
今回は、ジェットスキー(以下、ジェット)で引っ張る「ウェイクボード」に挑戦!
やってみると、なかなか難しい……。「簡単です!」とは言いにくいが、それだけに 奥深いスポーツでした。
誤解しないでほしいのは、初心者が無理と言っているわけではありません。最初に、キチンと「基本を教わって」から始めたほうが良いということです。
今回、牽引に使ったジェットは「シードゥWAKE PRO 230」。ウェイクボードをするなら、専用の装備がある機種のほうが無駄な出費にはなりませんよ。ウェイクポールもボードラックも標準装備なので、改めて購入する必要はありません。
※ウェイクボードの選び方とボードの紹介は、『グループに1枚あると遊びの幅が各段に広がる! WJS編集部が選ぶ「ウェイクボード」セレクション』で紹介しています。
「シードゥWAKE PRO 230」。※ボードとビンディングとロープは付属していません。2020年モデルの詳細はここから見られます
1 取り外し可能なウェイクボードラック。最初に下ハルの取り付けフックに引っ掛ける。
2 デッキ側の留め具に固定する。ワンタッチで取り付けられる。
3 ボードラックの取り付け完了。カチンと嵌めるだけなので、難しいことは何もない。
4 LinQスキーパイロンを取り付ける。作業をしやすいように、リアシートを外す。
5 スキーパイロンを取り付けるため、船体側のキャップを開ける。手で簡単に外れる。
6 キャップが外れたところ。この穴にパイロンを取り付ける。
7 LinQスキーパイロンを穴に差す。
8 パイロンを支えるためのパーツを取り付ける。
9 固定したら、パイロンを引き上げて伸ばす。
10 外したリアシートを元に戻したら、ジェット側の準備が完了。
ウェイクボードは、思いのほか長くて大きい。 標準装備のボードラックに収納できるのは本当に嬉しい限りだ。走行エリアがすぐ近くなら抱えて乗っても何とか我慢できるが、少し離れた場所に移動するときは、ボードラックがなければものすごく大変だ。購入したばかりのウェイクボードには、フィンもビンディングも付いていません。特にビンディングは、自分の足のスタンスを決める大切な要素です。安全のためにもしっかりと位置を決めましょう。
1 ビンディングを自分のスタンスに合わせてボードに置く。スタンスは、肩幅より少し広め。踏ん張りやすかったり、心地の良い幅は人によって異なるので、ビンディングを固定する前にいろいろ試しておこう。
2 位置が決まったらビンディングを固定する。今回、ビンディングは サンダルタイプの「オープン・トゥタイプ」にした。グループでの使用や、成長期の子供用のブーツとしておススメだ。
3 ビンディングの場所が決定したら、ネジをドライバーで締める。緩すぎると外れてしまう。あとでビンディングを外すことを考えて、締める強さを考えよう。
1 ボードに取り付けるフィン。フィンは、ウェイクボードの直進安定性を確保するために付いているので、初心者はフィンがあるタイプを選んだほうがいい。
2 ボードのセンターにネジ穴が開いている「センターフィン」タイプ。フィン1枚に付き、3本のネジで留める。
3 金属のフィンではない限り、ボードの形状に合うようになっているので、フィンとボードに隙間がある場合は、隙間がなくなるまでネジを締めて大丈夫。ビンディングとフィンの取り付けが終わった。これでボード側の準備は全て完了。
使用するロープの長さは、ライダーの技術、ジェットの曳き波、スピードによって調整する。
これからウェイクボードを始める人や初心者は、55フィート(約17m)〜60フィート(約18m)くらいの長さがいいだろう。もともとロープは結構長いので、余ったロープは絡まらないように、ジェットの上で結んでおく。これで、水の上に出る準備は全て完了だ。1度セットしてしまえば、次から必要のない工程もあるので、もっと楽に準備できるようになる。ウェイクボードは、スノーボードやスケートボード、サーフィンと同じ「横乗り」スポーツです。
左右の足は、どちらかが前、どちらかが後ろになります。利き足は後ろを担当し、舵の役目を果たします。前にくる足は、板が暴れないように押さえつける役目を担います。
ウェイクボードは体重移動をすることで、自分の好きな方向に動いてトリックが行えます。最初は左右に移動するスラロームの練習をするといいでしょう。
ハンドルを腰の位置にしっかり固定し、行きたい方向に向かって体重移動します。かかと側に荷重することで、背中側へ弧を描いて曲がります。逆につま先に体重を掛ければ、胸側へ弧を描いて進みます。
上手くなったら、このように引き波を使ってジャンプもできますよ。

1 準備ができたら、ジェットの操縦者に「準備OK」と伝える。
2 引っ張られ始めると、水の抵抗を感じてくる。でも、そのまま自然に浮き上がってくるまでじっと我慢!
3 この写真では足を開いてしまっているが、本来、体育座りのように座って、両ひざを抱えるように腕の内側に入れたほうが簡単に立てる。
4 板が浮いたと感じるまで、自分で立とうとしない。板に抵抗を感じるが、胸で足を受け止めて待っていると、ちゃんと浮いてくる。
5 体力に自信のある男性ほど自分で何とか立ち上がろうとするが、自然に任せていれば楽に立ち上がれる。
6 立ち上がったら、ハンドルを腰の位置にしっかり固定する。右利きの人は左の腰、 左利きの人は右の腰に固定すると楽な姿勢が取れる。昔から、このブーツを履くのが嫌いだった。履くときにはきつくて足が入らない。ウェイクボードに乗る前にこれで疲れた。そして、脱ぐときはなかなか脱げない。疲れているときに脱げないと拷問だ。
しかし、このブーツ、脱ぐのも履くのも驚くほど簡単。昔の俺の苦労は何だったのか、と思うほど履きやすい。
靴ひもが、足先から甲までと、足首からトップまでの2段階に分かれている。それぞれの部分で固定するので、足全体にフィットする。
ああ、テクノロジーって素晴らしい!
現代のビンディングは超スグレもの。足首と甲の2カ所を別々に締め上げられるので、程よいフィット感が得られる。
ビンディングを履く前に、足を濡らしておくと履きやすい。
ウェイクボードを長くやっている人は、靴ひもタイプのビンディングを愛用していることが多い。このビンディングは紐で調節するので、各部の締め具合を好きに合わせられる。この日私は、久しぶりに気持ち悪くなるくらい、たらふく相模川の水を飲みました。加藤店長と交代するたびに、彼の華麗なライディングを見てムカつきました。心の中で、「なんでやねん」と、何度も叫んでいました。
最初に自分の軸足を確認する。軸足は進行方向に対して、後ろにくる足だ。軸足が前に来てしまうと板の前方に力が加わり、水面に刺さってしまう。
体力に自信がある編集部A君は、どうしても自分の力で立ちたがる。ハンドルにしがみついてしまうので、立てずに撃沈……。
ウェイクボードの醍醐味は、ジェットに牽引されながら、水上を自由自在に滑ること。水しぶきを上げ、風を切る爽快感だ!【関連記事】
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