気になる優良ショップの今　Withコロナの時代　「今年の苦しみ」　ジェットショップの現状は……!?　ジェットスキー（水上バイク）

新型コロナがまだ収束していない現在、ジェットショップはどうなのか？

いよいよ、ジェットシーズン真っ盛りの7月である。
例年に比べ、水上バイク（以下、ジェット）の新艇が不足していると言われる今、「優良ジェットショップ」は、どのような日常を過ごしているのか、大阪府池田市のシーゼットカンパニーに聞いてみた。

今年”6月末”までの状況は…

WJS　今年、世の中のジェットショップが口を揃えて「新艇が不足している」と言います。シーゼットカンパニーでは、いかがですか？
西村　ウチも、新艇が品薄です。お客様を待たせるのは心苦しいですし、店側も状況が分からないので、予定が立てられないので大変です。

WJS　例年とは、かなり違うのですね？
西村　はい。新型コロナの影響で、「メーカーの生産台数に制約」がある。ウチの店だけではなく、日本全国のジェットショップが同じ思いをしているので、文句を言うつもりはありませんがいろいろと大変です。

WJS　新艇が入荷することは決まっていても、納期が分からないということですか？
西村　2月に発注したモデルが、7月の今になっても納艇されない。待っているお客様のことを考えると辛いです。そうかと思えば、急に納艇される機種があったりします。

何が大変なのですか？

WJS　急に納艇されても、ショップ側も受け入れ態勢が整っていないと困りますよね。
西村　予定をしていないと、修理に持ち込まれたお客様のジェットと新艇で、店の倉庫がパンパンになり、身動きが取れずに作業効率が下がります。急に入荷した場合、お客様にも迷惑がかかる。さんざん待たせておいたのに、今度は書類を急がせたりしなければならない。「急には無理。今回はやめとく」と言われても、他にも欲しがっているお客様がいるので構わないのですが、本当は、そんなことはしたくない。でも、新艇を店に置いておくスペースがなくなる時期なんです。

WJS　シーゼットカンパニーさんはお客様思いなので、「待たせたうえに、急かす」のは、相当心苦しいですよね。
西村　はい。だから、ていねいに状況を説明し、現状を知っていただいた上で判断してもらうので、非常に時間を取られます。しかも、それらの作業がいつ始めるのかは、新艇が納艇されるまで分からない。手間が増えることよりも、「予定を立てられない」ことが最もツラいところです。

WJS　いずれにせよ、新艇の入荷が遅れていることが、一番の問題ですね？
西村　遅れて入荷するより、多めに在庫を抱えても、順次、出荷していけるというほうが、精神的な苦痛が少ないです。

WJS　お客さんを待たせた分、少しでも早く渡してあげるために、セットアップや書類作成を急ぐことになる。さらにこの時期、修理の作業も重なるのですね？
西村　”段取りが出来ない”のが、一番大変ですね。

今年、例年の「値引き合戦」がない

WJS　今年は、全国的に新艇の数が少ないので「値引き合戦」がないと聞きますが？
西村　はい。だからといって、常連のお客様に「定価です」というわけにもいきません。例年なら、店が提示した値引き額に対して、さらに追い打ちをかけるような金額を言うお客様もいますが、今年はいません。金額に関しては、お客様のほうが詳しいかもしれませんね。

WJS　コロナの影響だとは思いますが、このような状況は、しばらく続きそうですね。

西村　だから、違う形でもお客様を大事にしていきたいと思っています。

「お客様を大事にする」とは？

WJS　「違う形」とは、具体的にどういうことでしょうか？
西村　良く「要望に応える」というのがありますが、それは「当たり前」の話です。それより、「すごく必要なんだけど、その人が知らない。“知っておくべきこと”を教える」ことだと思います。

WJS　お客様は、「何が“必要な知識”なのか、自分自身では知らない」わけですね？
西村　そうです。“知っているように見える人”は多いです。

WJS　今、問題になっているマナーついても、ある程度の経験やスキルがないとできないことがありますよね。
西村　悪気が無くても「“悪者に見える”立ち振る舞い」をしてしまう人がいます。どうすれば良いかなんて、最初から知っている人は少ないです。だから、気付いたら言う。お節介ではないですが、お客様の要望通りのジェットライフが送れるように話を続ける。そうして、お客様に“寄り添う”ことが、「お客様を大事にする」ことだと思っています。