ジェットスキー(以下、ジェット)による事故件数は、平成21年から平成30年までの9年間で454件でした。そして、不幸も亡くなられた人数が59人です。年平均6.5人もの方が亡くなられているのです。しかし、皆で事故が起こりうる状況を理解すれば、必ず減らすことができるはずです。
バナナ型ボートやトーイングチューブで遊んでいるとき、ロープの長さを理解していなかったことで、水上の障害物や、他の船、対岸の岸壁などにトーイングチューブを激突させてしまう事故が多発しています。ちなみに、去年1年間で21件もの事故が確認されています。
無謀な運転で同乗者を水に落とし、「水しぶきをかけようと」近づいて接触事故を起こすケースがあります。悪気がなくても、400kgを超えるランナバウトがぶつかってきたら、人は簡単に亡くなります。クルマに「ひかれる」「はねられる」ケースと同じ状況になるのです。
そして、人ではなく、仲間のジェットに「水しぶきをかけようと」近づいて接触事故を起こすケースも増えています。どちらにしても大惨事です。
ジェット噴流はとても強く、体の内部に入ると思わぬ大ケガをします。強制的に、大量の水の塊が、一気にお腹の中に入った状態になるからです。
2人乗りで後部にいた女性が落水し、ジェット噴流を受けて直腸や膣から水が入り、内臓を傷つける死傷事故も起きています。この事故は、過去10年間、毎年起きており、決してレアなケースではありません。水着だけではなく、ウェットスーツを着用していれば防げるといわれています。
上の3つが、近年のジェットに関する主な事故原因です。
しかしこれは、ほとんど防げる事故ばかりです。ほとんどのケースが、「大事な人を楽しませたい」という善意から起きているのです。
「こうしたら、ああなる」という状況判断や知識があれば、絶対に起こりえない事故ばかりです。
加害者の「無知」や「無謀」だけではすまされません。こんな事故が起きているという現実を把握し、注意をしていけば、なくせる事故ばかりです。
2度とこのような事故が起きないように、あらゆる機会に注意喚起を促していきたいです。
大学生が乗る水上バイクが岸に乗り上げ、家族連れの男性と衝突。男性は死亡。
2016年7月17日、茨城県つくば市で、男子大学生が乗った水上バイクが川岸に乗り上げ、家族で川に来ていた会社員の男性と衝突しました。男性は頭の骨などを折り、約8時間後に搬送先の病院で死亡しました。
警察によると、大学生らは15人ほどのグループで、水上バイクに乗るために川に来ていました。 操縦していた大学生は、「当時のことは覚えていない」などと話しているということです。業務上過失致死の疑いもあるとみて、事故の経緯を調べています。(2016年7月18日、テレビ朝日より)
2016年7月17日の午後3時前、常滑市沿岸の海で「水上バイクが横転し、漂流している」と第4管区海上保安本部に通報がありました。海上保安本部の中部空港海上保安航空基地によりますと、中部空港と対岸を結ぶ自動車専用道路「セントレアライン」の鉄橋のほぼ真下で水上バイクが浮かんでいて、近くで操縦していた男性が見つかり病院に運ばれましたが意識不明の重体ということです。
また、救助に向かった別の男性も病院に運ばれ手当てを受けていますが、命に別状はないということです。(2016年7月17日、NHKより)
2016年8月11日午後2時前、大津市の近江舞子中浜水泳場の沖合100mほどの湖上で、京都市に住む18歳の男子学生が友人と泳いでいたところ、男女2人が乗った水上バイクが近づいてきて接触。そのまま逃走しました。男子学生は、右側頭部の皮膚が数㎝裂けたということです。
事故が起きた場所は、水上バイクの進入が禁止されているということですが、水上バイクに乗った男女は、当時、遊泳客に向けて水しぶきをかける行為を繰り返していたということで、警察は業務上過失傷害などの疑いもあるとみて、行方を追っています。(2016年8月11日、毎日放送より)
2016年6月12日午後2時45分ごろ、羽島市下中町城屋敷の木曽川で、前方不注意のまま水上バイクを加速させ、ゴムボートに衝突。男児2人が死亡。事故で愛息2人を失い、自身も股関節を骨折した被害者は、「水上バイクに引っ張られたゴムボートに一家4人で乗っていると、右前方から容疑者のバイクが突っ込んできた」と証言した。岐阜羽島署は13日、業務上過失致死傷の疑いで、水上バイクを運転していたブラジル国籍の自称派遣社員を逮捕した。
岐阜県警によると、容疑を認め「水上バイクの運転免許を持っていない」と供述している。「これまで2、3回しか運転したことがなかった。思ったよりもスピードが出て、パニックになった」と話しており、同署が運転した経緯を調べている。(2016年6月13日、産経WESTより)
2016年5月22日午後2時半ごろ、東京都葛飾区の中川で「2人乗りの水上バイクが転覆している」と通報があった。水上バイクには40代の男性と30代の女性が乗っていて、2人とも病院に搬送されたが男性は意識不明の重体。
警視庁によると、2人は複数の水上バイクと遊んでいた最中に、何らかの原因で護岸に激突し、横転したものとみられている。(2016年5月22日)
2015年10月6日午前10時15分ごろ、福岡市中央区の競艇場「ボートレース福岡」のコース(1周約600m)内に水上バイクが侵入。2周したあと、コース脇に待機していた選手らを手招きし「レースやろうぜ」と挑発するなどして、業務を妨害した疑いがある。容疑者は、さらに1周して出て行ったという。
運営する福岡市によると、第1レースの開始時間は午前10時50分ごろでレースに支障はなかった。水面のゴミを回収する艇などの出入りのため、競艇場は博多港に行き来できる構造になっている。事件後、侵入を防ぐ器具を設置したという。
「侵入の時間によってはレースに影響が出ていた。2度としないでいただきたい」と話している。(2015年10月7日)
2015年8月23日午後5時40分ごろ、大津市北小松の琵琶湖沖で男女3人が乗った水上バイクが横転し、乗員全員が投げ出された。このうち大阪市都島区の女性は約1時間20分後に、残りの男女2人も約5時間50分後に、それぞれ自力で岸までたどり着いた。いずれもケガなどはなかった。
滋賀県警大津北署によると、横転した水上バイクは男性が操縦。後部に女性2人が乗り、サンタワーマリーナを出発して、約5km南の水泳場に向かっていたとみられる。
事故当時、大津市北部には強風注意報が発令されていた。岸に着いた女性は、「風が強く、水上バイクが高波でバランスを崩し横転した」と話したという。(2015年8月24日、産経ニュースより)
水上バイクから転落した際に、ジェット水流を受けて死傷する事故が、2011年からの5年間で11件発生していたことが、海上保安庁の調査で分かった。
いずれもジェット水流が水着を突き破って内臓などを損傷させており、本格的なマリンレジャーの時期を迎えるなか、同庁はウェットスーツの着用徹底などを呼びかけている。
同庁によると、被害は7月と8月に集中し、いずれのケースも水上バイクの後部座席に乗っていた同乗者が、加速や急発進のために海中に転落した直後に、ジェット水流が下半身を直撃したものだった。
2011年7月には、関西地方の海岸で3人乗りの水上バイクから同乗者の20歳代の女性が転落。下半身に大ケガを負い、失血死した。
2014年8月には、沖縄県で水上バイクの最後尾に乗っていた20歳代の女性が旋回中にバイクから落下。直腸損傷などの大ケガを負った。(7月20日付、読売新聞より)
水上バイクに同乗していた女性を落水させ、バイク後部のノズルから噴き出る高速水流で死亡させたとして、業務上過失致死容疑で送検された男性を神戸地検が不起訴とした処分について、神戸第2検察審査会は28日までに「不起訴不当」と議決した。
議決書などによると、男性は2011年7月31日、明石市の松江海水浴場沖で、友人と被害女性を水上バイクに乗せて急加速させたところ、女性が落水。ノズルから出た高速水流が女性の股間を直撃して内蔵を損傷、死亡した。
男性は調べで「水上バイクの講習を受けておらず、高速水流の危険性を認識できなかった」と主張したが、同審査会は議決書で「高速水流によるケガの事例を知人から聞いていた」などと指摘。地検に再捜査を求めた。議決は3月9日付。(2016年3月28日、神戸新聞NEXTより)
皆で水辺で過ごす楽しい1日のはずが、「知らなかった」ために取り返しのつかない悲劇となることがあります。繰り返しになりますが、「何をしたら、どうなるか」を常に考えて行動してください。ジェットは、時速100km以上出る乗り物です。くれぐれも、調子に乗った運転をしないように、安全で楽しいジェットライフを送りましょう。
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