それを知るには、ジェットスキーが走る仕組みを理解する必要があります。それが分からなければ、「上手い」も「下手」もありません。「こういう仕組みで、ジェットスキーが進む」という、原理原則を知らなければ、何にも始まりません。逆に言えば、仕組みが分かれば、効率よいライディングをすることが可能になるということです。
ジェットスキーは、スコープゲートから取り入れた水を、ポンプから後方に噴射することで前に進みます。極端な言い方をすれば、ポンプは水道に繋がれたホースの先をつまんだ状態のようなものです。ホースの先をつまむと、勢いよく水が出る状態を思い出してください。
ジェットスキーが走る仕組みは、スコープゲートから取り入れた水を、勢いよく後方に噴射することで前に進みます。だから、スコープゲートから常に水を取り入れ続けられるライダーが、一番、ジェットスキーを速く走らせられるということです。
例えば、波でジャンプすると、船底が水面から離れます。そうすると、スコープゲートから水を取り入れ続けられません。水がなければ、ジェット噴射が出ないので減速します。
ここからが、ジェットスキーを上手く走らせるコツです。ここでの要諦は、「スコープゲートから水を取り入れられなければ、前に進まないこと」を理解することです。これを知るだけでも、ライディングは確実に変わります。
時速50kmで走行中に、波でジャンプしたとします。空中でアクセルを開けても、インペラー(プロペラ)が空回りするだけで、当然、ジェットスキーは前に進みません。逆に、飛び上がるのが嫌で、常に水面から離れないように走ろうとすれば、超徐行のようなスピードで走ることになります。それでは、速く走るわけはありません。
再度言いますが、飛んでもいいのです。でも、「常に、スコープゲートから水を取り入れられなければ、前に進まない」ということを、頭に叩き込んで乗ることが大事です。
では、どうしたらジェットスキーを速く走らせることができるのでしょうか? スコープゲートから、常に水を吸い込み続けることですか? でも、そんなことは不可能です。ここでは、「スコープゲートから水を吸い込んで、ポンプからの噴流で前に進む」という大原則を理解したうえでの応用編になります。
全く波のない水面で真っ直ぐに走り続けるだけなら、常に水を吸い込み続けることも可能かもしれませんが、真っ直ぐ走るだけでは「上手」とは言われません。波があったら、当然、空中に飛び上がってしまいますし、キツいコーナリング時に、船体を傾けすぎるとスコープゲートが空中に出てしまいます。やっかいなことに、ポンプノズルも空中に出てしまうと、噴流は空に飛び上がってしまい、推進力にはなりません。これでは、速く走ることはできません。だからといって、スコープゲートが空中に出るのを極端に嫌がると、速いスピードで乗ることはできなくなります。
結論は、少し難しくなりますが、あらゆる状況でジェットスキーの挙動をあらかじめ予想し、その状況に応じて、ベストな走行姿勢が作れるライダーが上手なライダーなのです。全て、基本があっての応用なのです。
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