね。

WJS 撮影にはどれくらいの期間がかかったのですか?
ラリー 映画の主要部分の撮影には、約1カ月を要した。それに加えて、カメラクルーが、スタントマンと一緒に、実際のレースに行って、レースシーンを撮影しているよ。

WJS クリス・マックルゲージ選手やマーク・ゴメス選手といった、ジェットスポーツの世界チャンピオンもキャストに名前を連ねています。彼らの役どころを教えてください。
ラリー この映画では、多くの有名なライダーが協力してくれた。
主役のビリーのレースシーンは「クリス・マックルゲージ(世界で最も有名なレーサーにひとりでチャンピオン)」が、プールでT-Rexの衣装を着たビリーは「マーク・ゴメス」がそれぞれスタントをしている。
それから、ビクター・シェルドンは、世界チャンピオン役のリチャードを、テラ・レイホはケリーのレースシーンのスタントを担当しています。マックルゲージ選手もゴメス選手も、それぞれ本人役として出演もしてくれているよ。

主人公のビリー・バーネット役のグレン・マッキュエン(写真左)と、世界的に有名なワールドチャンピオンのクリス・マックルゲージ選手(右)。

T-Rexの着ぐるみを着て、見事なバックフリップを披露しているのは、フリースタイルの世界チャンピオン、マーク・ゴメス選手。

続編は日本で撮影? ジェットスキーの映画を作り続けたいと語った

WJS ジェットスキー界のビッグネームばかりで驚きます。レースシーンも満載ですが、撮影はどこで行われたのですか?
ラリー 湖でのレースシーンは、ワールドファイナルの会場でもあるレイクハバスで撮影した。海のシーンはカリフォルニア州のオーシャンサイド。フロリダでも撮影したよ。

WJS 日本での公開予定はありますか?
ラリー 私たちは、海外の全ての国に『Hot Water』を販売するディストリビューターを持っています。近い将来、日本でも公開されることでしょう。

WJS 最後に、日本のファンに向けてひと言お願いします。
ラリー 英語のコメディが、他の言語に翻訳されるのは難しいこともあると思いますが、愉快な場面では大声で笑い、素晴らしいジェットスキー・アクションを楽しんでください。私の夢は、「Hot Water」の映画を作り続けたい。オーストラリアや日本などの国々でも撮影したいと思っています。楽しみに待っていてください。

迫力あるレースシーン。レーサーであるラリー監督ならではの視点で撮影されている。

ジェットスポーツを主役に据えた初めての映画

『HOT WATER』は、「水上バイク」という乗り物を、アクション映画の“要素のひとつ”でなく、ジェットスポーツを主役に据えた初めての映画と言えるでしょう。
水上バイクが「非常に格好良い乗り物」と、改めて思わせてくれる作品です。

ヒロインのケリー・ウェーバー役のニッキー・リー。

リアルなレースの臨場感は、ラリー監督の真骨頂。

夜中でも撮影は続く。

後ろのステキなクルマに、ジェットが突き刺さることになる。

ワールドファイナルの取材の際、この映画の撮影をしているところにでくわした。

【関連記事】
2021 水上バイク国内全モデルラインナップ
2021年 BRP SEA-DOO(シードゥ)ニューモデル 国内全モデルラインナップ
2021年 ヤマハ マリンジェット ニューモデルラインナップ
2021年 カワサキ ジェットスキー ニューモデルラインナップ
良いジェットショップの選び方

 

ジェットスキー中古艇情報

月間アクセスランキング