釣り船と貨物船が衝突して、1人死亡！　もし、ジェットが船と衝突したらどうなる？　ジェットスキー（水上バイク）　コラム

修学旅行中の小学生ら62人が乗った小型船が沈没

今月だけで3件もの大事故　報道された船の沈没事故

ここ最近、船の事故に関するニュースを頻繁に目にします。2020年11月中に起こった船の事故
1.　11月28日　茨城県鹿嶋市の港近くで、釣り船と貨物船が衝突する事故により11人がケガ、1人死亡。事故原因は、現在、調査中。
2.　11月26日　宮城県七ヶ浜町の花渕港沖で、ボッケ漁をしていた漁船が転覆し、男性１人が死亡。事故原因は、現在、調査中。
3.　11月6日　香川県坂出市の与島沖の瀬戸内海で、修学旅行中の小学生ら62人が乗った海上タクシーが沈没。危険な海域を走行し、岩礁に乗り上げ沈没させた。児童2人とバスガイドの女性が病院に運ばれたが、命に別状はなかった。船長を業務上過失往来危険の罪で、現在、調査中。

夏になるとプレジャーボートの事故の報道が多くなりますが、船の事故は1年中起きています。
事故の種類は、衝突（単独、複数）をはじめ、転覆や乗揚（座礁）、運航不能など、多岐にわたります。原因で最も多いのは、「見張り不十分」。次いで多いのが「操縦不適切」です。
では、海で事故を避けるには、どうしたらいいのでしょうか。

衝突事故は 100％「ジェットが悪い!!」と裁かれます

海の上では、ジェットは一番「動きやすい船」。だから、ジェットが避ける必要があります

最初に説明することは、船舶の場合、「海上衝突予防法」という法律によって、海の上での「優先順位」が決まっていることです。

道路の場合、交通法的な優先度は、「緊急車両（パトカーや消防車、救急車など）＞歩行者＞自転車＞バイク＞トラック＝自動車（乗用車）」です。緊急車両を除けば、歩行者が一番優先度が高く、クルマは一番低いということは、自動車免許を持っている人なら誰でも知っていると思います。

では、船舶の場合はどうでしょうか。
船舶は陸上と違って、船の種類ではなく、「船の動きの容易さに注目した種類・区別」で、優先度（航法）が変わってきます。
「運転不自由船、操縦性能制限船＞漁ろうに従事する船舶＞帆船＞動力船」の順です。大きな艦では舵がききにくい弱点があるので、緊急の場合は、小さな船が優先的に避けることが一般的に決まっています。
片方が総トン数何万トンもある大きな船で、もう一方が小さなモーターボートでも、「行き会い船」の行き会いの関係、「横切りの関係」、「追越しの関係」となったときには、それぞれの航法が適用されます。

我々水上バイク（以下、ジェット）は、水上の乗り物のなかで最も機動性が高く、最も「他の船を避ける」ことのできる乗り物です。だから、海の上で他の船舶と航路が被った場合には、「相手が避けるだろう」と思わず、航行不能でない限り、ジェットが針路を変更してください。

もし、定置網や養殖網を傷つけたら、ウン千万円単位の賠償金が請求されることもあります

海難事故は「海難審判所」で裁かれます
器物破損や対人事故などは、別途、民事裁判や刑事裁判が行われます

海で事故を起こした場合、必ず「海難審判」を受けるとは限りませんが、故意や過失が認められ、審判の必要があると認めたものについて、審判が行われます。ここでは、事故についての判決が出されます。

もし、器物破損やケガなどの訴えがあった場合は、別途に、民事裁判や刑事裁判が行われることになります。くれぐれも気を付けてください。