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本日、水上バイクのエンジンかからず……! 冬のジェットはバッテリー上がりにご用心! ジェットスキー(水上バイク)

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冬はバッテリーが上がりやすい!?

冬になると、ジェットスキー(以下、ジェット)のバッテリーは上がりやすくなる。
12月第2週、関東では冬晴れの晴天に恵まれたが気温は低く、「今年1番の冷え込み」と、気象庁が発表していた。 この寒さの中、WJS編集部の「カワサキ SX-R」と、取材でお世話になっているマリーナの「ヤマハ FX HO」が、立て続けに「バッテリー上がり」を起こし、エンジンがかからなくなった。

いつもなら、セルを回すと「ギュルルル……」という音と共にすぐにエンジンがかかるのだが、この日は「ギュ」といったきり沈黙。もう一度、セルをまわしたが、何の音もしなくなった。2台とも同じ症状なのだ。

マリーナのスタッフが、「ジャンプスターター(専用モバイルバッテリー)」を持って来て、エンジンをかけてくれた。「これから少しの間、走り続けてください! すぐに充電されますから」と言われたので、アクセル全開でFX HOを走らせた。
それ以降は通常の状態に戻り、何度エンジンを停止させても、セルを回せばすぐにエンジンがかかった。おかげで、無事に撮影ができたのである。

バッテリーは寒さに弱いのだ!!

「バッテリー」とは、電気を蓄えることができる装置の総称である。
通常、オルタネーター(発電機)は、エンジンの回転を動力源として電気を作り出し、それをバッテリー内部に貯める。そのため、アイドリング時や徐行状態など、エンジンの回転数が低いと発電量も落ちる。
エンジンスタート時にも電気が必要になるため、バッテリーが弱るとエンジンがかからなくなってしまうのだ。

「バッテリー上がり」とは、バッテリーが蓄えていた電力が放電されてしまい、エンジンをかけるのに必要な電力がなくなってしまった状態のことをいう。
冬に「バッテリー上がり」が多く起きる原因のひとつは、温度が低くなるとバッテリー液(希硫酸)の化学反応が鈍くなって、充電効率が下がるから。
気温が低くなるごとにバッテリー内部の抵抗値が増え、電池の容量が下がる。気温が0度になると、通常の8割の能力しか発揮できない。マイナス20度なら、容量は半分にまで低下するという。

電気を蓄える力が弱まり、電圧も上がらなくなって、エンジンをスタートさせるための最低限の電圧すら確保できないという事態になる。
さらに、古くなるほどバッテリーの性能が落ちるため「古いうえに寒い!」となったら最悪だ。「バッテリー上がり」まっしぐらである。


バッテリーの充電方法

バッテリーは、コンピュータやセキュリティシステムなどに対して、常に電気を供給(暗電流という)している。また、何もしなくても少しずつ放電(自己放電)していく。

バッテリーを放電状態で放置すると、性能の低下や充電しても回復しない状態になることもある。「単なる放電」によるバッテリー上がりを防ぐには、定期的にジェットを走らせて、バッテリーを充電してあげればよい。
長期間使用せずに保管する場合は、定期的な補充電(3カ月に1回程度)をしてあげよう。


充電には、「急速充電」と「完全充電」の2つの方法がある

今回、編集部のSX-Rと、マリーナのFX HOの2台の水上バイク(以下、ジェット)のバッテリーが上がってしまったため、それぞれに充電する必要があった。

SX-Rは、すぐに乗るわけではなかったので、「完全充電」で行った。
完全充電とは、ゆっくり時間をかけて、「バッテリーの充電状態をほぼ100%まで回復させる充電」。充電の所要時間は10~12時間程度である。
ジェットショップに行って、バッテリー専用充電器で充電をしてもらったところ、昼から充電を始めて、店長の帰宅時間になっても100%にならず、翌日、出社したときに充電完了を確認できたそうだ。

FX HOは、すぐに取材で使う必要があったため、「急速充電」を行った。急速充電とは、「エンジンが始動できる状態まで、応急的にバッテリーを回復させる充電」方法である。
急速充電は、短時間でエンジンをかけることができるくらいまで充電できるが、満充電にはならない。
今回は、マリーナスタッフがジャンプスターター(緊急用の携帯バッテリー)を使ってエンジンを始動し、そのままアクセル全開で充電を行った。

「急速充電」と「完全充電」。どちらの方法がバッテリーに優しいの?

少しややこしい話だが、ここで言う「急速充電」とは「エンジンを始動させるためだけの充電」のこと。エンジンがかかった後は、走り続けることで電気を作り充電するという方法だ。
たっぷりと時間をかけ、バッテリーの負担が少ない「完全充電」と、アクセル全開でドンドン電気を貯める「急速充電」では、明らかに「完全充電」のほうがバッテリーに優しい方法のように思える。

そこで、本誌が信頼している大阪府池田市のジェットショップ「シーゼットカンパニー」に話を聞いた。

すると、充電方法としてやってはいけないのは、「本来のボルト数値を超える充電器を使って充電する方法」だという。バッテリーは、満充電ではなく8割でOKだとシーゼットカンパニーでは言う。それ以上充電すると、バッテリーを痛めてしまうそうだ。

ジェットのエンジン回転数による「オルタネーター(発電機)」は、純正バッテリーを傷めることのない数値で設定されているので、アクセル全開で充電しても、バッテリーの負担が少ない「完全充電」と同じであるという。

取材協力/シーゼットカンパニー(大阪府池田市)スズキマリン(千葉県富津市)55HEAVEN(神奈川県平塚市)

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