0月12日、兵庫県明石市の泉房穂市長が、来春の任期満了をもって「政治家を引退する」ことを明らかした。
辞める発端は、今月8日、自身への「問責決議案」の提出を予定していた同市議会の議員らに対し、「次の選挙で落としてやる」などの暴言を吐いたことが大々的に報じられたことにある。
12日の本会議で問責決議が賛成多数で可決されたことを受け、「暴言の責任を取る」として引退を決めたという。
泉市長の暴言ばかりが取り沙汰されるが、その原因となった「問責決議」の内容とはどういったものだったのか。 「問責決議」のポイントは3つだ。
2021年、新型コロナウイルス禍の中で苦しむ、明石市民の“経済的負担を緩和”しようと、市民全員に5000円分の「明石市サポート利用券(金券)」を配布する事業について、市議会は経費削減を求めて議案を「継続審査」とした。
しかし、泉市長は「専決処分」で実行したことが議会で非難されたのだ。
「専決処分」とは、本来は“議会が議決”しなければならない案件を、緊急な場合などに、例外的に「市長が議会の議決に代わり意思決定する」ことである。
これについて問責決議では、『この議論の過程においては、早期に実施するべきという意見がある一方、早急に実施することへの必要性、個人単位での送付方法や事務費などへ疑義があり、事業実施に向けてもう少し時間をかけて精査すべきとの複数の意見がありました。
このことから継続審査と決定したにも関わらず、事業を実施したことは議会制民主主義の否定であり、独裁的な行為であると言わざるを得ません』と述べている。
これについて泉市長は「事前の調整も“済んでいた”のに、急きょ“議会でひっくり返り”、継続審査となったことに、“議会対応での不合理さ”を感じた。議会の“”嫌がらせに屈して”市民が“困っている”と思ったから専決処分にした」と語っている。
工場立地法によると、一定規模以上の工場は敷地内の緑地を20%以上確保する必要がある。
明石市でも経済団体からの要望を受け、「緑地率の規制を5~10%以上に引き下げる条例案」が賛成多数で可決されていた。
これに対し泉市長は、「市民参画の手続きが適切に実施されなかったほか、SDGs(持続可能な開発目標)の理念にも反する」と主張し、県に審査の申し立てをしていた。
市議会からの問責決議では、『市長の主観により憲法違反とSDGs違反という理由で再議に付されました。市長に再議の権限があるとはいえ、議決の違法性がある時のみに許される特別再議の適用は権限の乱用とも言えるものです(略)』
泉市長は今年2月、明石市に本社を置く“川崎重工業への法人市民税課税額”が載った書面の画像を投稿。
法人税割が5年連続で「0」が続いている部分を強調し、「ゼロってなんだかなぁ」とコメントしている。
約10日後に削除されたが、これが地方税法第22条「守秘義務違反の疑い」に該当するとしている。
その後、泉市長は「(事業者の)規模、影響力からみて“公益性が高い”と思ったが、納税情報は慎重に扱うべきだった。今後は気をつけたい」と釈明している。
《昨年の『サポート利用券の専決処分』は、議会多数派の理不尽な“嫌がらせ”におつきあいしていたのでは、目の前で溺れかけている「市民」や「事業者」を助けられないので、市長として地方自治法179条に基づいて実施したものです。
当然のことながら「違法」ではなく『適法』です。(10月8日の泉市長ツイッターより)》
《市長続投の声もいただいてはいるが、その選択肢はありません。市長就任後11年半にわたる積もりに積もった怒りが爆発してしまったというのが正直なところ。それをやってしまった以上、責任を取るしかないとの思いです。皆さん、申し訳ありませんでした。(10月13日の泉市長ツイッターより)》
もちろん、暴言は許されることではないが、暴言が飛び出したのも「“泉さんがカチンとくるような一言”を言われたから」とも言われている。
議員が決めたことでも、「市民のため」という信念でひっくり返す。時に乱暴なほどの行動力がある人がいないと、世の中は何も変わらない。 そういった意味では、泉市長の「ワンマン」ともいわれる行動力は、明石市にとってなくてはならないものだったはずだ。 優秀な市長を失う明石市民の損失は大きい。
泉市長とほかの人物を比較するような記事を見かけるが、彼は他の政治家とは全く違う。
彼は自分の待遇や保身、損得で一切もめていない。 基本的に「市民のため。みんなのために正しいことをしている」という考えが強い。
正しい考え方なので、まともな人は「みんな自分と同じ」だという考えが強いのだと思われる。
数年前も、部下に「お前ら不動産屋から金貰ってんのか?」と暴言を吐いたとして辞職しているが、これは暴言ではなく、市長の本音だったと思う。多少、行き過ぎた発言だが、そこにイラ立ちはあっても、悪意はなかったのだろう。
「正義の味方」は、群れなくても良い。正しいことをするのに、何が問題あるのだと考えるからだ。 こんな政治家、他にはいない。
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