カテゴリ
タグ
  1. TOP
  2. 社会・経済
  3. 「日本経済の凋落・失われた30年」なのに、ここ10数年で急成長しているが明石市、その理由は何か? 泉房穂市長のチャレンジ・「政治とは予算のやりくり・悪質な水上バイク撲滅」

「日本経済の凋落・失われた30年」なのに、ここ10数年で急成長しているが明石市、その理由は何か? 泉房穂市長のチャレンジ・「政治とは予算のやりくり・悪質な水上バイク撲滅」

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本がどんどん「貧しい国」になって行く中で、「豊かになった、明石市」

明石市民を悪質水上バイクから守るために、わずか1年で条例改正を行い「水上バイクの危険走行に対する懲役刑を含む条例」を施行した明石市の泉房穂市長。

ここ30年間の長きに渡って日本経済は低迷している。

日本のサラリーマンの平均年収は1997年の467万円が最高額、その後は現在までこの金額を上回っていない。2020年は433万円だ。サラリーマンの給料は1990年代よりも低い水準のままで、この30年以上にわたって増えていないのだ。

国民の所得が上がらないのに、物価は上がる。日本がどんどん「貧しい国」になってしまうのも当然ではないか。

そんな中で明石市は、9年連続で人口増加、「本当に住みやすい街大賞 2022 in関西」では第1位を獲得。ここ10数年で経済発展をしている。

明石市民の所得が増えたわけではないのに、様々な政治行政の手法によって“経済をまわしている”のだ。

今回、泉市長へのインタビュー3回目として、「なぜ明石市がここ10数年で急成長」してきたのか、他の市町村でも何ができるのかを語っていただいた。




注目される明石市長の行政手腕・その考え方

―― 明石市は、今関西でも“住みたい街ランキング”のトップとなり、行政の“取り組み”が全国的にも注目されています。

泉 直近のアンケート調査だと91.2%の明石市民が「住みやすい」と答えた。でも僕は、「91.2」じゃなくて、「8.8」なんですよ。「なんで100ちゃうねん」と。

市長の責任としては、「91.2」がいいとは思わない。周りの職員は、「9割超えてすごい。ぶっちぎりに上昇しました」っていうんですけど、8.8%がまだ不満やねんから責任感じるわって。

ここまでやってんのにまだアカンのかと思って、その「8.8」の人に対する政治が必要なんです。

政治というのはハッピーではなかったり、課題を抱えている人に“対して”するものだから、そこの発想は大きいと思いますよ。




政治は誰を見てヤルの? 市民、有力者…?

――岸田政権が国民の反対意見が多いなかで、安倍元首相の国葬を行いました。あれほどまでに多くの人々が反発した理由は何でしょうか?

泉 「“どっち”を見て政治をしているか」っていうのが大きくて、物事は何をしたところで100%の人が賛成・反対っていうことはなくて意見は割れるんですよ。

そのときに“どの立場”から“見ているのか”が大きい。自分の近くの「The 有力政治家」とか、そっち側を“見て”判断していて、国民の素朴な感覚に寄り添うような判断をしていないことを国民は見抜いている。「“誰のため”に“何のため”にするんですか?」って。

国民の税金を使うことを、自分の近くの有力政治家に協力を得るために使っているように見えるから、しんどいと思います。仮に使うにしても目線が違ったら反応も若干違ったかもしれませんね。

泉 私は、市長ではありますけど「一市民である」。荒っぽい言い方をしますと、常に自分は「弱い者と一緒」といいますか、自分自身がある意味少数者。

一種、弱者という意識があって、弱者の立場のものが、たまたまひとつの町のトップとして判断できる立場にいるだけで、目線としては何も変わっていない。

上から目線とか行政目線ではなく、声を上げたくても上げられない、声を上げても届かない立場の者が市長をやっているイメージかな。




2種類の「経済のまわし方」

―― 明石市が行っている「子どもの支援の話」も、聞いたときは夢みたいな話でした。学費がタダでいいの? 医療費がタダでいいの? そんなのできるの? って。でも、泉市長は最初から「絶対に大丈夫」と分かってやっていたのですよね?

泉 私18歳のときの大学で経済やってたので、実は経済に詳しいんです。それで、途中で転部して教育哲学だから、子ども目線なんですよね。加えて国会議員やってますやん。ついでに弁護士もやっている。

「経済のまわし方」って“2種類”あって、「売る側、物を“造る側”に金を出してまわす方法」。分かりやすく言うと、大企業への法人税減税。“物を売る方”を助ける。商店街のアーケード。こっちも一つの方法ではあるんです。間違っていない。経済のまわし方として、しかし日本は“そればっかり”やっているんですよ。

経済をまわすには、この“2つ”どっちかです。

日本があまりにも“こっち”(国民の負担軽減)をやっていない。売る側に金を出して“経済をまわす方法”を否定しません。でも、“こっち”だけじゃなくて、国民の負担軽減もいるでしょう。それを明石でやれば、そこのお金は必ず“生きたお金”になる。“まわる金”になると思った。

でももう1つあって、「物を“買う側”、国民、市民の側を助ける」。つまり負担軽減です。お金を使いやすくするんです。

「かかるで“あろう“費用」、特に子どもを無償化した場合、その減った分の“お金が“他で使われるから、「生きた金」になる。

負担が重い“市民、国民、特に子育て層”への負担を軽減すると、経済がまわるんですよ。




有力者の方を向き、市民を“見ない”のはなぜ?

泉 それを日本では極端にやっていない。理由は簡単です。票にならないからです。

選挙の時に“商店街”が応援してくれる、“医師会”が応援してくれる、“大企業”はパーティー券買ってくれるとか、選挙で応援してくれる“業界団体”の方を向いた政治行政をやっているから、そっちの“経済のまわしかた”ばっかりやっている。

そっちじゃなくて、国民の方を見た政治行政をすればいい。そうすれば“経済がまわる”と思っていました。




市民の方を見るとは、子ども予算を2倍にするのと公共事業費を見直す

泉 40年前からずっと言っていますけど、日本は“他の国”の”半分しか“子ども予算”を使っていない。異常です。

ほかの“どこの国”だって“日本の倍の予算”を使えているのに、日本だけが半分しか使えないわけがない。

昔は低かったけど、今は“消費税率”もあがり、介護保険も倍になり、日本の国民負担率が46%って“5割近い”んですよ。

世界から見ても、日本の国民って負担しているんです。ほかの国並みに負担していて、他の国の半分しか“子どもにお金を使えない”わけがないと思った。

私は明石市長になる前から、ほかの国と同じような「普通の予算配分」をしようと思っていました。普通の予算配分は何かというと、子ども予算を2倍にするのと公共事業費を見直す。ほかの国よりも、ほぼ倍近く公共事業にお金を使っているから。




日本の普通は、世界の異常! 権力者ではなく、市民の目線からの予算へ

泉 簡単にいうと、明石市は「世界のグローバルスタンダードの予算」に変えるだけで、何も変わっていない。

逆に明石以外の日本の予算構造が“歪に”子どもに冷たく、公共事業に“過度にお金を費やしている”から「普通にしたら」って。

お金については、他の国が“やれている”ことを明石だけが“できない”とは思わなかった。世界のグローバルスタンダードを見れば、当たり前にやっているんだから「当然できるよね」と思っていた。

「できる・できない」なら「できる」と思っていましたし、「できる・できない」じゃなくて「やる・やらない」が政治家だから、できない言い訳をする暇があったら「どうやったらできるか」を考えるのが政治家。

それは市長になる前からの考え方で「市長になったらやろう」と思っていました。




不安は、「結果は出せる」と自信はあったが、誰が見ても理解してもらえるようになるのか…?

泉 効果が出るとは思っていたけれど「見える化」ができるかどうか、若干不安はあったんです。

私が市長になった11年半前の明石市と言うのは三重苦で、「人口の減少」「税収の赤字」「駅前は衰退状況」。

この3つが、この12年で全部ひっくり返っているんです。

「人口減少」は、私が子ども施策をした瞬間に上がった。

最初の2年だけが転換しなくて3年目から、9年連続、明石市は人口増です。




数字ではなく、市民が実感しないと

税収もいきなり黒字化した。それは、公共事業費の削減など、予算を見直したから。

でも、「見える化」という意味においては、人口が増えたり、税収が増えたって市民は実感しないんです。人口が増えたというのは役所目線。税収が増えても役所目線。市民目線じゃない。

市民からすると、人が増えたらゴミゴミするし渋滞するだけであって、人口増なんて嬉しくもなんともないんですよ。税収増も「お前ら楽していいな」っていうだけで、市が税収増であって、市民が増えていないから。

明石市の行政目線でいえば「人口増」「税収増」は実現しましたけど、これでは市民はリアリティがないんです。




人が喜んで、それが行政

泉 リアリティが生まれだしたのは、5~6年経って、まさに駅前のビルができたころから。

1年目に取り掛かった見直しが現実化して、駅前に子どもの支援センターが無料で入り、図書館ができ、そこで市民が利用し始めて、初めて「リアリティ」。

「ホンマや」「助かるわ」と「金浮くわ」と感じだしたのが5、6年目なんです。リアリティを感じるまでは、数字が出ていてもダメ。

よく「政治は数字」っていいますけども、数字というのは役所目線の数字では意味がなくて、「自分の財布のお金」が増えないとダメなんですよ。

市民の立場から見た「実感のある効果」というのが見えてこないとしんどかった。

それを持ちこたえた6年目くらいから「なんか商店街が儲かり出した」「最近羽振りがええな」って市民の方が言いだした。

商店街の「羽振りがいい」という声が一気に広がって、駅前中心に商店街が潤いだした。

5、6年持ちこたえたら、何とかそこにいったのがありがたかったですね。




行政が役所目線でPRしても人は動かない

―― 他の行政で、そんな施策を行っているところはありませんよね。市民の「リアル」よりも、行政の「数字」という感じがします。

泉 そういう意味では「見える化」ができたのはありがたかったかな。

Twitterは去年から始めたんですけど、昔と違って悪い意味も含めて、3年前の暴言も含めてだけど報道とかネットの力、口コミは強くて、リアリティが実感を持って伝わるんですよ。

明石に引っ越しをしてくる方の理由の1位って「SNS」です。友人から言われて来るんです。

明石市が役所目線でPRしても人は動かない。

実際に明石に住んでいる友達が「明石タダやで。薬屋もタダやで、歯医者も無料で行けるよ」「えっ、そんなことないやろ」「ホンマやで」「ついでに保育料も2人目はタダやで」「そんなことないよ、ウチ、5万払ってるよ」って「5万も払ってるの? ウチはタダやで」ってなったら、「だったら全然そっちがええやん」になる。

口コミやSNSの威力で、一気に人を集めたというのはあります。




明石に来るメリットがあるのは中間層

―― 失礼ですが、そうなると“あまりお金に余裕のない”人が集まってくるような気がします。税収増には“繋がらない”のではないですか?

泉 その前に、明石市がどうして今元気かというと、最大のポイントは所得制限をせずに、全ての人に“同じ“ようにやっているのが“大きい“んですよ。

なぜそれが効くかというと、お金の少ない方は、そもそも”どこの行政”にだって”救済してくれる制度”があるんですよ。生活保護とか、非課税世帯なんかは救う施策がいっぱいあるので、どこの町に住んでいてもそんなに変わらない。実は、明石に来るメリットって、そんなに”ない”んです。

明石に来るメリットがあるのは「中の上」の方です。生活保護世帯は、保育料はゼロです。非課税世帯の方もほとんど払いません。でも、同じ子どもを預けているのに、片やゼロ円、5000円なのに、頑張って働いている人は5万、6万円とかなる。

いちばんしんどいのは「うちの家、たくさん税金を払っているのに、なぜさらに保育料で5万、6万消えていくの? パート代、全部なくなるやん」っていう話です。

ここの層が、明石に来たら一気に助かるから、明石が魅力的だと思うのは、この中間層なんです。




お金持ち優遇政策でも、苦しい人の“ためだけ”の行政ではない

泉 これも言葉を選ばないといけないんですけど、東京などでは「金持ちに、そんなのしなくていい」っていうんだけど、明石にはそんなに金持ちはいないんですよ。

金持ちは芦屋とか、いいとこで暮らすから、明石に来るのはびっくりするほどの金持ちじゃなくて、「中」なんです。

数字でいうと、いわゆる所得制限議論の児童手当で、全国平均1000万円がボーダーなんです。全国で1割が1000万円以上で、明石も全国平均です。でも西宮に行ったら1000万以上が3割なんですよ。

東京23区に行ったら5割、6割。文京区なんて6割ですよ。半分以上が1000万選手なんです。だから、そこは全然違うんですよ。

明石はそこまで金持ちがいっぱいいるところでないので、所得制限をなくすということは、「中間層が助かる」ということなんですね。

「私ら頑張って共働きで働いているけど、キツキツやわ」っていう人が明石市だとちょうどフィットするっていうのかな。

「金持ちにそんなことをしなくていい」という議論ではなくて、「私ら、助かった」になるから、市民としては共感を得られやすい。




子どもに使うお金は、未来への投資

―― その「中間層の方」たちが“税金を払ってくれる”。だから税収が増えるのですよね?

泉 そのとおり。ダブルインカム(1つの世帯に2つの収入源があること)だから。税金以上に、地域に金を落とす層です。

共働きで一定収入があって、税金を納めている層が明石に来ると、明石からすると個人市民税を払ってくれる人がダブルで来る。

おまけにその層に負担軽減すると、貯金にまわさずに町の商店街で子ども用品を買ったり、食事をしてくれるから、減らした分が消えるんじゃなくて、減らした分が商店街に流れてくる。全部「生きた金」になる。

その儲かったお金で商店街が法人税で払ってくれるから、明石に来た人の「個人市民税」の上に、減らした分は商店街の「法人税」で帰って来てる。それこそ効果としては、ダブル、トリプルで金が増えていく。

しかもその層が引っ越すために土地を買って戸建てにするか、マンションを買うんだから、ローンを組みます。30年、35年ローンを組むわけだから、30年、35年間、税金を払い続ける層がダブルで明石に来るわけですよ。

その来る層によって地価が上がるので、固定資産税と都市計画税が上がる。

負担軽減をした結果、あれもこれも税収が増える要素になるわけですよね。

そういった中間層こそが「経済をまわすポイント」であって、子どもの「未来施策」なんですよ。経済対策といってもいい。

泉 世の中が勘違いされているのは、「子ども施策」と言うと「恵まれない子どもたちに愛の手を」的になる。

もちろんそれも明石ではやっているけれど、それはまた別の施策です。

食うや食わずの子どもは「救貧施策」。これはスピード感を持って現金給付。明石でいえば、ひとり親家庭の5万円給付とか、国よりも早くやっていますから。

私が言っている「子ども施策」というのは、社会の未来を作る施策であり、経済をまわす経済対策でもある。少子化対策であり、経済対策であるんですよ。

国は「救貧施策」しかやっていない。でもそれでは未来は作れないし、経済はまわらない。

明石はこれのみならず、思い切って予算を倍にして、負担軽減を図るような無償化をしているから経済がまわっているし、市民の満足度が高まっている。

こっちが本当は求められていると思いますよね。





関連記事】
明石市長、泉 房穂氏の政治能力!自分の“支持基盤”は“明石市民”と言い切って市長に当選!「悪質な水上バイクに懲役刑!導入」その後を追った…。
政治家の仕事は「人を幸せにする」こと! 明石市の泉房穂市長、マスコミの紙面を賑わす、強烈な個性!有言実行の原動力、悪質な水上バイク問題等、
危険走行で刑務所へ! 明石・泉市長、水上バイク危険運転に「懲役刑」の方針! 全ては市民の命を守るために。
誰もいわない「不都合な真実」。気を付けて、その“肉”を食べたら癌になる! 政治家と役人に見捨てられた国、日本 東京大学院教授・鈴木宣弘先生に聞く
危険走行で刑務所へ! 明石市長、水上バイク危険運転に「懲役刑」の方針! 全ては市民の命を守るために
「悪質で危険・愚かで悲しい!」「水上バイク問題」究極の「解決方法」とは?


ジェットスキー中古艇情報

月間アクセスランキング