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  4. どのメーカーの水上バイクが壊れないの?

普段は、「買ってやった」、「俺は客だぞ」と、ジェットショップで偉そうにふんぞり返っている私。

でも、いざジェットが壊れたら、「神様」のように感じるのがジェットショップなのです。

どんな不可抗力で壊しても、直す以上は必ず修理代が発生します……。

新しいパーツが付いて、性能が上がるのならいざ知らず、元に戻るだけで高額な修理代が請求されるのは痛すぎる。

今回、「ジェットの守護神」でもあるショップの店長に、「本当に壊れない水上バイク」について、語っていただきました。

話/鈴木雄生氏(スズキマリン店長)

WJS 今回、お話しを伺いたかったのは、スズキマリンのお客さんは、ジェットをとても大切に扱っていて、壊さないと聞いたからです。

鈴木 よく、「ジェットが壊れるうんぬん」っていうけれど、僕がお客さんに最初に言うのは、「壊れる、壊れないは、お客さん次第ですよ」って。よく「どのメーカーが壊れないんですか?」って聞かれますが、それも答えは同じ。「乗っている人が、全部左右する」っていう話をしています。


WJS
 大事に乗れば、壊れないということですか?
鈴木 そういうことです。

🔶 

WJS 恥ずかしながら、先日、私のSX-Rが壊れました。

原因は、水洗口のキャップを開けたまま走っていたことです。当たり前ですけど、「水洗キットの蓋を閉めないといけない」って、取り扱い説明書のどこにも書いていないんですよ。

鈴木 「開けっぱなしにする人はいないでしょ」みたいな感じですよね。


WJS
 一番いけなかったのは、私がその重要度を分かってなかったことです。

「ココが開いていると、冷却に水が回らないから焼き付く」って言われたら、絶対に閉めます。「閉めなきゃダメ」と、「閉めたほうがいい」では、全然ニュアンスが違います。鈴木さんのような人に、最初にちゃんと使い方を聞いていれば、こんな思いをしなくてよかったわけですよね?

水洗口は閉めて走る。

鈴木 そういったトラブルは、限りなく少なくなるでしょうね。初めてジェットを始める人にとって、全てが未知との遭遇。
何も知らないことを説明されるわけですから。

ジェットを洗うときも、エンジンをかけてから水を出すのが常識じゃないですか。でも、知らない人は、エンジンをかけずに水を入れちゃう。「なんでダメなの?」って。理屈が分からない人がそう思うのは、当然のことですよね。


WJS
 エンジンが4サイクルになったことで、水洗いで気を付ける点はありますか?

鈴木 4サイクルって、数10秒でものすごい温度が上がっちゃうんですよ。

マフラーの排気からウォーターボックスに行く間のパイプを、すぐに溶かしちゃう。だから、水がまわっていないときは、10秒以内くらいでエンジンを止めることを考えないとダメです。

熱で変形し、破損したゴムパイプ。

 

2サイクルに乗っていた人が、その事故を起こすことが多いんですよ。ふざけて、陸上でエンジンをパンパンパンパンってあおるじゃないですか。4サイクルであんなことやったら、ゴムがダメになっちゃいます。


WJS
 私のSX-Rも、原因はゴムパイプの損傷だったわけですが、一見しただけでは異常が分かりませんでした。

鈴木 ゴムは、外見的には表情が変わらないですからね。でも、内側は皮膚が火傷したみたいになっている。

外見はなんでもなくても、触ってみると固い。カットして見ると納得できるでしょうけど、内側が丸じゃない。膨らんじゃって、排気の穴が狭くなっている。そうしたら、吹けないですよね。


WJS
 だから、数多くの修理をしているショップに見てもらえば、そういう異変にすぐに気が付いてもらえるわけですね?

鈴木 さすがに、それはすぐに見つけられないと思うけれど、一応、そういう仕組みがあるんで、話をしているうちに、「じゃあ、そこじゃないの?」っていうのは出てきますよね。

上:取り外した変形したゴムパイプ。
下:正常なゴムパイプ。

 

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