毎年10月に、アメリカのアリゾナ州・レイクハバスで行われる世界選手権大会(ワールドファイナル)に行っていたが、今年は「行かない」ことにした。
現在、世界中が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、国ごとに渡航制限が行われている。日本に入国する場合、10月1日から「中長期の在留資格を持つ外国人」の新規入国を認め始めた。
逆に、日本からの渡航者に対しては、101カ国が制限を行っている(9月29日現在)。東南アジアの6ヵ国と、(タイ、ベトナム、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、ラオス)との間で、一部の長期滞在者の往来が許可されているだけだ。ただし、「入国後2週間は、自主隔離」という制約が付く。
今回、断念したアメリカの取材は、1996年に本誌が創刊してから24年間、一度も欠かさず行っているので思い入れもあり、いわば「年間行事」というべきイベントだ。だからこそ、今回の渡米中止は寂しい気持ちが強く、来年以降の状況が非常に気になる。
日本では外務省が「感染症危険情報」を発表している。危険情報のレベルは1から4まで。各レベルの内容は下記の通りだ。
現在、世界中のほとんどの国/地域では、レベル2の「不要不急の渡航は止めてください」となっている。こちらが「海外に行きたい!」と言っても、迎える相手国が日本人の入国を認めるかどうかは、また別の問題だ。
多くの旅行会社は海外ツアーを販売するか否かの基準を「危険情報レベル1」までとしている。このため、すぐにコロナ前のように、気軽に海外旅行に行けるようになるわけではなさそうだ。
海外から、日本に帰ってきた次の日から数えて「14日間」、検疫所長が指定する場所で待機して、外出できないことになっている(到着する空港等から、その滞在場所まで公共通機関を使用せずに移動する)。
待機場所は、自宅、社宅、親戚の家、友人の家、マンスリーマンション、自分で予約したホテルなどが対象となる(宿舎などのトイレや風呂など、複数の人が共同で使用する場所がある施設は対象外)。
また、渡航先の国でも、日本からの渡航者に対して、入国後14日間程度の隔離を義務付けている国もある。つまり行く地域によっては、渡航期間の前後2週間ずつを「待機」という形で行動を制限される。
とてもじゃないが、我々の3日間のアメリカ取材のために、計28日間も行動制限されたら仕事にならない……。今のままだと、海外へ行くことは現実的ではないのだ。
10月2日に、厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症のワクチンが実用化されれば、希望者は全員無料で接種できるようにする方針」を決めた。ワクチンは、感染症の予防に用いられる医薬品で、感染症予防において最も重要かつ効率的な手段だと言われている。
ただ、ワクチンはあくまで「予防」に用いられる薬であって、「ワクチンを打ったら罹らない」というものではないだろうと思っている。例えば、インフルエンザ予防接種でワクチンを打っても、罹患することだってある。必要なのは、インフルエンザにおける「タミフル」や「リレンザ」のような、「ちゃんと効く薬」なのだと思う。
世界がこのような状況の中で、結局、いつになったらまた、自由に海外旅行に行けるか? ということだが、私の意見としては「特効薬ができたら」だと思っている。
来年(2021年)3月、タイで「ジェットスキーワールドカップ」が開催される予定となっている。
さらに2021年7月23日(金)~ 8月8日(日)に開催される、世界最大のスポーツの祭典「東京オリンピック」がある。それまでに、人類は特効薬を手にしているのか……?
思い出してほしい。今年、世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっているのに、わが国の政府や関係者は、ギリギリまで開催延期の決定をしなかった。都知事までが「頑張って成功させましょう」的な発言をしていた。
私の予想では、治験を考えたら1年弱で特効薬の開発は無理だと思う。今、マスコミ各社から発表されている開発状況を分析しても、そう簡単に完成するわけではなさそうだ。
薬は、今日、明日でできるものではないし、安全性が第一だ。政治的な理由で、無理矢理、承認されるようなことがあってはならないし、仮にそうであっても、世界各国が独自の判断で「安全な薬」と判断するまでは、コロナ前のように自由な移動の許可は出されないはずだ。
来年3月に開催予定のジェットスキーワールドカップや、夏の東京オリンピックまでは、「まだまだ時間があるじゃないか」という考えの人が多いかもしれない。しかし「準備」という時間を入れたら、すぐ目の前まで来ている。
現時点の段階で、個人的に思うのは「来年の今ごろに特効薬ができていたらいいなぁ」くらいだと思っている。
そして、その薬効を世界各国が認めなければ、国同士の自由な往来はないだろう。
10月2日現在で、新型コロナに対する主な抗ウイルス薬として、アメリカのトランプ大統領が投与されたという「レムデシビル」を始め、7種類ほど候補に挙がっている。
臨床試験に入っているCOVID-19ワクチン候補は41種類。このほかに151種類が前臨床の段階にあるという。
医療関係者の皆さまが頑張ってくださっているが、1日も早く特効薬ができて、また、自由に行き来ができる生活が戻ってくることを願ってやまない。
願わくば、東京オリンピックの開催も、この目で見たいものである。
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