今、新型コロナウイルスの感染拡大により、日本中に不安感と閉塞感が広がっている。
「人ごみを避けて、できるだけ公共交通機関を利用しないようにしましょう」と言われている。
もちろんそれは正しいし、そうしましょう。
でもそれは同時に、世の中から「家にいろ! 部屋から出るな!」と言われ続けているような気がして、正直、気が滅入る。
こんなときに言うのもなんだし、批判も受けるだろうがあえて言いたい。「ジェット乗りの皆さん、ジェットスキーに乗りましょう」。
ジェットスキーに乗るのは屋外で、1人で乗るのなら、濃厚接触となる距離に人はいない。クルマで移動すれば、感染リスクは減るはずだ。
もちろん、あくまでも自己責任の話だが、ずっと部屋に閉じこもっりぱなしで精神的にキツイときは、大海原をぶっ飛ばしましょう。
それは我々ジェット乗りの特権なのだ。
こんなときにジェットスキーに乗っても、何も変わらないと考える人も多いだろう。でも、思いっ切り体を動かすことで、ストレスや憂鬱な気分を吹き払ってくれる。スポーツは、心の健康を保つ最良の方法だと思っている。
それに、体全体を使ってライディングに集中しなければ、大海原はぶっ飛ばせない。
それは、私自身が身をもって体験したことだ。
私には、痛い経験がある。
すごく悩んでいて、普通なら、絶対、ジェットスキーに乗るどころではないというような日に、ジェットスキーに乗って大怪我をしたことがある。
どうして、そんな気分のときに乗ったのかというと、私は編集者で、ジェットスキーに乗るのが仕事だったから。
どれだけ悩みが深くても、仕事をしないわけにはいかない。
しかし心の中は、暗澹たる思い。「こんなときに、ジェットスキーに乗っている場合ではない」という気持ちでいっぱいで、とてもライディングに集中するどころではなかった。
それで、何が起きたかというと、見事にライディング中に吹っ飛んでしまったのだ。
フルスロットルで吹っ飛ばされている最中、空中でハタと我に返った。人間、追い詰められたると、否応なしに集中する。死にたくない一心で、受け身の姿勢を取ろうと悪あがきした。そのせいなのか、この状況下で放り出されたわりには、骨折もせず、比較的、軽い怪我ですんだ。
それからは、どれだけ憂鬱な日でも、ジェットスキーに乗るときには全てを忘れ、ライディングだけに集中している。
脳と体が、自然に「そうしろ」と言っている気がする。
私の例は極端だとしても、痛い思いをしたおかげで、不謹慎なぐらい集中できるようになった。
世の中、こんなご時世で言うのもなんですが、「ジェットスキーに乗ると、気分が良い」のは間違いない。
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