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水曜日の約束 男4人旅、スタンドアップで真冬の東京湾を走ることになった ジェットスキー(水上バイク)

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今さら「寒いから行きたくない」と言えない……。真冬の東京湾スタンドアップツーリング

とても寒い2月の水曜日、千葉県の富津岬から金谷までのスタンドアップツーリングに出かけることになった。
この話、なりゆきというか、なしくずし的に決まったものであり、今さら、「寒いから嫌だ」とは、口が裂けても言えなくなっていた。

話の発端は、ジェット乗り仲間4人(もう、皆いい歳のオッサンだ)が集まった際、「最近のジェットユーザーは、冬に乗らない。ケシカランことだ」という会話になった。「そういう自分はどうなんだ?」という事実は棚に上げ、「昔は、夏も冬も関係なく、一年中ジェットに乗っていた」という話題で盛り上がったのだ。
そのうち、誰かが「昔みたいに、冬もスタンドアップでツーリングに行こうよ」と言い出した。「いいねぇ」だの、「面白そうだね」と、そのあたりから、あらぬ方向に話が進んでいったのだ。

正直なところ、「えっ、マジか!? こんなに寒いのに真冬の東京湾を走るの!?」と内心思っていた私。しかし、意に反して口から出た言葉は「いいですね! この季節しか味わえないジェットの醍醐味ですよ。ぜひ行きましょう!」だった。
他の誰かから、「この寒いのに冗談じゃない」という言葉を期待したが、なぜか「来週の水曜日に行きましょう」と決まっていたのである……。

あとから聞いたところ、あの場にいた全員が、「本当は行きたくなかった」と思っていたそうである。だが、あそこで「やめよう」と言ったら腰抜けだと思われそうで、ちょっと言い出せなかったという。馬鹿な話である。
かくして、元気なオッサンたち(我々のことだが)は、2月の東京湾にスタンドアップで繰り出すことになったのである。



スタンドアップ ツーリングバイブル

行ってしまえば、寒さより「面白い」が勝つことは分かっている

上級者のジェット乗りが大好きな王道の遊び方に、「ロングツーリング」というものがある。計画を立てるときには、好奇心と冒険心をかきたてられ、誰もが少年のあのころに戻るのだ。

きちんと計画を立てて行うツーリングは手間暇がかかる。大自然が相手だからこそ、何があるか分からない。しかし、実際に走ってみると、予定以上の楽しさを見出すこともある。
永遠の「嬉しい悩み」である。

ツーリング計画

ツーリングに行くとき、1番重要なのは天候だ。「晴れ」「雨」だけでなく、風向きと水面状況が最重要事項となる。普段なら、ジェットで走って10分の距離でも、水面が荒れたら1時間以上かかってもたどり着けないなんてことは日常茶飯事だ。
私が頼りにしているのは、地元の人の知識である。

天気を調べるとき、私はマピオンで確認することにしている。時間ごとの風速と風向き予報が表示されているので、それを地元のショップに伝えると、かなり正確な海面状況が分かるのだ。風速が6m以上でも、南向きの風なら島影になるから水面はベタだよ……なんて話が普通に聞ける。
海面状況が分からなければ、目的地までの到着時間が読めない。ツーリングは大自然が相手。ただでさえ何が起こるか分からないのだから、計画と準備には手を抜かないことだ。



ジェットに乗るときの必需品 「法定備品」

「船舶検査証書」「船舶検査手帳」「船舶免許証」は必ず持って行き、提示を求められたらすぐに取り出せる場所に置いておく。また、「信号紅炎(携帯電話)」「ロープ」「ライフジャケット(ホイッスル付)」は法定備品で、船内への備え付けが義務付けられている。
これらを忘れると、法律違反になる。船舶は道路交通法のような点数制度ではないので、違反=前科者になってしまう可能性がある。

陸上に忘れてしまったがために、罰金ウン十万円払ったというのは良く聞く話だ。
ツーリングのとき、私は、これらの全てを防水リュックに入れ、肌身離さず持ち歩いている。

必携品
「船舶検査証書」「船舶検査手帳」「船舶免許証」。

法定備品
「信号紅炎(携帯電話)」「ロープ」「ライフジャケット(ホイッスル付)」。


ゲレンデに、いつも更衣室があるとは限らない

屋外で着替える場合、タイルやアスファルト、コンクリートの上で着替えると楽である。ワンボックスなど、クルマで着替える人もいる。砂浜で着替えると、砂がシューズやドライスーツに入り込んで大変不快な思いをする。
当たり前だが、これってかなり重要。上級者や経験者の話を良く聞いていれば、嫌な思いをしなくてすむ。

砂地で着替えるとシューズに小石が入ったりして不快だ。だから事前に着替えておく。最近の私は、家からドライスーツを着ていくことにしている。


ジェットを降ろす

四輪駆動車でも、水際まで行き過ぎないほうがいい。スタックする可能性があるからだ。海の干満を考え、水が上がってこない場所に十分な余裕をもって駐車する。
ツーリングに行っている間に潮が満ちて、停めている車が海に浸かってしまった……という間抜けな話は多い。

車を停めたらジェットランチャーを使って、1台ずつ降ろす。ジェットを降ろすときには、ジェットランチャーを使うのが大原則だ。

スタンドアップの場合、ジェットランチャーは必需品。トレーラーで水際まで行くと、スタックする心配がある。

ジェットを降ろしたら、クルマは駐車場か、満潮になっても水が上がってこない場所に置くこと。


ガソリン缶運搬、上級者のウラ技

4人でガソリンの携行缶を運ぶ場合、あえて1缶減らして3個を4人で運ぶ。こうすれば、2人で1つの缶を持つことになるから、すごく楽なのだ。

ツーリングでは、ガソリンの携行缶を持って、結構な距離を歩くケースがある。そんなとき、1人で20ℓ以上入ったガソリン缶を持つのはあまりに重すぎる。この方法で運ぶと運搬が楽になって、かなり感動する。

4人で3個のガソリン缶を持てば、2人で1個を持っているのと重さは変わらない。1人1個持つよりもずっと軽い。


上陸して休憩する場合、基本はアンカーを使う

ツーリングの途中で上陸するときは、基本、アンカーを使う。 砂浜などに直に置くと、船体に傷が付いたり、ポンプなどから石やゴミが入りやすく、トラブルの元凶になる。

4ストロークのSX-Rはとても重いので、無理してビーチに引き上げるより、ランナバウトのようにアンカリングして、沖に浮かべるのがベストだ。状況的にアンカリングするのが不可能で、やむなく砂浜に直置きする場合は、できるだけ波の影響を受けない場所に置く。波に揺さぶられるたびに船底がこすれたり傷ついたりしないように気を付ける。波でゴロゴロ転がされる愛艇を見ると心が痛む……。

アンカーを持っていない場合、コンビニ袋などに石を詰めて代用してもいいが、目が届く場所であれば、そのまま浮かべておくという手もある。流されたら、泳いで取りに行けば良いだけのこと。ビーチで波と砂利に痛めつけられるより、ジェットも自分の精神的にもずっと安心だ。

船体を傷つけないために、浮かせておくと安心。


後片付けで人柄が分かる!?

もし、今日、一緒に走った仲間たちとまたジェットに行きたければ、後片付けを頑張ろう。手を抜いてサボっている人も、一生懸命、仲間のために頑張っている人も、意外とみんな良く見ている。 仲間のジェットも、自分のジェットと同じように、わけへだてなく大事に扱って惜しみなく努力している人とは、また一緒に走りたいと思う。

海岸で、ジェットを水から上げるにはコツがある。
1番いいのは、最適な状況判断ができるベテランジェット乗りの指示に従うこと。 砂浜には、いきなり水深が深くなる場所も多い。ランチャーを使ってジェットを上げるとき、陸上まで運ぶのが結構大変だ。
遠浅なら、そのまま真っすぐ引き上げればいいが、角度がきつい場合はなかなか上がらないときがある。そんな場合、「ジグザグ上げ」や「ランチャー2台使い」という方法をぜひとも試してほしい。かなり、負担が軽減する。

知っていると便利な「ジェットを陸上に揚げるときの裏技」

ジグザグ上げ
1 いわゆる「スイッチバック」方式だ。急な角度に対して、垂直ではなく斜めの角度(緩い角度)で行けるところまで上げる。

2 ある程度まで上がったら、方向転換。徐々に陸上に上げていく。

ランチャー2台使い
1 キツイ角度に対して2台のランチャーを2台並べて固定する。その上にジェットを滑らせる。

2 2台目のランチャーに載ったら、そこから通常通り引き上げる。

ジェット&人間の水洗い

ジェットもライディングギアも、自分の体も全部楽しんで洗う。マイジェットがキレイになって嬉しくないジェット乗りはいないだろう。この「洗い」も含めて、ジェット遊びなのだ。

一生懸命洗うのがジェットで、その次がライディングギア。家で干すだけの状態にしておくと、あとが楽だ。
人間を洗うのは、一番最後。真冬のこの時期、下手に温水シャワーを浴びるほうが風邪をひく。だから私は、真水で体も一気に洗う。どうせ家に帰ったら風呂に入るのだから、とりあえず汗と塩さえ流しておけば良い。

冷水を被っても寒く感じないのは、神経が昂ぶってハイになっている今だけ。そのときなら裸で真水でも耐えられるが、気が緩むとどんどん寒くなる。だから、気分が高揚しているうちに、一気に全部洗ってしまおう。気温4度、アー、楽しい。

【関連記事】 水上バイク(ジェットスキー)水洗い・基本編

特に海で乗ったときは念入りにジェットを洗う。

ついでに自分も洗ってしまう。真冬だけど水道水を頭から被って、とりあえず汗と塩を流す。くれぐれも風邪をひかないように。

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