「ちゅーた先生」こと中田正樹氏は、国際的に活躍するマシンコンストラクターです。 チームカワサキ時代、ジェットスポーツ界のスーパースター、クリス・マックルゲージ選手のメカニックを務めて世界チャンピオンに貢献。その後、2007年までマックレーシングに在籍し、現在は、フリーのコンストラクターとして、タイをはじめ、国内外でその手腕を発揮しています。
毎年、タイで行われるジェットスキーワールドカップのマシンを製作するため、タイのチームに招聘されるのですが、今年もタイでマシンを造ってほしいと依頼があったようです。 しかし、このコロナ禍で、いつもの年とは大分、勝手が違います。 第一の関門が、タイへ入国するまで。普段とは全く違い、入国までに大変な労力が必要となったようです。
今、タイに行く場合に、どんな手続きが必要で、どれくらいの費用がかかるか。タイに行こうと思っている人は必見です。「今の世界の状況」が、よく分かります。
約1年ぶりですが、よろしくお願いします~。
タイで行われるジェットスキーワールドカップの日程がコロコロ変わるなか、とりあえず現地に向かわないと話が始まらない。
各国、コロナ感染状況によって入国の制限度合いが変わるのをにらみながら、とりあえず確実な方向でビザ申請に挑むことにする~。
大使館も、たくさんの人が申請に来ることで感染するのが嫌なので、「何度も来てくれるな!」状態。質問のメールを大使館に送っても、ウェブサイトが貼り付けてあり、「これを読んでください」と、冷たい返信。ウェブサイトを読んで「必要な書類を揃え、来館日時を予約しなさい」とのこと。
これがまぁ~、分かりづらい説明で……。何度も読み返して、指定される書類を、大量に揃えなければならない。
観光ビザを取るだけで、銀行明細書、証明写真、指定書式申請書、隔離ホテル領収明細、航空券、コロナ保険、隔離後住所、滞在住所地の権利書コピー、招待状、招待者のパスポートコピー、滞在中の予定表と、以前では考えられないぐらいの書類の量……。
揃った書類を写真に撮って、大使館WEBに貼り付けて申請。事前審査が通れば、やっと大使館の訪館日の予約が取れるという段取りで、まぁ~大変。
大使館に行ったら、また書類を再度確認された。あと、ちょこちょこダメ出しをくらい、書類の手配をやり直す~~。指定通りの書式に書いているのに、「こんなのは見たことない」とか言われる始末……。
受付カウンターのアクリル板に『申請中の態度もビザ申請考慮に入ります』と書いてあるもんだから、終始、丁寧な対応が必要です~(笑笑)。
声を荒らげたりしてはいけません! 紳士的に挑むのです~(笑)。
通常の場合、午前中のみの申請だが、書類不足のため「また時間外の午後に来なさい」とのこと。長い大使館の昼休み後に、再度、申請に行く。
「担当が変わったら、話が分からないから」と、担当者が来るまでまた待たされる。やっとのことで審査が通った~。
だからといって、これで渡航許可が下りるわけじゃないー。またまたWEBで申請をすることになる。
年末も迫り、大使館の営業日がない~。年が明けたら、すぐの出発スケジュールを組んでいたため、大使館側の年始開始も遅く焦りましたが、ギリギリ渡航許可証が発行された~。
だからといって、まだ飛行機に乗れるわけでない。72時間前までのPCR検査の陰性証明書と、医師から発行された健康診断書が必要になる。もし陽性が出たら、全てアウトだもんねぇ!?
PCR検査後、2時間で検査結果が出るらしい。出発時間が早いので(午前9時~午後5時以外は、料金が高い)、前日に空港に入り、テスト結果を待つことにする。
結果は陰性! 陽性が出るのではないかと、結構、心配していました。無症状の状態があるからねぇ~。
結果が出たら、その足で空港内のドクターのところへ行く。検査ターミナルが離れているのでバスで移動し、ドクターに問診してもらい、健康診断書を発行してもらうのだ。
何があるか分からないので、前日に入り、落ち着いて書類を揃えたほうが、イライラせず安心でありました。結果、何とか飛べる段取りができたのだぁ~。
その日は空港内に宿泊して、翌日の準備に~~。宿泊の費用を払っても、時間外コロナテスト費用を払うより安くつきます~。
翌日、空港カウンターには思ったより長い列ができている。
書類はさんざん確認したので大丈夫でしたが、数人、カウンターでダメ出しを食らっている搭乗者もいました。そうなると大変でしょうなぁ~。
地上職員の方に聞くと、飛行機はガラガラだそう。まぁ、そうだわなぁ~。
驚くほど空港内は人がいないんです~。
機内は、1列に1人だけで、広々と着席。キャビンクルーも、二重マスク、ゴーグル、防塵服と、完全装備でお相手してくれますー。
最初に書いてあったが、今、タイに行くのはとても大変です。全ての渡航者は、タイ入国前の入国許可書の取得などのために大使館に行かなければなりません。
今回は、国内手続と機内へ登場までの話でしたが、後編ではタイ国に入国してからの話となります。噂のキッチリ14日間ホテルに拘束される体験談を掲載しています。これを読んで「おとなしくしているのが苦手」な人は、コロナ渦の海外レース参戦について、しっかり考えた方が良いと思いますよ。勢いで行動すると、大変な思いをしそうです。
2021年1月27日現在の外務省の発表
国籍を問わず、次の者について入国を許可する。①労働許可書所持者並びにその配偶者及び子弟、②永住者、③タイ国籍保有者の両親、配偶者及び子弟、④タイ国内で医療サービスを受ける外国人及びその介助者、⑤留学生及びその両親、⑥タイに駐在する外交官、外国政府職員、国際機関職員等並びにその両親、配偶者及び子弟、⑦長期滞在査証(ノンイミグラントO-A、O-X)保持者、⑧APECビジネストラベルカード保持者、⑨タイ・プリビレッジカード保有者、⑩メディア関係者、⑪観光ビザ(TR)及び特別観光ビザ(STV)保有者(注:①~⑥は7月1日以降、⑦及び⑧は2020年9月29日以降、⑨、⑩及びTRは2020年10月1日以降、STVは2020年12月9日以降入国可。)。
また、2020年12月22日から2021年9月30日まで、日本を含む観光ビザ免除対象国の国籍者で、観光目的で45日以内の滞在の場合は、ビザ免除でタイ入国が可となる。
全ての渡航者は、タイ入国前の入国許可書の取得等(https://coethailand.mfa.go.th/ )及び入国後の14日間隔離等の入国条件・行動制限に従うことが必要である。 なお、外国人の入国は、タイ政府が許可した臨時便・特別便等への搭乗でのみ可能となる(国際定期商用便の運行は再開しない。)。
中田正樹(なかだ・まさき)
【Profile】
元JJSFフリースタイル全日本チャンピオン。クリス・マックルゲージのメカニックを務め、2004年、2006年と、ワールドファイナルでのマックルゲージの優勝に大きく貢献した。2007年までアメリカのマックレーシングに在籍。現在は、フリーのコンストラクターとして、日本を拠点に世界中を飛び回る日々を送っている。ニックネームは「ちゅうた」、「ちゅーやん」。
中田正樹コラム2021 Chuta's Jet Attitude 後編・タイへ入国してから編 「隔離生活」タイに着いたら、14日間ホテルで隔離!
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