今年8月、SEA-DOOの2022年ニューモデルがアメリカで発表された。今回、「FISH PRO」シリーズにエントリーモデルとハイエンドモデルが追加され、全3種となった。
シリーズ最上位モデルは、「Fish Pro TROPHY 170(以下、トロフィー)」。エントリーモデル「Fish Pro SCOUT 130(以下、スカウト)」、そして従来からの「Fish Pro SPORT 170(FISH PRO 170から改名)」である。
その他のラインナップは、「GTX LIMITED 300」、「GTX 170/230/300」、「RXT-X 300」、「RXP-X 300」「SPARK」「SPARK TRIXX」「GTI 90/130」「GTI SE 130」「WAKE 170」「WAKE PRO 230」「GTR 230」と、全14機種(馬力の違う同型モデルは、同一機種としてカウント)。これらの機種は、グラフィックが新しくなった以外、大きな変更はない。
※国内導入モデルは未定。国内販売ラインナップ及び詳細は、分かり次第、報告する。
世界で、釣り人口は7億人を超えているといわれている。もともと、ジェットで釣りを楽しむユーザーは数多くいたが、それぞれ自分のジェットに、ロッドホルダーやクーラーボックスを積んで出かけていた。
それが、2019年に初めて釣り専用の「FISH PRO」を、BRPが発売したことで、「ジェットで釣り」が、ジェットユーザー以外にも広まっていった。
FISH PROは、釣りをする人の意見を取り入れ、魚群探知機や大容量クーラーボックス、ロッドホルダーが標準装備されている。釣竿さえあれば、誰でも簡単に釣りに行けるようになったのだ。
今回、新たに追加された「トロフィー」と「スカウト」は、「ハイエンドモデル」と「エントリーモデル」の位置付けとなる。そこに従来までの「FISH PRO SPORT」を加え、ユーザーの「釣りの本気度」によって、機種が選べるようになった。
これにより、「ジェットで釣りを楽しむ人」の間口がさらに広がることだろう。
「Fish Pro SPORT 170」は大きな変更がないので、以下、新しくラインナップに加わった「トロフィー」と「スカウト」の装備について解説していく。
「Fish Pro」シリーズのハイエンドモデル、「トロフィー」は、従来の Fish Proをベースに、さらに釣りに「ハマった人」に向けたものだ。主な装備を紹介しよう。
簡単にいえば、ジェットに「生け簀」を積めるようになったのだ。 既存の51リットルクーラーボックスに接続できるエアレーターポンプを内蔵した完全一体型。水を吸い上げて、2~3分でクーラーボックスに水が溜まるようになっている。 これにより、釣った魚やエサを何時間も新鮮に保つことができる。 また、バッテリーの消耗を防ぐため、3分ごとに30秒稼働する「間欠モード」も搭載している。
生け簀として使ったホースは、そのまま洗浄用のホースとして使えるので、海の上でもクーラーボックスの中をキレイに洗える。
座ったまま、あるいは立ったままで釣りができる便利なシート。
フィッシングベンチシートは、数秒でスイベルシートに変更可能。これは、バスボートのような高いシートで、360°回転可能となる。
全てのパーツは、スマートに収納可能できるので、走行中は、普通のジェット用のシートと同じだ。釣りのスタイルを問わず、究極のエルゴノミクスを実現している。(北米専用機能。日本への導入は未定)
角度のついたフットレストは、航行中や大物との格闘中に、安定した足元を提供してくれる。
生け簀機能やタッチスクリーンの魚群探知機、フルカラーLCDディスプレイなど、消費電力量の増加に対応するため、バッテリーを2個搭載。
バッテリー使用状況にかかわらず、エンジン始動用の電力を確保する電圧マネージメントシステムを採用した。急速充電可能な650wのジェネレーターも装備している。
魚群探知機は、従来までのFish Proで使われていたものと同じくガーミン製を採用。
トロフィー170は、他の2モデルよりも画面が大きな7インチで、さらに見やすくなった(Scout 130とSport 170は、6インチ画面)。ソナーは「CHIRP(チャープ)ソナー」方式で、海底や魚群が鮮明に表示できる。また、現地の地図を無料でダウンロードできるmap tokenを提供している。
プレミアムカラーのカップホルダーとロッドホルダーを装備。
LinQアタッチメントを使った、専用のフィッシングクーラーボックスが改良された。
従来のものは、キチンと蓋が閉まっているか分からず、走行中に蓋が開いてしまうトラブルもあった。
新しいクーラーボックスは、蓋の左右にラバーのラッチを取り付け、確実に閉まっているか、ひと目で分かる。また、天板に溜まった水が排出できるように、蓋に排水溝ができたおかげで、水洗いも楽になった。
便利なアンカーシステムは、アンカーを理想的な場所にすっきりと収納。手の届くところにあるので、シートからすぐにアクセスでき、管理も簡単だ。
GTX LIMITED 300で好評を博していた、7.8インチ・フルカラー液晶ディスプレイをトロフィーでも採用した。
「BRP GO!」は、直感的に操作できる無料のアプリ。従来までのライディング用スマホアプリ「BRP CONNECT」をさらに進化させた。使いやすく、シンプルなナビゲーションを提供している。
LinQポイントが、最大8カ所まで増やせる。ラック上に前後向きに3セット、横向き用に1セットのLinQアタッチメントを装備した。
また、アタッチメントポイントに鍵をつける「LinQロック」というセキュリティが新たに装備された。
インペラーを逆回転させ、インテークから異物を排出させる。ハンドルから手を離さなくていいので、安全に操作できる。このシステムは、「Fish Pro」シリーズ全てに装備されている。
大容量51リットルで、頑丈なクーラーボックス。リアデッキに設置されたLinQカーゴシステムにより、ワンタッチで設置できる。
大切な釣竿を、省スペースで安全に保管することができる。角度のついたトローリングスロットが2つあり、トローリングに最適な位置にロッドをセットできる。2個のトローリングスロットも配備している。
ロッドホルダーやカップホルダーを、素早く接続できるサポートブラケットを配置。 トローリングの利便性の向上と、ウォーターボトルへ手が届きやすくなっている。
タックルボックスや釣り道具を簡単に収納できる、便利な一体型のビンオーガナイザー。すぐにバッグが取り出せ、そのまま持ち運びができる。
前後左右に動きやすいように、背もたれを低く設計している。
実用的なカップホルダーは、手の届きやすい場所に設置されている。
mid CHIRPテクノロジーによるハイエンドのナビゲーションと魚群探知機。深い場所でも高い精度の情報を得ることが可能となった。ウェイポイントのマークやマリーナの検索、ルートの保存などができる。
また、地元の地図を無料でダウンロードできるマップトークンを付属。
新たに2モデル加わり、3機種となった「Fish Pro」シリーズ。ジェットで釣りに興味があるなら、このなかのどれかを購入すれば、あとは釣竿を持って海や湖に繰り出すだけだ。 ジェット遊びの新しい扉が開くことだろう。
【動画】 Fish Proの装備全般の説明が見られます。
【Sea-Doo公式チャンネル】2022 Sea-Doo FishPro Walkaroundより、日本語訳にして見てください。
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