昨年の夏、テレビのニュース映像で「危険走行」といわれ、4台の水上バイク(以下、ジェット)が世間の顰蹙をかった出来事があった。
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そこには「視聴者投稿映像」というテロップが入っていたので、わざわざ録画して、テレビ局に提供した人がいたのだ。映像には、水をかけられた子供たちが黄色い声を上げ、はしゃぐ様子が映っていた。
そして、その4カ月後の12月3日に、このニュースの「その後」が報道された。
8月の報道は「こんなにひどいヤツらがいた!」だったが、12月では「書類送検された」という内容だった。その両方のニュースで、「視聴者投稿」の映像が、再度、流されたのだ。
つい先日、このニュース映像に映っていたジェット乗りの人から連絡があり、報道の真実を聞いた。悲しくて、理不尽で、驚くべき内容だった。
繰り返し放映されるニュース映像を見て、彼ら4人のジェット乗りは、自ら海上保安庁に出向き、真実を説明に行ったそうだ。
ニュースで放映されたビーチは、普段なら近づかない場所だった。このときは、コロナ禍で海水浴場が開設されていなかった。
映像では、4台のジェットがビーチに近づき、海水浴客に水をかけているように見えた。確かに彼らは、海水浴を楽しんでいる人の近くを通ったが、危険なことは、一切、していなかったそうだ。
彼らにジェット噴流を吹きかけられ、はしゃいで歓声をあげている子供たちの映像は、そう見えるように映っている部分だけが放映され、事実は違っていたという。
実は、海上保安庁に届けられていた「視聴者投稿」の映像は、もう少し長時間撮られていた。最初は「危険走行にあたる」という嫌疑がかけられ、罰則金と違反による点数減点の話がでていたが、その映像を見ながら、キチンと説明したら、その嫌疑はすぐに晴れたという。
書類送検されていた嫌疑は、「県の迷惑行為防止条例」に違反しているというものだった。しかしこちらも、キチンと説明して、「無罪」であることを分かってもらえたという。
顔にモザイクを掛けられていたとはいえ、「書類送検された無法者」として、何度もテレビで放映された。しかし彼らは、「悪い行為はしていない」という確信があるので、自ら海上保安庁に出向いて、無実を証明したのである。
これまでにもジェットに関するニュースは「犯罪者」として扱われ、何度も放映されている。しかし、「無実だった」という報道は、1度もされたことがない。憤懣やるせない思いで、当事者の方から編集部に連絡が来たのだった。
人の不幸を面白おかしく扱いたいのではない。善人でも、「ジェットに乗っているだけで悪者として扱われやすい」という事実を、多くのジェットユーザーに知ってもらい、嫌な思いをすることのないようにして欲しいというのが我々編集部の願いである。
悪人でなくても悪人のような報道をされ、ジェットユーザー全員が無法者のイメージになる。
今回報道された4人も、海上保安庁に4回も出向いて、長時間の説明をした末に無実だと認められた。
彼らに嫌疑がかけられた最大の原因が「視聴者投稿映像」による映像だ。あんなふうに撮影されたら、ジェットが悪者に見えてしまうのは当然だ。
えん罪で思い出したが、以前、福島県の猪苗代湖で、「水上バイク、猛スピードで走行。白鳥をひき殺しかける」という記事が写真付きで出たことがあった。実際にジェットが走った軌跡と、白鳥が浮いていた距離を考えたら何の危険もなかった。しかし、写真の撮り方ひとつで、すぐ横を走っているように見えたのだ。
ジェットという乗り物の性質上、何も危険なことをしていないのに、世間からは疑われてしまう。
「君子危うきに近寄らず」。疑われる場所に近づくのはやめましょうね。嫌な思いをするのは、自分なのです。
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