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「水上バイクが岸壁に衝突」淡路の3人死亡事故!今は何を言っても叩かれるが、”全部悪い”は絶対に”違う”!多発する、ネガティブなニュース報道に要注意! (ジェットスキー)

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多発する、ネガティブなニュース報道!

水上バイクに対する「ネガティブなニュース」が多い。先日も、「兵庫・淡路島 水上バイクの事故で男女3人が死亡 3人が乗り単独で岸壁に衝突」というニュースが多くの報道機関から発信された。

内容は、「9月15日午後、兵庫県淡路市の海上で水上バイクによる事故があり、男女3人の死亡が確認された」というものだった。海上には水上バイクが浮かんでおり、消波ブロックに衝突した可能性があるという。

事故のあった場所は、潮の流れが速く複雑で、かつ、消波ブロックにも近いことから、スピードを出して走るのはありえないと言われている。 この事故のように、水上バイクの単独事故で、「3人もの犠牲者が出た」という痛ましい出来事は、過去に記憶はない。

今回の事故に対する世間の反応は大きい。新たなる条例等の作成も検討されている。

悪に見える理由

現在の世の中の風潮として、水上バイクに対して良い印象は持たれていない。そのせいで、3人の被害者には同情の感情が薄いように感じる。

その最大の理由は、数多くのニュース報道だ。各社が同様にこの悲惨な事故現場の映像と、繋げて合わせて、明石の海水浴場で7月31日に撮影された危険走行の映像を流している。何度も見た「マナーを無視した悪質な水上バイク」が海水浴客の近くを危険に走る映像だ。報道を見たら、水上バイクはマナーが悪い。そして「水上バイクで事故を起こして亡くなられた3人も悪い」と感じるはずだ。

水上バイクのイメージが悪いことと、事故の犠牲者は別。事故原因すら判明していないのに「悪者扱い」しないで!

今、確実に分かっていることは、水上バイクが消波ブロックに衝突し、3名の方が亡くなった。その方々の年齢や、名前、どこのマリーナから何時に出航し、水上バイクの所有者は別の人で、この人たちが借りて乗っていたということだけだ。

「すごいスピードで走っている彼らを目撃した」という情報や、「ぶつかったとき、ものすごい音を聞いた」という証言はあるが、現状、3人のうちの誰が運転していたかすら分かっていない。事故原因も判明していない。今後、警察の捜査である程度のことは判明するだろうが、全ての「事実」が分かるとは到底思えない。


事故の原因が判明出来ていないうちから、「悪」と決めつけられる

この痛ましい事故が、「水上バイク」が原因で起こってしまったものだと言って、被害者に過失があるとは言い切れない。クルマでもそうだが、エンジン付きの乗りものである以上、予想外の故障もある。
以前、小型ヨットで太平洋横断中に、クジラと思われる生物と衝突し、遭難して救助されたアナウンサーの例もある。水の上では、本当に何が起こるか分からない。

事故原因が判明していない現段階で、彼らを非難するのは、筋が違うと思うのだ。普通に走っていたのに何らかの不可抗力な原因で避けられなかった事故だったかもしれないのだ。
もし、被害に遭ったのが自分の身内だとしたら、亡くなったうえに、世間から「自業自得」扱いを受けたら心が痛む。


非難する理由は「正義感」から

今、「水上バイク」を非難する人の根底にあるのは「正義感」だろう。
「危険な無法者を許してはならない」「誰かが不幸な目にあう前に、何らかの強制的な対処が必要だ」といった考え方が、発言のベースになっている。さらにマスコミも、「水上バイクはこんなに危険、あんなに危険」というニュースを流している。

報道の中で納得ができないのは、「今回の死亡事故」と、7月末から大きな非難の的となっている「明石市の危険走行」の映像を繋ぎ合わせて放映されていることだ。これを見たら、誰でも「水上バイクは、全てが悪」と結びついてしまう。

確かに、マナーの悪い悪質な水上バイクが存在している。世の中の多くの人が、苦々しく思っているのも理解できる。私も苦々しく思っている1人だ。
しかし、冷静に「それとこれは別」という気持ちもある。水上バイクで起こった事故全部を、ひと括りにするのは、いかがなものかとも思う。


マナーの悪い水上バイクは、消えて欲しい! そして、水上バイク全員が「悪」ではない

世間一般の方々以上に、我々水上バイク関係者は、悪質な水上バイクユーザーに対して「悪印象」と「嫌悪感」をもっている。
しかし、全ての水上バイクユーザーが「悪」ではないことも知っている。マナーを守って人に迷惑をかけずに楽しんでいるユーザーのほうが多いのだ。

以前にもあったが、岸の近くを走っていた映像も、実際は、対象物からかなり離れていたという例もある。撮影場所によって、遠近が変わって見えることもある。懸念すべきは、「悪人ではない人が、悪人にされてしまう」ことだ。
「悪質水上バイクは消えて欲しい」。この言葉に、嘘偽りはない。しかし、「全ての水上バイクが悪」と決めつけられてしまう、今の風潮は少し怖いと思っている。


単純な善悪だけではない「冷静に判断して…」

今回の死亡事故の捜査は始まったばかりだ。亡くなられた方に過失があったかどうか、まだ判明していないのに、一方的に「自業自得」だと言われている。本当にそうなのか…?

先週、東京でタクシーが、女性を轢いてしまった事故があった。タクシーの運転手を含め、5人が死傷した事件だが、タクシーはノーブレーキで女性をはねたそうだ。それだけ聞くと、ひどい暴走行為だが、調べていくと、事故のとき、ドライバーはくも膜下出血を起こしていたという。

ドライブレコーダーには、運転手がもうろうとした状態になっている様子が写っていたそうだ。もちろん、事故を起こしたドライバーが悪いのだが、クルマを運転する人なら、全員がこのドライバーと同じ過失を起こす可能性がある。そう思うと、どうしてもこのドライバーを強く非難しきれない部分もある。


もし、自分が水上バイクで亡くなった方々の家族だったら

今回の水上バイク死亡事故で、もし、自分が亡くなられた3人の身内だったら、見ず知らずの他人から「水上バイクになど乗ったからだ」「自業自得」と、非難されるいわれはないと思うはずだ。

亡くなられたことだけは事実だが、過失があったかどうかについては分かっていない。彼らがマナーの悪い水上バイクユーザーでなく、普通に楽しんでいただけかもしれない。
悪質なユーザーを庇う気は毛頭ないが、真面目に分別を持って楽しんでいるユーザーも数多くいる。


水上バイク業界も、ただ手をこまねいていたわけではない

本誌は、「水上バイク業界の健全な発展」を願っているだけなのだ。
1980年代から、国内で水上バイクの販売が始まった。新艇販売台数は、現在は年間3,000台を切るくらいだが、バブルの最盛期は年間1万台以上も売れていた。急激に台数が増えた分、確かに法整備も間に合っていないところがあるだろう。

現在は水上バイク専用免許を取らないと乗れないが、つい20年ほど前までは、4級船舶免許(現2級)を取得すれば、自動的に水上バイクも乗ることができた。普通自動車免許を取得したら、原付バイクに乗れるのと同じ発想だ。

かといって、製造メーカー側も「ユーザー教育はどうでもいい」などとは、もちろん考えていない。新しいスポーツなだけに、「売る側」も試行錯誤な面が大きくあった。特にバブル期などは、大型デパートで普通に売られていたのだから、「ユーザー教育」は、完全に後手にまわっていたといえる。

しかし、1990年代に入ってからは、そういった悪質なユーザー問題に対し、水上バイク業界も一丸となって対策をしている。メーカーおよび取扱い販売者が主体となって「PWSA(パーソナルウォータークラフト安全協会)」という団体を設立し、安全啓蒙活動を行っている。

琵琶湖や東京をはじめ、ローカルルールを徹底させるため、講習会を行っているところも各地にある。
バブル期のように、「商品の売りっぱなし」ではなく、「マナー」もセットにしてユーザーに渡すようにしている。「悪質水上バイクの問題」は、業界を挙げて解決すべき難題なのだ。

世間から非難される悪質水上バイクの問題は、決して胸を張れるものではない。だからこそ、「今、世間から注目され、非難されている水上バイク問題の力」を借りて、悪質な水上バイクを一掃したいと、心から思っている。




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