「レースの楽しさは何ですか?」。「人生がレース」と思えるような、強烈なレースの虜に問いかけた。正直な答えの中に、それぞれの考え方が明確に表れていた。
ジェットスキーには、これほどまでに人生を変える力があります。魅力に満ち溢れた、レーサーたちの「生の考え」をお楽しみください。
WJS 松浦選手にとって、「レースの楽しさ」とは何ですか?
松浦 うーん……。練習して体作ったり、メカニックとのやり取りやったり。ま、トータルやね、楽しさは。
WJS はたから見れば、ストイックに自分を追い込んで頑張る姿は、「苦しい」のではないかと思うのですが?
松浦 練習は、好きなんです。
WJS 日本でトップになるための練習というのは、相当きついように思えます。
松浦 本当に、練習は好きなんです。いつも、練習のあとは「よっしゃ、コレで行けるぞ」って思えてるんです。レース本番では、アカンけど……。
WJS レース歴も長く、JJSBAではスキークラス、X-2クラス、ランナバウトクラスと、各クラスのシリーズチャンピオンを獲得しています。本番でも、強いのではないですか?
松浦 んー、やっぱりそこだけじゃなしに、トータルやね。シーズンが終わって正月終わるまで、ずっと意識しているし。やっぱり、全てトータルで楽しい。
WJS ずっと、レースのことを考えているのですか?
松浦 そりゃ、考えてますよ。やっぱり。
WJS レースがあるから人生が楽しいのですか?
松浦 はい。これがあるから1週間、仕事も頑張れる。土曜日なんか、もう、小学校時代の遠足の気分。練習で、「ジェットに乗れる」。それで、練習が終わったら「よっしゃ、これ、絶対、オレ行けるぞ!」って。本番でアカンけど、これの繰り返しです。
WJS 松浦さんは、レースだけでなく、ジェットスキーも、練習も、全てが好きなのですね?
松浦 はい。トータルで全てが楽しいです。
aquabike GP RUNABOUT クラス参戦中の小北順一郎選手(写真左)とJJSF RUNABOUT SLTDクラス参戦中の田村眞沙充選手(写真右)。
WJS お二人にとって、「レースの楽しさ」とは何ですか?
田村 追い上げ? 追い上げやんなぁ?
小北 追い上げ、追い上げ! 追い上げるときです。
WJS ありがとうございます。
aquabike GP SKIクラス参戦中の佐々木宏樹選手
WJS 佐々木選手にとって、「レースの楽しさ」とは何ですか?
佐々木 勝てたときが1番楽しいです。でも、ここ2年くらいはダメなんで……。
WJS 国内最高峰のクラスで勝つのは厳しいですね。
佐々木 それでも、尊敬していた選手たちと「少しでも競り合えた」という場面があれば、頭の中で何度でも思い出して、「楽しかった」って感じます。
WJS 少年野球の選手がプロになって、憧れの選手と戦う感じですか?
佐々木 はい、そうです。
WJS でも本当は、スーパースターだろうが何だろうが、勝てると思っているのではないのですか?
佐々木 思ってます。
WJS その心意気、好きです。
佐々木 はい、馬鹿です。最後に、ひと言だけいいですか?
WJS 何でしょう?
佐々木 「3年待ってください」。必ず勝ちますから。
WJS 海老原選手にとって、「レースの楽しさ」とは何ですか?
海老原 負けるときもあれば、勝てるときもある。でも、「勝てたときの喜び」が快感なんです。
WJS ありがとうございます。海老原選手は、現在、20歳。今後、我がレース業界を牽引してくれることを願うばかりです。
WJS 平阪選手にとって、「レースの楽しさ」とは何ですか?
平阪 やっぱり、最終的には「表彰台の1番上に立つ」ことやね。
WJS 最終的といいますと?
平阪 今は、やっぱり「ホールショット」やね。
WJS レースの楽しさを「ホールショット」と言い切る平阪選手。ある意味、潔いですね。
平阪 はい。今は「ホールショット」です。
WJS 砂盃選手にとって、「レースの楽しさ」とは何ですか?
砂盃 皆がみんな、「本気の勝負をしている」ことです。その本気の勝負が面白い。
WJS スターティンググリッドに並んだとき、「勝てる」と思うのですか?
砂盃 いや、勝つためにいろいろなことを考えています。だから、緊張もするし、ドキドキもする。それも、本気の勝負だからです。一生懸命にやれば、何でも楽しい。ナアナアのレースなんてつまらない。
WJS レースをしていて、命の危険を感じることはありますか?
砂盃 今は、もうありませんね。でも、初めての海外戦のときは、「怖い」と感じたこともありました。
WJS 砂盃選手のレベルまで上がれば、命の危険を感じなくなるのですか?
砂盃 いやいや。でも、みんな熱くならないようにしないとね。無茶は危険ですから。
WJS スターティンググリッドに並んでいるときが、1番楽しいのですか?
砂盃 中盤の駆け引きも、終盤の追い込みも、レースは全部楽しいです。
WJS レースをしていないときでも、レースのことを考えているのですか?
砂盃 そうですね。毎日、レースのことは考えています。
WJS 当然、練習ではレースを想定した走りをしていると思います。具体的に、何をしているのですか?
砂盃 例えば、レースの翌日、下半身が筋肉痛になったりしたら、それ以降のトレーニングで、その部分を徹底的に強化します。そして、次のレースに備えるという感じです。
WJS だから、絶えず進化しているのですね。
砂盃 はい、365日、毎日、レースのことを考えています。レースで生きて来ましたから。
WJS 人生がレースですね。
砂盃 人生、レースです。