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ヴィンテージ ジェットスキーに乗れるイベント 「Out a Time Sports」#2 伝説の名機でスラローム&タイムアタック  (水上バイク)

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 全員が選手を見てる、この光景が素敵だ! 緊張のスタートシーン。スターターの合図でタイムアタックが始まる! 選手もギャラリーもテンションMAX!!

ヴィンテージマシンは、飾るものじゃない、乗るものだ!!

最大排気量は700ccのTZ!? マシンパワーより、ライディングスキルだけが勝敗を決める

今年3月に第1回大会が行われ、国内のヴィンテージブームの火付け役となったイベントが帰ってきた。

11月1日(日)、ヴィンテージジェットスキーによるタイムアタックイベント「Out a Time Sports」が、神奈川県平塚市のマリーナ・リバーポートリーナ/ジェットフィールド湘南で開催された。当日は雨が心配されたが、天候に恵まれた1日となった。

この日、「湘南合同PWCフェア」も併催。フェアの主催者により各所に消毒薬が置かれ、新型コロナウィルスの予防対策にも十分に気を配っていた。

コロナ対策の検温。受付時に体温を測る。写真左は主催者の1人、芳賀 毅氏。右は参加者の石田仁彦選手。

朝8時からライダーズミーティングが始まり、全てのプログラムを終えたのは午後4時過ぎだった。
表彰式後に撮影した集合写真。コロナ渦の中で開催したとは思えないほど盛り上がったイベントとなった。


日本中からヴィンテージマシンファンが参戦! エントリー数は61名。それ以上は泣く泣く締め切った

前回、スラロームタイムアタックのエントリー数は23名だったが、今回は北は北海道から、西は兵庫県まで、ダブルエントリーも含めて61名が参加。事前の参加希望者が多くなってしまったため、期日を切って締め切るほどの人気となった。

参加者に加えて、その応援に駆け付ける人も合わせて、会場には100名以上もの人が集まった。それぞれが3密にならないように気を付け、マスクを着用するなど、各人がモラルを持ってコロナ対策に努めている姿も印象的だった。

「本当は、皆に楽しんでほしいので、希望者は全員参加していただきたいのですが、これ以上エントリーが増えると、1日で全てのスケジュールをこなせなくなる心配がありました」と、大会主催者。このため、仕方なく締め切り期間を設け、人数を制限せざるを得なくなったという。

また、このイベントのエントリー費の一部は、新型コロナ支援の寄付に充てられることになっている。

主催者から指名された2人が、タンデムでタイムアタック。写真は小原聡将選手(写真左)と久米由紀子選手(右)。この大会でしか見られない光景に、ギャラリーは爆笑と喝采に包まれた。

主催者に聞く「このイベントを始めた理由」

主催者の1人である村尾高明氏にこのイベントを開催した理由を聞いた。


「昨年(2019年)、蘇我で行われたJJSFフリースタイルTECHNICAL全日本選手権大会(最終戦)で、JS 550を始めとするヴィンテージマシンを展示していたところ、非常に好評で、皆に喜んでもらえました。

でも僕は、ヴィンテージマシンは“飾るもの”ではなく、“乗ってナンボ”のものだと思っています。

そこで、JS 550をこよなく愛する芳賀 毅さんと、加藤 豪店長(55HEAVEN)に協力していただき、ヴィンテージマシンを使ったスラローム・タイムアタック大会を開催することを企画しました。

今年3月に行った第1回の大会は、日本中が緊急事態宣言の直前。不安の中での開催となりました。 それにも関わらず、参加してくださった皆さんもとても楽しそうで、そのときに『やっぱり、この時代のジェットは面白い』と再認識しました。

ありきたりですが、今回の大会の成功も、イベントに関わってくれた全ての人のお陰です。本当にありがとうございました!
次回は、3月に開催を予定しています。


主催者の1人、村尾高明氏。この大会はメインMCを務めた。彼の選手愛とユーモアに溢れたトークは面白く、1日があっという間に過ぎた。スラローム大会で、これほどギャラリー笑わせるMCは初めてである。

カテゴリーは、ヴィンテージマシンばかりの4クラス

この大会は、主催者側からJS550や700TZ、650X-2が用意されている。参加者は、自分のライディングギアだけを持ってくれば出場できるのだ。
この「気楽さ」も、このイベントが受け入れられる理由のひとつだろう。もちろん、自分の自慢の愛艇を持って来てもOKだ。


大会は、「Blaster」「X-2」「550A」「550B」の4クラスが用意されていた。エントリー数の内訳は、「Blaster」が14人、「X-2」が14人、「550B」が23人、「550A」が10人であった。

「Blaster」クラス。エントリーは14人。

「Blaster」クラスで優勝を狙う村尾高明氏。主催者も参加できる。彼はフリースタイルとフリーライドの全日本チャンピオンなのに、今は本気でスラロームチャンピオンを目指している。

ヤマハS-1グランプリの猛者たち! 各クラスの歴代S-1チャンピオンが参戦!

S-1ライダーたちが、続々参戦

ヤマハが主催として行っていた「S-1グランプリ」大会が昨年で終了。腕自慢のS-1ライダーたちが、今回、このイベントに参加を決めた。

ちなみに「S-1グランプリ」とは、『真のマリンジェット乗り日本一を決める戦い、それがS-1グランプリ。 専用の冶具により設定されるコースは世界共通規格。地元の利を生かすも良し、ツアー気分で大会にエントリーするのも良し。普段乗りなれた愛艇で気軽に参加できるマリンジェット乗りだけの戦いです(ヤマハ発動機公式HPより)』となっている。競技艇は、ほとんど改造を認めないストッククラスのみである。

ヤマハのS-1グランプリ大会は、自分のマシンで、専用の治具を使って作られたスラロームコースを走るタイムアタック競技。皆、コンマ1秒のタイムを縮めるために、血のにじむような練習を積み重ねてきた、「スラロームのスペシャリスト」の集まりである。

しかし、この会場ではブイが少しくらい動いても誰も気にしない。日曜日なので、海に出るボートの往来もある。引き波が収まるのを待ち続けると進行の妨げになるし、会場中に響き渡る声で
MCから「セコイ奴(笑)!」と言われてしまう。

歴戦のS-1戦士たちは戸惑っていた。スラロームの実力は本物なのに、大会文化の違いに本来の実力が出せないのだ。
今大会は、彼らのハートに火を付けたことだけは間違いない。今後、彼らS-1のスペシャリストたちがどんな練習をしてくるのか楽しみだ。


「X-2」クラス エントリーは14人。

「X-2」クラス。この素敵なライディングは、1997年のJJSBA「X-2」チャンピオン松田清志選手である。
今年のJJSBA最終戦のチャンピオン・芳賀選手もエントリーしているが、果たして勝ったのは誰だ?

「550B」クラスのエントリー数は、最多の23名。激戦カテゴリーである。

あなたは「550A」クラス? それとも「550B」クラス?

今回、JS 550は「A」と「B」の2クラスに分けられた。違いは、現役ライダーや、常日ごろからジェットに乗っている選手は「550A」。
「550B」は、昔、レーサーでも、最近は乗っていない人や、大会に出ていない人である。これは、本人の希望で変更できる。

なかには、昔、レーサーで活躍しており、最近はあまり乗っていないが、「550B」で中盤の順位を獲得するより、「550A」で下位のほうが良いという選手もいる。ジェットに対するプライドが伝わってきて、グッとくる話だ!


「550A」クラスのエントリーは10人。キング オブ スラローマーは誰になるのか?

小原聡将選手の美しいライディングフォーム。
意地に掛けても、彼は勝たなければならない。しかし、芳賀選手も、村尾選手も、S-1王者の関 泰光選手も勝利を狙っている。激戦必至だ。

今大会のルール

この大会は、 まず練習走行でコースを1周走り、本番は1回限りのタイムアタックとなる。
誰かがいいタイムを出すと、会場中の熱が一気に上がる。日常生活の中で、大の大人が、コンマ数秒で一喜一憂する機会なんて、なかなかない。心地よい緊張感と、とても笑顔の溢れた大会となった。

大会の特徴としては、「親子で参加する選手」が多かったこと。
自分が若いころ乗っていた機種を、今、子供と一緒に楽しんでいる姿は、見ていてとても微笑ましくなる光景だった。
昔取った杵柄ではないが、どの親子も親のほうが速かったのは流石である。


最後に、全員が同じマシン(700TZ)で戦うタイムアタックレース「Blaster One Make」が行われた。勝者は、1人1,000円のエントリーフィー20名分を総取りできる。

同じマシンを使ったタイムアタックレース「Blaster One Make」。
賞金は優勝者の総取り!!

全ての競技終了後、前回の大会でも好評だった『全員が同じマシンで戦うタイムアタックレース』が行われた。第1回大会では「JS300」を使用したが、今回は「700TZ(Blaster)」を使用。

700TZは、1993年にヤマハから発売された2人乗りのスポーツモデル。バイクを走らせるような独特のライディングフィールが、今でも、根強いファンを持つ機種である。

出場者は、その場でエントリー費を支払い、それがそっくりそのまま優勝賞金となる。
このレースには、20名がエントリー。1人1,000円のエントリーフィーなので、20,000円が優勝者に渡されることになる。前回もそうだが、目指す目標が明確になるほど、選手のモチベーションも上がる。
ある意味、メインのカテゴリーよりも、選手たちの真剣度が上がったような気もする……。

天気にも恵まれ、家族総出で応援に駆けつけてくれた。

主催者の1人、55HEVENの加藤店長(写真左)。裏方の雑用をこなしながら、選手としても活躍した。

ASMの石田兄妹のタンデムタイムアタック。乗る選手は運営側が決めるが、人選チョイスが絶妙だ。2人とも前回大会より格段に速くなっていた。

X-2チャンピオンの2人乗りでタイムアタック。マシンをバンクさせるのも息がピッタリ。マジで速いから笑える。

大活躍の女性選手の皆さま。

1位の選手には、大会オリジナルパーカーが贈られた。

今回のタイムアタックレースの詳細は現在、制作中。
結果とともに各クラスの紹介を随時行っていくので、お楽しみに!!



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賞金総取り!「Blaster One Make(ブラスター・ワンメイク)」クラス 


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