BRPのアイデアは、常に 我々を 驚かせてきた。
ユーザーの「 あったら いいな 」と思うものを、“迅速に”形にして、世に 送り出してくれる。
今回、BRPチーフ・デザイン・オフィサーの デニス・ラポイント氏が 来日したので、忙しいスケジュールのなか 時間を 取って いただき、本誌の 独占インタビューに応じていただいた。
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本誌は、2015年にも デニス氏の 独占インタビューを 行っているが、その際、『 デザインとは、「 革新的 」であり「 機能的 」。
何より「 驚き 」がなくては 意味がない 』と、語っている。
今回は、『 デニス・ラポイント氏に 聞く「 革新的デザインが 生まれる 理由 」というテーマ 』で、語って いただいた。
我々 ジェット乗りを ワクワク させてくれる製品を 世に 送り出している 企業の、デザイン 部門の 最高責任者 から、どんな 話が 聞けるか非常に 楽しみだ。
WJS 「 EXPLORER PRO 」のグッドデザイン賞 受賞、おめでとうございます。
デニス ありがとう。このPWCの良さが、日本でキチンと 評価されたことが とても 嬉しいです。
WJS 「 EXPLORER PRO 」は、業界初の「 ウインドシールド 」が 付いた ジェットです。
Can-Amに 乗ったことが あるので、あの 風防が あることでどれほど 快適に走れるかを 体感しています。
まさかそれが、ジェットにも 付くとは思いませんでした。
デニス 「 アドベンチャー 」専用 モデルですから、この 機能があれば、たとえ 雨が 降っても、ライド してさえ いれば、濡れることが ありません。
凍える ような 真冬でも「 風を 遮ってくれる 」ことが、どれほど 快適で ありがたいと 感じるか 理解できるでしょう。
WJS BRP社のような 大企業が、これほど 柔軟に、新しい アイデアを どんどん 形に してくることに、いつも 驚かされています。
デニス 我々の 考え方は、昔から 常に 同じです。
デザイン理念の 根底となる3大要素は、
「 高度に 革新的であること 」
「 機能性に 優れていること 」
「 ワクワクする ようなこと 」です。
この3つの要素が 全て 合わさった ことで、 初めて 商業的な 成功に 結びつくことができると 考えています。
どれが 欠けても、良い 結果には なりません。
WJS 「 革新的であること 」とは、具体的に どういうことですか?
デニス はるか昔、1950年代後半、雪山で「 犬ぞり 」しか 移動手段が なかった 時代に、Joseph - Armand Bombardier( ジョゼフ=アルマンド・ボンバルディア )は、「 スノーモービル 」を開発しました。
「 犬ぞりの時代 」から、お客様が 欲している モノは 何か?
お客様に 喜ばれる 製品とは 何か?
いつの 時代でも、立ち止まること なく問い続けてきた 企業が「 BRP 」なのです。
WJS 先ほど仰った「 機能性に 優れている 」とは、どういうことを言いますか?
デニス それを 使った人の「 利用前、利用中、利用後 」という3つのシーンで、「 機能性の 良さ 」「 使い 勝手の 良さ 」という ところを 追求しています。
例えば、フィッシングモデルを作ったあとも、「 ユーザーに さらに 喜んでもらえる ことは何? 」ということを 考え続けて います。
具体的には、グラフィック デザインとか、ヒューマン マシン インターフェイスとか、そういったものを 含めた ファンクションの 世界。
人間工学的なものも 含みます。
機能性の 追求に あたって、 「 エルゴノミクス( 人間工学 ) 」の 面からも分析を 続けています。
そして、その答えが 見つかれば すぐに 商品化する。
それが「 ユーザーに 喜んでもらう 」という 考え方です。
WJS 3つめの「 ワクワクする 」というのは、今までのBRP社の 製品を 見れば よく分かります。
毎回、「 今年は どんな製品で 驚かせて くれるんだろう 」 と思います。
デニス これが 一番重要なのですが、「 WOW( ワオ )! 」というような 製品を 作ること。
「 WOW Factor 」、つまり「 人を 感動させる ような 要素 」のことです。
色、素材、体感といった ところで、感情的に ワクワクさせる ことで、その プロダクトを 好きになってもらう。
大事 なのは、ターゲットとする 人が「 何を 必要としているか 」を 把握して、デザインをする ことです。
WJS 驚くべきことは、BRPは 全ての 製品が 関連しており、信頼性の 向上に 貢献している という ことです。
「 Sea-Doo EXPLORER PRO 」の ウインドシールドにしても、すでに Can-Amで 採用されているので、その 快適性は 実証済みです。
デニス PWCに 採用しているLinQシステムも そうです。
最初は オフロードで ハードに使うATVで 採用し、デニス その技術が 数年後に ジェットに 反映させました。
すでに その性能を 実証しているので、自信を 持って 製品化できる のです。
WJS LinQシステムについて、最初は 大波の 中を 走ったら荷物を 落としてしまうのでは ないかと 思っていました。
でも、実際に 使ってみると、どんな 水面状況でも、猛スピードで 走っても、何の 問題も ありません。
でも、機能と デザインを 融合させるというのは、大変なことでは ないのですか?
デニス 私たちのチームには、すべての 製品の デザインチームを構成する “ バイオ メカニクス ”の 役割を担当する 人々がいます。
WJS 1人の 人間で 全てを やって いるのですか?
デニス いいえ、「 ひとつの チーム 」が、全部で「 ひとつ 」を 作り上げます。
WJS ジェットの メーカーが、デザインを 重要視するようになったのは、BRP社 の 影響が 大きいと 思います。
デニス 「 Sea-Doo EXPLORER PRO 」は、 私が チーフ・デザイン・オフィサーを 務める「 BRPデザイン・アンド・イノベーション・チーム 」によって 製作されて います。
BRPには、世界中で デザインに 携わる スタッフ 約150人が います。
彼らは「 世界を ワクワクさせる 」デザインを 考え出します。
私の役割は、消費者を 驚かせ、喜ばせるような 独創的な アイデアを 出せるよう、チームを後押しする ことです。
WJS そんなに多くの人間が、デザインに 従事しているのですね。
デニス 現在、Valcourt( カナダ )、Sophia Antipolis( ヨーロッパ )、Palm Bay( アメリカ )に3つの スタジオがあり、19ヵ国から 集まった130人の 才能あるスタッフが 一緒に 働いています。
WJS BRP社が すごいと 思うのは、“各分野”の 専門家の意見を 取り入れて、柔軟に 製品を 作ることです。
Sea-Doo FISH PRO( 釣り専用 ジェット )のときは、「 プロ・アングラー( 釣りの専門家 ) 」であるアンドリュー・ヒル氏が 製作に 大きく 関わっていました。
RXP (レーシング モデル )では、現役レーサーの ジェームス・ブッシェル 選手がテストライダーに 名を 連ねていました。
釣り専用のジェットなら、釣り師に、レーシングモデルならレーサーにと、とても 柔軟です。
他メーカーでは、社内の 「 ジェット 専門のスタッフ 」が中心となって 開発をしている ところが 多いです。
しかし、BRP社は 開発の体制も “硬直的”では なく、“柔軟な 考え方”で、広く 専門家の 知識を 取り入れて、よりよい 製品を 作っていると 思います。
デニス 私の 役割は、デザインチームが 新たな 高みに 到達し、新たな 領域を 開拓すること。
既成概念に とらわれず、探究心を 刺激することです。
私は、“指揮者”なの です。
すべて 自分一人だけで できる わけが ありませんし、やるべきでは ないと 思っています。
WJS 2015年に デニス氏に お会いしたとき、「 日本では 冬でも ジェットに 乗る人が いるので、“ グリップヒーター ”を 開発し 装着してください 」と私がお願いしたことがります。
その後、他のメーカーにも 同じように お願いしたのですが、「 感電の 問題がある 」といって 実現しませんでした。
でも、Sea-Doo FISH PROが 発売されたとき、オプションに 「 グリップ ヒーター 」が あったことにすごく感激しました。
デニス 何度も 言いますが、「 お客様が 求めている モノ を 作る 」ことが 企業理念ですから 当然です。
それに、BRPは スノーモービルを 作っていますから、その技術も あります。
WJS BRP社では「 犬ぞり 」の時代から 一貫して、「 お客様が 欲しているモノは 何か ? 」「 お客様に 喜ばれる 製品とは 何か ? 」を 突きつめて いるから、人々が 驚くような 製品が、次々と 登場するのですね。
これからも「 あったら イイな 」を 形にして、我々 ユーザーを 驚かせて くれることを 楽しみにしています。
本日は ありがとう ございました。
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