上の写真は、2018年の「ジャパン・インターナショナル・ボートショー」に展示された、ヤマハのコンセプトカー「CROSS HUB CONCEPT(クロス・ハブ・コンセプト)」だ。
初めてこのクルマを見たとき、「未来のクルマはこうなるのか」と驚き、ワクワクした。しかし、2021年の今、このクルマを見ても、そのころとは全く違う気持ちを抱いていた。
2018年にヤマハが「CROSS HUB CONCEPT」を発表したとき、「新型コロナ」なんて、影も形もなかった。
今、世の中は急激に変化している。クルマの世界は、その際たるもののひとつといえよう。現在のトレンドは「EV化」だ。クルマに求められているのは「脱炭素」である。
政府は二酸化炭素削減のため、2030年代半ばまでにガソリン車のみの新車販売を禁止する方針だ。さらに、「2050年までの温暖化ガス排出量実質ゼロ」を宣言している。
これまでに何度も掲載してきたが、「温室効果ガス排出量の削減を図る」という、「脱炭素化」は、世界的な流れである。
2021年の現在、未来のクルマを語るうえで外せなくなったのが、外観やパワーなどではなく、「EV化」である。
ヤマハが発表してきた、2台のコンセプトカーのようなイケてるデザインや内装よりも、「ガソリンエンジンではない」ということが、これからの世の中では重要となるのだろう。
今年の春、シボレーから1960年代のヴィンテージカーに搭載できる「EV化キッド」が販売される。最終的にはいろいろな機種に搭載できるようになるというが、その先鋒として、1960年代のシボレーブレイザーが選ばれたのだ。
不思議な話だが、2021年1月における、私が想像する「未来のクルマ」は、アメリカの古いピックアップトラックなのだ。
2015年の東京モーターショーで、ヤマハ発動機がコンセプトモデルとして出展したのがスポーツカー「スポーツライド・コンセプト」である。
このクルマには、F1マシンや、ロードカーを設計した著名なデザイナー、ゴードン・マーレイ氏率いる「ゴードン・マーレイ・デザイン社」が提唱する、鋼管スペースフレームでキャビンを作る「iStream」コンセプトを採用している。
例えばタンドラやダッジラムといった、アメ車のBIGなピックアップトラックでは、日本の道を走るにはデカすぎる。この「クロス・ハブ・コンセプト」は、2018年のボートショーで、ヤマハ発動機のブースに展示されていた。
大人が4人乗れて、リアにはスーパージェットが2艇積める。普段使いに便利で、休日になると、その実力をいかんなく発揮する。ジェット乗りのとっての「こんなクルマがあったらいいな」を実現したものといえよう。
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