2月中旬の日曜日。利根大堰のゲレンデでマリンメカニックの世界戦略艇「GAKO 4(ガーコ・フォー)」のセッティングと、シードゥRXP TURBOのテストが行われた。
新しいマシンは、昨年と違うターボを装着しているという。2021年のレースシーズンを迎えるにあたり、現在の状況をコンストラクターの今﨑真幸氏にインタビューした。
WJS 2018年に、タイで行われた「ジェットスキーワールドカップ」で、マリンメカニック製のマシンに乗った砂盃 肇プロが優勝し、世界チャンピオンとなりました。昨年はコロナ禍で世界大会への出場はありませんでしたが、国内のシリーズ戦は完全優勝でした。それなのに、まだエンジンをパワーアップする必要があるのですか?
今﨑 あります。常に速くすることと、より壊れないようにすることを考えています。理由は「相手」がいる。世界の強豪チームのマシン開発は、常に進んでいますから。
WJS 今回、ターボチャージャーを変更したそうですが、何が変わったのですか?
今﨑 去年より、大きなターボを装着しています。
WJS ターボを大きくしたことで、空気をたくさんエンジン内部に送り込めるということですか?
今﨑 このタービンは「ガーコ4」に装着しているものと同じです。
WJS それで、どのくらい変わるのですか?
今﨑 前モデルならフルブーストのパワーが、このターボだとローブーストで実現できます。
WJS それなら、マシンが壊れる確率が下がりますね。
今﨑 そうはいかないんです。レース本番は、勝ちに来ているから、必ずブーストを上げちゃいます。
WJS 今まで使わなかったデメリットは何かあるのですか?
今﨑 ガーコ4はヤマハ1,800ccエンジンですが、千木良艇や田村艇で使っているのはシードゥ1,630ccエンジンです。それにはオーバーキャパシティで、ターボラグが出てしまう可能性があったので、使うのを控えていました。
WJS 「上は伸びるけれど、下が出ない」ということですね。それが今シーズンから使うようになったということは、実戦で使える手応えがあったわけですね?
今﨑 はい。燃料も、エタノール系を採用しています。アルコールのほうが排気圧が高いのでタービンが回りやすくなっています。
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