WJS このキットは、今までの素材と何が違うのですか?
佐瀬 多分、こういったデカール用の素材には、どれも同じだと思っている人が多いと思います。特にジェット業界では、安い素材が使われるケースが多い。その証拠に、ほとんどの製品が、昔ながらの「水貼り」です。
WJS 水貼りとはどういう手法ですか?
佐瀬 デカールを貼るときに、貼る面に霧吹きで水を掛けて貼る方法です。安い製品は、水貼りでしか対応できません。でも、このフルグラフィックデカールは、シール台紙からデカールを剥がして、そのままボディに貼り付けるだけ。水は使いません。
WJS 誰でも簡単に貼れるのは、水を使わないからなのですか?
佐瀬 それも特徴のひとつです。それと、デカール自体に適度な厚みがあるので扱いやすい。以前は、薄いほうが塗装のように見えるので良いとされていましたが、薄いと貼るのに高度な技術が必要になります。
WJS よく見るのが、デカールの表面に蚊に刺されたような気泡がポツポツ残っていることですが、せっかくキレイに貼ってあっても、あれは残念な気がしますね。
佐瀬 水貼りでは仕方がないんですよ。いくらていねいに水をかき出しても、シール面に水が残ってその部分が浮いてしまう。それが蒸発して、空気が入り込んでしまうんです。私はそれがたまらなく嫌だったので、素材から見直して気泡ができない対策をしました。
WJS 言われてみれば、フルグラフィックデカールには気泡がありませんね?
佐瀬 よく見てもらうと分かるのですが、シール面に斜めに溝が彫られています。これで空気が抜けるんです。それに、何度でも貼り直しができるので、シワや気泡が入ったりしたら剥がしてやり直せばいい。慣れれば大して時間がかかりませんが、最初はちょっと大変かもしれませんね。
WJS ちなみに、このフルグラフィックデカールキットは、おいくらですか?
佐瀬 サンプルから選んでいただければ、SX-Rなら129,800円、ランナバウトなら162,800円ですね。
WJS これだけ精密なデザインで、誰でも簡単に貼れるなら安いと思います。
佐瀬 超簡単に貼れるというわけにはいかないですが、新素材を使って開発したシールなので、ていねいに貼っていけば誰でもできます。どれくらい手間がかかるのかは、ちょっと言葉で説明しにくいので、実際にランナバウトクラスの全日本チャンピオンの砂盃肇プロに貼ってもらうことにしました。
WJS 砂盃プロは、こういう作業を器用にこなしそうですね。
佐瀬 いやいや、彼は「ジェットに乗せてナンボ」の人で、こういう地道な作業は全くもって苦手なんです。普段から、カラーリングなんて「朝起きたらできあがっている」くらいにしか思っていませんよ(笑)。短気で集中力がなく、飽きっぽい代表格みたいな人ですからね。その砂盃プロが貼れるのなら、ほぼ誰でも貼れると言っていいと思います。
※簡単にジェットスキーのカラーリングを変えられる、「フルグラフィックデカール」について、興味のある方はコチラ
【Shop Information】
サクセス スピード&グラフィックス
〒252-0245 神奈川県相模原市中央区田名塩田2-16-18
☎042-777-8006
URL.http://www.success-speed.com/index.html
関連記事
ジェットスキーのカラーリング 今、流行りの「ラッピング」って何?