現代のランナバウトは、大抵がコンピュータ制御です。その分、使う電気量も多くなります。例えば、シードゥ艇に採用されている「iBR」機能や、ヤマハ艇の「RiDE」機能などを使うと、バッテリーの消耗率は非常に多くなります。
基本的に、水上バイク(以下、ジェット)のバッテリーの寿命は「3年」です。
メーカーのサービスマニュアルにも、「バッテリーの寿命は3年」と書いてありますから、それ以上使えたらラッキーと考えます。しかし、使い方によっては3年持たない場合もあります。理由は「ジェットに乗らないと、放電されているばかりで、充電されないから」です。
自動車でも、ずっと乗っていれば問題ありませんが、長期間乗らなかったら「バッテリーあがり」を起こします。ジェットも同じです。1年中、コンスタントに乗っていれば充電されますが、夏だけ数回しか乗らないと充電量が圧倒的に不足します。
バッテリーの怖さは「突然、寿命が来る」ことです。
家を出る前にエンジンがかからなかったら、新しいバッテリーに交換すればいい。でも、ツーリングに出かけた先で、どこかで上陸してお昼を食べて、「さあ出発しよう」と思ったらエンジンがかからない……ということも往々にしてあります。
エンジンストップしたのが海のど真ん中だったら、最悪の場合、命の危険にも関わります。
だからこそ、定期的に充電を行いましょう。そして時期が来たら、バッテリーの交換をしましょう。
くどいようですが、「メーカー推奨は3年間。4年持ったら“ラッキー”、5年目には交換」が基本です。(バッテリー充電器は、安いものなら3,000円台から売っています)
バッテリーは、寒さに弱い。寒い地域で冬、乗らない人は、バッテリーを外して、家の中に保管しておきましょう!!
最も、バッテリーが放電するのが気温の低い冬。もともとバッテリー内部の電解液は、気温の影響を非常に受けやすい。気温が下がると電解液の体積が減少し、正常な電圧の維持を妨害します。バッテリーあがりを起こしにくくする3つの方法があります。
1. 「極端に寒い場所で保管しない」
2. 「定期的にジェットスキーを走行させる」
3. 「充電器で定期的に充電する」
年間を通してジェットに乗るのが難しい人は、年に3回ほど、「定期的に充電器で充電する」ことを推奨します。
では、どれくらいの期間を開けて充電するかといえば、例えば、夏だけ乗るユーザーの場合、バッテリーの充電は乗り始めの春先に1回、乗り納めの9月に1回、真冬の1月に1回の計3回です。
これは、メーカーが保証する3年間を、問題なく使うためのやり方です。
バッテリーは家庭で充電できます。今は、機能の優れたバッテリー充電器が1万円前後で購入できます。
安いものなら3,000円台からあります。一般的に使うなら、5,000円~10,000円代のものが種類も一番多く売られています。サイズ的にもそれほど大きくないので、ガレージなどに置いても邪魔になりません。
一番大事なことは、バッテリーを充電するときに、ジェットに繋がっているバッテリーの端子を、絶対に外して行うこと。そのときに気を付けてほしいのが、バッテリーターミナル(バッテリー端子)を外すときは、「-(マイナス)ターミナル」から取り外す。取り付けるときは逆に、「+(プラス)ターミナル」から組み付けること。
なぜ順番が大事かといえば、バッテリーのマイナス端子は、エンジンとフレームに繋がっているから。いわゆる「アース」です。
プラス端子を先に外そうとして、ドライバーやスパナレンチなどがプラス端子に触れている状態で工具を回し、フレームなどの金属部分に接触すると、ショートしてヒューズが飛んだりスパークして火傷をする危険性があります。
もうひとつ注意したいことは、バッテリーの充電はできるだけ長い時間かけて行うこと。「急速充電」は、できるだけ避けたいものです。
人間だって、急いでご飯を食べるより、ゆっくり食べるほうが体に良い。バッテリーも同じです。夜、充電器をセットしておけば、朝になれば勝手に充電が終わっています。満充電になったら、自動的にストップしてくれる充電器もあります。
バッテリーをいたわって、常に安全な状態で使えるようにしましょう。そして、できるだけ4年持つようにすると経済的です。
ジェットに乗らない期間が長くなる場合、放電を防ぐために「バッテリー端子を外して」おく、ということは多くの人が実践していると思います。その際、マイナス(黒い方)の端子だけ外している人が多いです。
それでも良いのですが、プラス(赤い方)の端子を外しておくのがベストです。
プラスの端子を外すには、先にマイナスの端子を外さなければいけないので、結果的に両方の端子を外すことになりますが、「プラスの端子を外す」ほうがいいことを知っておいてください。
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