猛暑の日本列島　全国各地でジェットスキー関連の事故多発!?　特に北海道は非難が集中‼　ジェットスキー（水上バイク）

8月に入って全国各地で水辺の事故が多発

報道では「水上バイク」での事故が目立ちます

今年は、梅雨明けも遅く、なかなかスカッと晴れなかった7月に比べて、8月になったら、急に気温が上がり、夏らしくなりました。すると、とたんに増えてくるのがジェットスキー（水上バイク）関連のニュースです。

基本的にこの時期の水上バイク関連の話題は、悪いものばかりです。まだ8月中旬ですが、今月に入ってからの水上バイク関連のニュースを集めてみました。

8月9日　水上バイクが急発進、男性投げ出され、右腕を切断する重傷を負う

8月9日午前、京都府宮津市島陰の越浜海岸沖合約10mで、福知山市の男性が、ロープで遊具を繋いでいた水上バイクから投げ出され、右腕を切断する重傷を負った。

宮津海上保安署の調べでは、男性は一緒にいた父から水上バイクの運転を代わり、ロープをたぐり寄せた際に水上バイクが急発進したという。同署は、男性の腕がロープに絡まったとみて原因を調べている。（8月9日付、京都新聞より抜粋）

8月15日　水上バイクのジェット水流でけが　消防放水の80倍の威力、海保が注意呼び掛け

15日午後、尾道市百島南西沖の備後灘で、福山市の40代女性が水上バイクの後部座席から海に転落した。女性はジェット噴流により直腸裂傷のけがを負い、病院に救急搬送された。水上バイクは女性の友人が操縦しており危険な運転はなかったという。女性が乗船中に波などでバランスを崩し、バイクの後部ステップに尻もちをついた後に海に落ちたという。命に別条はないとみられる。（8月15日付け、中國新聞）

8月14日　水上バイク暴走＆水上レジャー目的の無許可で桟橋設置　プライベートビーチ状態” マナー違反相次ぐ

北海道の洞爺湖で桟橋を無許可で設置したり、水上バイクが暴走するなど、マナー違反が相次いでいます。
自然あふれる胆振の洞爺湖。涼を求める客でこの時期賑わいを見せています。

しかし、湖面に浮かぶ桟橋。これは8月11日に確認され、無許可で設置されたもので、水上レジャーでの利用が目的とみられています。
別の日には湖の中島に数人が上陸し、無許可でテントやテーブルを張っている様子も……。

しかし、国立公園の洞爺湖は自然公園法で、工作物を無許可で設置するのは全て禁止されています。洞爺湖で何が起きているのでしょうか。（2020年8月14日付け、北海道ニュースUHB）（北海道ニュースUHB）

8月14日　水上バイクが衝突　男性がケガ（熊本）

14日玉名郡和水町の菊池川で水上バイクがけん引していた浮き輪と別の水上バイクが衝突し、22歳の男性が病院に搬送されました。14日午後、玉名郡和水町竈門の菊池川で、水上バイクがけん引していた3人乗りの浮き輪と川を横切ろうとした別の水上バイクが衝突しました。

この事故で、浮き輪に乗っていた22歳の男性が腹部を強く打ち病院に搬送されました。現場には約20人の男女が川遊びに来ていたということです。警察は水上バイクを運転していた女性に話を聞くなどして、事故の原因を調べています。（8月14日、FNNプライムオンライン）

8月18日　水上バイクが「波消しブロック」に衝突　運転していた60代の男性が死亡

18日午後、北海道余市町栄町の海岸で、近くにいた人から「溺れた人がいる」と警察に通報がありました。警察によりますと、水上バイクに乗っていた60代くらいの男性が波消ブロックに衝突して死亡しました。
（目撃した人は）「波消ブロックにぶつかって、はねあがって。大変なことになったと思いました」。男性は友人と一緒に海岸に訪れていたとみられていて、警察は事故の原因を詳しく調べています。（8月18日、STVニュース北海道）

現在は、「水上バイク＝危険」+無法者が定説になっています

8月に入って、たかが20日間弱。これだけ頻繁にテレビや新聞で事故が報道されると、世間から水上バイクへの批判が高まってくるのも理解できます。その最たる事例が「北海道」です。

現在、北海道の主なゲレンデが、軒並み「水上バイク乗り入れ禁止」の危機に見舞われています。水上バイクといわれなくても、「動力船の航行禁止」というような表現で条例が定められている場所もあります。

今回の報道のなかで気になったのは、映像の中で「ものすごいスピードで3台のジェットが走っています」と、アナウンサーが叫ぶように解説していたことです。しかしその映像では、ノーマルのジェットスキーが、普通に真っ直ぐ走っているようにしか見えませんでした。

確かに、岸の近く300m以内は航行禁止という条例に抵触するのであれば違反です。しかし、直進走行自体は違反でもなんでもありません。真っ直ぐに走っているだけで、危険な走行をしていたわけでもなさそうです。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という諺があるように、こういう状況の中では、水上バイクの存在自体が「悪」になってしまいます。それだけは何としても避けたいものです。

先日、オーストラリアで、妻がサメに襲われたのを助けるため、素手で殴って撃退させたサーファーの夫の記事が大きく報道されていました。インタビューを受ける彼の後ろには、ジェットスキーに乗った2台のレスキュー隊員の毅然とした姿がずっと映っていました。あのジェットスキーを見て、頼もしく感じたり、誇らしく感じたりする人はいても、嫌な感情を抱く人はいないでしょう。

世間の人々が、冷静に「水上バイク」という乗り物を見てくれるためには、乗り手側にも少し注意が必要です。
レジャーの乗り物であると同時に、命を救える頼もしい道具でもあることも分かってほしいものです……。