「市議会の “党利党略” や “私利私欲”に怒りが “積もりに積もり”、爆発した！」　ブチキレて政治家を辞める明石市の泉房穂市長！

暴言の原因は「明石市民を幸せにしたい」のになぜ非難するのか？

「私としては精いっぱい明石の街のために頑張ってきたのに、明石市議会の “党利党略や私利私欲”に怒りが積もりに積もり、爆発した」昨日、来春の任期満了をもって“政治家引退の意向”を表明した泉房穂市長の心境である。

10月12日、兵庫県明石市議会で、「泉氏は市長として不適切などと、彼を厳しく非難する内容の問責決議案」が賛成多数で可決された。

この問責決議案の提出日の前に、市議2人に対し「次の選挙で落としてやる」などの暴言を吐いたことが問題になっていた。

この問題について泉房穂市長が謝罪、「政治家を引退する」「暴言を吐いたのは事実」と明言した。

すべては市民を幸せにするため！

泉市長には「税金で食べてる者はちゃんと働け」という思いが非常に強い。

「改革をせずにゆっくりと市政をするなら“救えるはず”の“今”困っている市民を助けられない」。「市役所の職員は何かを変えることにものすごい抵抗感がある」。「長年の前例主義、慣例主義の行政運営を変えていく」。という考え方である。

このような“考え方”が根底にある以上、そうでない者とは軋轢が生じる。

市長の改革は市民目線。行政を良くするのなら、「総理より市長」という信念

以前のインタビューで、それほどまでに強烈に“明石市民のために働く”のであれば、国会議員になって“日本中の国民のため”に尽くして下さいとお願いしたことがある。

そのときの市長の答えが、『“国が上”で偉くて、次が都道府県で、市長なんてぺーぺーで一番下だから、「市長なんてやってないで、もっと上に上がったら？」っていう発想をするんだけど、そうじゃなくて、市長だからこそ“やりやすい”ことがあるんですよ。“市長だからこそ”出来ることがある』であった。

明石市から全国に広がった子ども支援政策

例えば代表的な事例が“子ども支援”だ。

泉市政では、最初に“子どもを大切にする政策”をしたことで、「明石で子育てしたい」という評判が高まり、人が集まり“街がブランド化”して“経済がまわる”というビジネスモデルが生まれた。

これほど「手厚い、子ども支援」は明石市が始めるまでは、他の地方自治体や国でも“無理”という話で済まされていた。

しかし、今では全国に広がっている。その理由は“明石市が成功した”からだ。「なぜ、明石は“無料なのにココは違う”の？」近隣の場所では“そう”聞かれる。

その地域の行政は“たまった”ものではない。「明石がやるから“余計な仕事”が増えるのだ」。と考える。しかし、これが「市民を幸せにするために、税金で食べてる者はちゃんと働け」という泉市長の答えなのだ。

日本を良くするために「明石市」を良くする

泉氏は日本の行政の「あるべき姿・理想の姿」の街づくりを明石で“やりたかった”のだと思う。

彼が市長になって11年半だが、「どのくらい理想に近づきましたか？」と質問したら「20％くらい」と答えた。

市長を辞めるまでに、「せめて“50％くらい”まで“は、やり遂げたい」と話していた。

先月に明石市役所で本誌がインタビューした内容で、このときは今回の暴言で“辞任の発表をする”など夢にも思っていなかった。

泉房穂市長が「理想の明石市」を構築していたら、子ども支援政策のように、その波及効果は全国に及んでいたはずだ。

市長には「理想の都市を明石市から」という考え方があるからだ。

「なぜ、明石は“無料なのにココは違う”の？」という質問が日本中で発せられるようになれば、必然的に「みんなが幸せ」になっている確率が上がるからだ。今回の辞任の決断が残念でならない。