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「Blaster」クラス ヴィンテージ ジェットスキーに乗れるイベント 「Out a Time Sports」#2 伝説の名機でスラローム&タイムアタック  (水上バイク)

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大きなランナバウトにはない、スピード感と疾走感の「700TZ」

ワンミスでタイムが大きく変わる。一発勝負のスラローム競技はドラマが多い

スラロームのタイムアタック大会「Out a Time Sports」の一番手は「Blaster(ブラスター)」クラスである。日本では「MJ-700TZ」という名前で知られているが、「Wave Blaster(ウェーブ ブラスター)」が、アメリカでの販売機種名である。

Blasterクラスは、14人がエントリー。
「我こそは」と思う選手が多数エントリーしたこのクラス。芳賀 毅選手は、今年のJJSBAの最終戦で、440/550クラスで優勝したライダーだが、スポーツクラスが主戦場の選手である。この大会でも、トップ争いの有力選手である。

ほかにも、ヤマハS-1グランプリでTZクラス無敵のチャンピオンだった関 泰光選手をはじめ、知久健一選手、スキークラス4連覇の金子 聡選手、ランナバウトクラスで何度も優勝している中村俊雄選手といった、S-1グランプリで名を馳せたチャンピオン経験者が多く参戦した。

関選手曰く「TZに乗って、僕が負けるわけはありません」と言い切る。

また、主催者の1人である村尾高明選手は、「僕がこのクラスで勝つつもりです」と、大会前に自信をのぞかせていた。

結果は、50秒98のタイムを出した知久選手。2位が芳賀選手、3位が村尾選手という結果となった。関選手は、エンジンストールでタイムを落として4位となった。

今回のコース図

コースを間違えないように、練習走行で1周する。練習走行でミスコースがなければチェッカーフラッグが振られる。レッドフラッグなら、コースを間違えているということ。

Blasterクラス、出走順で見る全選手のライディング

村尾高明選手/タイム52秒34

今回3位となった村尾選手。コロナ渦で出場しなかったが、当初の予定では10月に行われたワールドファイナルのヴィンテージクラスに出場するはずだった。速いTZを作りあげ、練習を重ねており、今大会もこのクラスで優勝するつもりでいたのだ。結果は3位であったが、プロフリースタイルクラスの元全日本チャンピオンで、国内随一のフリーライダーの彼が、これだけスラロームが走れるのはすごいことだ。見るたびに速くなっている。

大山智彦選手/タイム56秒14

大山選手は、過去にS-1スラローム大会にも出場していたことがあるという。

紀 昌則選手/タイム1分05秒12

S-1チャンピオンの関選手ファミリーの一員。

小林上直選手/タイム57秒04

S-1チャンピオンの関選手ファミリーの一員。

見崎 勉選手/タイム58秒60

S-1チャンピオンの関選手ファミリーの一員。

中村俊雄選手/タイム55秒64

中村選手は、ヤマハS-1グランプリ、FXクラスのチャンピオン。ハイパワーなランナバウトクラスに出場し、表彰台の常連だった。TZに乗っても上手い。

金子 聡選手/タイム55秒86

金子選手は、2016年~2019年のヤマハS-1グランプリ、SJクラスのチャンピオン。4連覇の実力は伊達じゃない。彼本来の実力は、こんなものではないと思う。

高橋伸英選手/タイム1分03秒18

北海道在住のフリースタイラー。
 
「出場するからには、ギャラリーに何かしらの記憶を残したい」と、タイムアタック中にスーパーマンフォームでライディングを披露。TZの固く小さなシートの上でスーパーマンスタイルで走り、当然、吹っ飛んで自爆。大いに会場を盛り上げてくれた。

岩森一也選手/タイム57秒11

御年61歳で、これだけ乗れるレース界のレジェンド。今回は、自前のTZを持参しての参戦であった。一体、何台マシンを所有しているのだろうか……? とてもヴィンテージマシンとは思えない。現行モデルのようだ。

知久健一選手/タイム50秒98・優勝!

今回、見事にこのクラスを制したS1戦士の知久選手。50秒98という記録は、この日、全てのカテゴリーで最も速かった。

最初、マシンの色から主催者が用意したレンタルTZかと思った。聞くと、ノーマルカラーのままの知久選手のマイ・マシンだったのだ。足まわりや、ライディングテクニックを考えると、この結果はある意味当然なのかもしれない。

S-1選手のスラロームの走り方は、クローズドコースと少し違う。コーナーでは、ブイの手前で方向を変え、ブイを通過するときは直線気味にスピードを乗せて通過する。ブイをかすめるように走り抜ける。タイムの上げ方を熟知しているのだ。

芳賀 毅選手/タイム51秒85

今回は2位の芳賀選手。彼をX-2ライダーだと思っている人は多いが、実はスポーツクラスのレーサーなのだ。だから、TZも本職。さすがのタイムである。

関 泰光選手/タイム54秒11

関選手は、ヤマハが主催する「S-1スラロームグランプリ」の全国大会で、2004年~2008年のS-1全国大会でスポーツクラス5連覇達成。2017年のワールドファイナル「Ski Modified Slalom」クラスで世界チャンピオンを獲得した。
今大会、走行中にエンジンが停止するアクシデントに見舞われたが、それでも4位となった。しかし本人は、このクラスで負けるとは夢にも思っていなかったそうだ。


「S-1グランプリ」の全国大会では、スポーツクラス、スキークラス合わせて8回も日本一に輝いている、正真正銘の「Mr.S-1スラローマー」だ。編集部は、「彼が世界最速のTZスラローマーだ」と確信している。

市川浩二選手/タイムDSQ

スラロームのタイムアタックのゴールの瞬間に腕を伸ばす。これは、1990年代のアメリカのトップライダー、クリス・フィシェッティ選手がやった走り方。手を伸ばすことで、少しでもタイムを縮めようとした姿を再現している。

お茶目なエンターテイナーの市川選手。みんなに愛されている。

「Blasterクラス」表彰式

優勝・知久健一選手 タイム/50秒98
2位・芳賀 毅選手 タイム/51秒85
3位・村尾高明選手 タイム/52秒34


【エキシビション】タンデムタイムアタック

「MJ-700TZ」は、こんなに小さな船体だが、れっきとした「2人乗り」である。せっかくなので、2人で乗ってのタイムアタックが行われた。1人で乗っても転ぶことがある機種だから、2人の息が合わないと簡単に転倒してしまう。

今回、エキシビションとして、主催者がその場で選手を指名。指名された選手同士でペアを組んで、練習もなくいきなりタイムアタックとなった。

結論を言ってしまえば、みんなコロコロ転んで、ギャラリーが大ウケするという図式を想像していたら、誰も転ばないうえに非常に速かった。即席チームとは思えないほどブイをまわるのが上手い。さすがである。

【チーム・プロライダー】久米由紀子&小原聡将ペア

とにかく楽しそうな2人組。とてもタイムアタック中とは思えないほどの笑顔だ。

【チーム・兄妹】石田仁彦&大中原育美ペア

伝説のチーム「ASM」のチームリーダー石田仁彦と、ウィメンクラスのトップライダーだった妹の育美選手。兄妹だから、息もピッタリ。

【チーム・S-1】関 泰光&知久健一ペア

ヤマハS-1グランプリの表彰台常連ペア。

【チーム・レジェンド】芳賀 毅&松田清志ペア

松田選手は1997年のJJSBA「X-2クラス」チャンピオン。芳賀選手は、X-2ライダーだと思われがちだが、実はスポーツクラスのマシンなら何でも乗りこなす。

タンデムクラスは石田&大中原ペアの勝利。



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