今年の夏、2021年モデルの「RXT-X 300」の新艇を買ったお客さんが嘆いた。
来年モデルの「RXT-X 300」には、『GTX Limited 300』にだけ装着されている「7.8インチ・フルカラーLCDディスプレイ」が標準装備されると知ったからだ。
このメーターは、スマホと連動して、さまざまなアプリが使える「超スグレもの」なのだ。
そこで、サクセス&スピード・グラフィックスの佐瀬 崇店長が、立ち上がった。
「この“7.8インチ・フルカラーLCDディスプレイ”、オレが“必ず”RXT-X 300に付けてあげる!!」と。
現行モデルのRXT-X 300に、2022年モデルのメーターを取り付けることになったきっかけは、ショップオーナーである佐瀬氏の「お客さんに対する思いやり」からだ。佐瀬氏曰く「2022年モデルのRXT-Xに、GTX Limitedと同じカラーディスプレイが付くと聞いたお客さんが、『うわっ!!』と、何とも複雑そうな顔をしたんです」という。その顔を見たとき、何とかしてあげたくて、「俺が何とかしてやる」と言ってしまったそうだ。
メーター自体は、現行モデルのGTX Limitedに装着されているものと同じなので、メーカーから部品を取り寄せることができる。「絶対、何とかできる。何とかしようと思いました」と佐瀬氏。そう提案すると、お客さんも「ぜひ、やって下さい」と、二つ返事で快諾し、今回のカスタムとなったのである。
問題は、部品代だけで約20万円かかることと、換装できるのかメーカーに問い合わせても「誰もやっていないので、大丈夫とはいえません」という返事だったことだ。しかし、形状は同じなので、装着にはそれほど問題はないはずだと佐瀬氏は考えた。
問題は、「どこまでパーツの変更が必要か、見えないところ」である。
「コンピュータとハーネスまで変更すれば、必ず装着できると思っていました。だから、腹を括ってチャレンジしました」と佐瀬氏は語る。
今回、2021年モデルに「2022年モデルのメーター」を換装したが、どの年式のRXT-X 300にも換装できるかは分からない。メーターを装着するだけなら問題なくできるが、それ以外の部分で、単純に換えればいいわけではない。
「今回は成功はしましたが、これは2021年モデル限定だと思います」と佐瀬氏は言う。
メーカーも、換装することを想定していないので、スピーカーやハンドルも含め、フロント部分を全部外さないと取り付けができない。 思った以上に大がかりな作業となる。
さらにシードゥ艇の場合、「バッツシステム」という専用のコンピュータシステムを使ってセットアップする必要がある。 毎年、プログラムが違うようで、 そこで「エラー」が出る可能性があるとのこと。 その対処が少し大変だったという。
気になるカスタム代だが、部品代だけで約20万円を超える。それに加えて工賃が別途かかる。
しかし、2022年モデルが値上がりしているので、その本体販売価格とそれほど変わらない。
ちなみに、2021年モデルのRXT-X 300(ミッドナイトパープル)は244万円、 来年2022モデルは262万200円(トリプルブラック)と、 その差は約18万円である。
現行モデルと2022年モデルは、メーター以外に 大きな変更がないのだから、 値上がりした分が「カラーディスプレイ代」だと考えると分かりやすい。
さらに、2021年の「ミッドナイトパープル」は、今年の限定カラーである。 そこに、サクセス スピード & グラフィックスのフルグラフィックデカールでドレスアップした、特別感満載のカスタムだ。
今、このメーターを取り付けたら、 1年早く「なんちゃって2022年モデル」が手に入るのだから、それを安いと思うのか、来年を待とうと思うのかは、ユーザー次第だ。
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