全国各地、いろいろなジェットショップを見てきたが、ジェットユーザーから長く愛されているお店には、愛され続ける理由がある。
ショップは「人」だ。いくらキチンとしているお店でも、最初から最後まで「売り売りの店」なんて行きたくない。オーナーの考え方が、そのジェットショップの雰囲気、全てに影響している。
今回は、日本三景のひとつ、「松島」のすぐそばにマリーナを構える宮城県宮城郡のジェットショップ／マリーナ「マリンメカニック」の紹介です。
マリンメカニック代表の今﨑真幸さんは、ジェットスキーのレースで、世界最速のレース艇を製作するマシンコンストラクター。世界中のレーサーから、レース艇の製作を依頼されています。
しかし、マリーナ／ジェットショップであるマリンメカニックは、客層はレジャーユーザーが多く、釣りやツーリング、芋煮会などのショップイベントも頻繁に行っています。優しい女性スタッフさんが、アットホームな雰囲気で迎えてくれます。
明るい店内には、ウェットスーツやパーツ類など、必要なものが揃っている。
上下架施設。ゲレンデとショップが直結しているので、すぐに水に出られる。日本三景の松島もすぐ近く。予約制でビジターの受け入れもしてくれる。WJS マリンメカニックのオープンはいつですか？
今﨑 マリンメカニックは1996年からで、マリーナをオープンしたのが平成14年（2002年）。25年くらいやってます。
WJS 取り扱っているジェットスキーはヤマハ、カワサキ、BRPの3社全てですか？
今﨑 はい。全メーカー、正規販売店です。3メーカーを扱うことで、お客さんの選択肢を増やしてあげたい。それに何かあっても、全部、僕のところで修理をしてあげられるでしょ。
WJS ジェットスキーと船がたくさん並んでいますが、プレジャーボートや船外機の取り扱いもしているのですか？
今﨑 そうですね。船もジェットスキーも直せますから。
WJS マリンメカニックはショップであり、ゲレンデ直結のマリーナでもあります。海に出るのもすぐで、日本三景の「松島」まですぐ。ロケーションは抜群です。
今﨑 はい。ウチはロケーションに恵まれています。艇庫もあるし、ここから海も近い。魚釣りもできます。ツーリングも楽しいです。ヤマハのレンタルシステム「シースタイル」もやっていますので、ジェットスキーを持っていなくても、気軽にボート遊びが体験できます。
WJS ショップイベントも、いろいろと開催されていますよね？
今﨑 はい。去年の10月には釣り大会もやりました。直近のイベントとしては、今年の4月25日、26日の2日間、ヤマハ、カワサキ、シードゥ3メーカーと、プレジャーボートの2020年モデル3メーカー合同試乗会を予定しています。事前に予約は必要ないので、気軽に乗りに来てほしいです。
広く整然としたファクトリー内。この日、レース艇の製作中。この場所から、世界最速マシンが生まれる。WJS 前回、マリンメカニックのインタビューさせていただいいたのが、2012年の東日本大震災の後です。そのとき、行きつけのショップがなくなって困っている人がいたら、どこで買ったジェットでも修理をしたい。ジェットユーザーを1人でも減らしたくないと仰っていました。今でも、他店で購入したジェットスキーの修理をしていただけるのでしょうか？
今﨑 もちろんです。今はジェットショップを通さず、インターネットの個人売買で直接買う人も多い。壊れてどうしようもないというジェットなんかも、バンバン修理に入ってきます。
WJS いまだに、インターネットの個人売買でハズレを掴まされる人が多いのは、この業界にとって切ない問題ですね。
今﨑 エンジンがかからないなら誰でも分かるけれど、少しぐらいの不具合は、見た目だけでは分からないケースも多い。売り主自身も、壊れていないと思って故障艇を売ってしまうこともあります。だからこそのノークレームノーリターンなんです。だからこれからジェットスキーを始めるなら、最初に信頼できるジェットスキーの販売店で相談したほうがいいですよ。
右上は、ランナバウトのレースシート。カバーを貼る前の姿はなかなか見られない。WJS 今﨑さんは、ジェットスキーのレースの世界では、世界最高峰のコンストラクターの1人です。そんな人のところに、ネットオークションで買ったジェットスキーの修理を頼むのは気が引ける感じがするのですが……？
今﨑 そんなことはないです。どんなジェットでも、全部直します。修理は得意なんで。
WJS 造船の資格も取られていて、船体も含めて、レース艇をゼロから作り上げているわけですから、直せないものはないですよね。でも、なかには「新しく買ったほうが良い」というジェットスキーもあるのではないですか？
今﨑 でも、自分のジェットの調子が悪いって、わざわざ持って来てくれるわけじゃないですか。それを、中途半端に「新艇や中古艇を買え」なんて言えません。「直してください」という依頼であれば、誠心誠意、故障の原因を確認して、見積もりを作ります。ハルの修理から何から何まで、直そうと思えば、何でも直せますからね。ただ、修理するのにあまりにお金がかかり過ぎるようなときは、お客さんにキチンと説明します。
WJS それを聞いて安心しました。どうしても「今崎さん」といえば「世界最速マシン」を造る人というイメージがありますから。
今﨑 最高峰クラスで戦えるレース艇の製作だけでなく、漁師さんの使う漁船の修理もやってきました。漁師さんは、船がなければ仕事に出られないわけですから、早く正確に直さないといけない。納期は重要だし、ハードワークです。そういう経験を、「初めて水の上で遊びたい」と考えられている人にも生かしていきたいですね。
艇庫業務も行っている。敷地内には、預かったジェットスキーや船がキチンと並べられている。WJS マリンメカニックは、艇庫があって、上下架もできます。キレイな海がすぐそばで、スタッフも優しくて、居心地のいいマリーナです。ジェットスキーを始めるには最高の環境だと思います。
今﨑 ありがとうございます。そう思ってもらえるようにやっています。ジェットスキーだけでなく、マリンスポーツに興味がある方は気軽に遊びに来て、何でも聞いてください。楽しいマリンライフのお手伝いしたいと思っています。
マリンメカニックスタッフの皆さん。看板犬もお待ちしています。
マリンメカニック本店
宮城県宮城郡七ヶ浜町遠山5-4-23
TEL.022-363-9535
営業時間／8：00～18：00
定休日／火曜日、第1・3水曜日、夏季、年末年始
業務内容／船舶および水上バイクの販売修理、改造・競技用チューニング、特殊艤装、マリン用品販売など
http://www.m-mecha.jp/
関連記事
なぜレース艇は大きい方がいいのか？ コンストラクター 今崎真幸氏に聞いた
未知との遭遇 初めての体験 レーシングマシンと純正ノーマル 乗り比べ
未知との遭遇 Ver.2
壊れてから修理に出すと高い。壊れる前にメンテナンスをしておこう
