新緑の春である。長い寒い冬が終わり、ようやく春が来た。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止による外出自粛要請のため、ジェットスキーに行かない人も多いと思う。しかし、いつまでもこの状況が続くわけがない。
「ジェットシーズンの到来」。毎年、夏が来るのを手ぐすね引いて待っていた人も多いはず。楽しみは「女の子と行くジェットスキー」と言う人もいるだろう。
1人で乗るなら、「一年中ジェットシーズン」と断言できるが、女の子と遊ぶとなると、寒くては話にならない。
つい先日、知り合いのジェットショップの店長が、「ジェット乗りの多くが『女の子を後ろに乗せる』ということを分かっていない」と嘆いていた。何の話かと聞いてみると、「無駄にスピードを出し過ぎ」だと言う。
よく、アクセル全開のフルスピードで、女の子を後ろに乗せてキャーキャー言わせているのを見るが、あと50km/h遅くても、同じようにキャーキャー言わせられるという。
どういうことかといえば、まず最初に、言葉と走りの両方で「私は、アナタを安全に楽しませたいと考えている」ことを伝え、「大丈夫?」「怖くない?」「平気?」というやりとりから始めるべきだという。
そして、本当に喜ばせたいなら、女の子が「怖い」と感じるかどうかのギリギリのスピードで走って、キャーキャー言わせるのが「要諦」だそうだ。彼女がスピードに慣れたタイミングを見計らって、自分の軌跡の小さな「引き波」をわざと超えて、小さなジャンプをしてもう1度キャーと言わせる。
要するに、速度域も衝撃も少なめ、できるだけ省エネで、動作のひとつひとつから、「アナタが大事」と話しかけるように、スリルを味わわせるのが肝要なのだという。快感と恐怖感の絶妙なバランスの上に、満足感があるそうなのだ。
店長曰く、「モテない君ほど、自分勝手で、乱暴者と思わしている」
「楽しかった」と「怖かった」では、彼女が受けた感想は180度違う。そして、「機嫌の悪い彼女」を乗せて帰って来るお客さんは、100%、みんな元気がないという。出かけるときは、ものすごく仲が良い2人だったのに……。 彼女を喜ばせるために乗せたのに、「もう2度と、あなたの後ろには乗らない」と言われてしまったら悲しすぎる。
店長曰く「暖かくなると、毎年、そんな、哀れな光景を目にする」という。 同じジェット乗りの仲間として、身につまされる話だ。
皆さん、彼女たちのカワイイ「キャー、キャー」という、叫び声に含まれている「意味」、「シグナルの中身」には、くれぐれも細心の注意を払っておいて下さい。夏に玉砕する男たちは、「楽しかった」と「怖かった」の見分けが付かなかったことが理由なのです。
つい先日、市販艇最速チューンという猛者のジェットスキーを撮影した。40歳のオーナー氏は「毎年、コレ(最速艇)でナンパして、女の子を後ろに乗せて、フルスロットルで走ってます」と、笑顔で教えてくれた。ちなみに、そのマシンの最高速は約140km/hだ。
私は言った。「これからは、それは止めたほうがいいですよ」と。
なぜって? そんなスピードが出る乗り物で、人の後ろに乗るのは、男の私でも嫌だ。自分も、マジで「キャー!!」って言ってしまうだろう。野太いオッサンの声で、マジな悲鳴なんて…、そんなの、叫ぶのも、聞かされるのも、両方とも絶対にイヤなのだ。
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