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天然モノは要注意!「ジェットフィッシングの落とし穴」パルアップの休日・ツーリングの鉄人と行く、楽しい”ハマチ”釣り顛末記 水上バイク(ジェットスキー)

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「釣り」の“ご褒美”は、“美味しい食事”と決まってる!

釣り上げて、その場で血抜きした天然のハマチ。「美味なり!」のはず?

兵庫県西宮市のジェットショップ・パルアップの店長、斉藤智祐氏(以下、斉藤鉄人)が、つい数時間前に釣り上げたばかりの「ハマチ」が、この日のご馳走だ。
水も空気もキレイな海で、釣った魚が「新鮮」でなくて、何が新鮮と言うのか!?

【前回】 釣り“初心者”必見! これが本当の「ジェットフィッシング」パルアップの休日・鉄人と行く“ハマチ”釣り

この「ハマチ」を、これから食べるのだ。否応なく期待は高まる。

本日の釣果。どれもこれも美味しそう。

調理する前に、まな板に乗せてサイズを測ってみた。

61センチの良型のハマチ。キレイな目が宝石のようだ。

この天然ハマチ、絶対に食いたい!!

ツーリングの最中、わずか30分ほど釣りをしただけで、6匹のハマチを釣り上げた斉藤鉄人と新生さん。ジェットの上で活け締めしたハマチは、帰港してから、皆で美味しくいただくことになっていた。

ショップに戻ってジェットを洗い、ついでに自分も洗って着替えをする。その間に、斉藤鉄人が、ハマチを捌き始めていた。飛行機でやって来た取材班は、61センチのハマチを持って帰れるわけがない。だから、鉄人が今、調理してくれるというのだ。
パルアップ備え付けのキッチンで、ハマチを捌く斉藤鉄人の慣れた手つきは、まるで「熟練の魚屋さん」のようだった。

見る見るうちに、60センチ超の大物ハマチを捌き、刺身にして皿に盛り付けていく。新鮮なハマチは、皿の上でキラキラしていた。
「見るからに、美味そう!」。何しろ、ほんの3時間ほど前まで、海で泳いでいた「明石の天然ハマチ」である。美味しくないわけがない。

慣れた手つきでハマチを捌いていく鉄人。

我が人生、最高のハマチ。美味なり!!

「いただきます!」。出来立てのお造りに、皆が一斉に箸を延ばす。「あっ、これ、すっげー美味い!」と、口々に言う。
2切れ食べて、その余りの美味さに、「他所に食事に行かないで良かった」と思った。この天然ハマチの刺身だけで十分に幸せだったし、コレで満腹感を得たいと心から思った。

その場にいた全員が、「レストランより、この刺身!」と、笑顔の裏側で、殺気立つ「ハマチバトル」が勃発する寸前である。鉄人だけが、「みんな、ガッつかなくても大丈夫! “ハマチはたくさんある”から」と、涼しい顔をしている。
今、捌いたハマチは1匹だけ。あと5匹残っている。では、遠慮なく。「この刺身をひと切れでも多く食べたい!」と心の底から思っていた。

超ウマそう! 見ているうちにお造りになった。

ゲゲゲ!! 切り身の中に“虫”がいた! 「これは、食べても平気だよ!」と言われても……

我々を襲った“まさか”の出来事!!? 私は、2度と“天然モノの魚”が食べたくなくなった……

そのとき、斉藤鉄人が急に食べるのを止めて、妙な仕草をしていた。
ハマチをひと切れ箸でつかむと、そのまま電灯に透かしてジーッと見ているのだ。

突然、自分の心に“泥”を塗りつけられた感じがした。嫌な予感しかない。しかし空腹に負け、鉄人を見ないようにしながら、「もうひと切れ」と、箸を延ばそうとしたところで、突然、斉藤鉄人から悪夢の叫びが! 「アニサキスや!」

今、なんて言った?
「ちょっと食べるの待って、これアニサキス!?」。 細長く半透明な“ミミズのようなナニカ”を箸でつまみ上げ、皿の端に乗せた。人間の血管のような、“それ”を見ながら「アニサキスや」と、確信しているように言った。

気持ちの悪い響きが、耳の奥でリフレインする。「アニサキスって、あのアニサキスですか? 寄生虫の……?」と聞くと、「そうやね。普通は内臓におるんやけど、身のほうに来てしまったみたいやね」と鉄人。

「それって、知らなくて食べたらどうなるんですか?」と聞けば、「運が悪いと、お腹痛くなるかもね」と返事が返ってきた。
「よく噛んだら大丈夫なのでは?」と、未練がましく聞くと、「人間の内臓の中で、元気に動きまわるねん。病院で胃カメラ飲みこみながら、医者にピンセットで取り除いてもらうしか方法がないね」と、恐ろしいことを言う。

たった今まで、笑顔で幸福感に包まれていたメンバー全員が、その場で凍り付いた。何とも言えない妙な沈黙に包まれ、それ以降、誰もハマチに箸を付けようとはしなかった。お通夜のようであった。
もったいないけど、これ以上、食欲がわきません……。

「超ウマい! 他の物なんて食べなくていいから、コレを腹いっぱい食べたい!」と、心底思っていた矢先にアニサキス? 頭はハマチを欲しているのに、体は「絶対、無理!」と拒絶する。

先ほど食べた2切れのハマチが、どうにも気になる。「あれにも、アニサキスがいたかもしれない」。頭の中に浮かんだのは、救急病院で胃カメラ&ピンセット……。オエ! そう思ったら、少し吐きそう……。

「どないせい、ちゅうねん」。やり場のない怒りが込み上げてきた。

恨みがましく鉄人を見ると、まるで仙人のように達観した表情で、箸でつまんだ“ひと切れのハマチ”を見つめていた。そして、念入りに蛍光灯に透かして見ている。
ダメだ! 往生して諦めろ! と、心の中で叫んだ瞬間、そのハマチをパクリと口に入れた。「大丈夫やね」。

いやいや、それはダメでしょと、心の中でツッコミを入れてしまった。
そして、この人は「スゴイ」と、心の底から思ったのだ。

電球に透かして、“虫”がいないか確認する鉄人。

後日談:今さら「アニサキスじゃなかった」と言われても……

ツーリングの数日後、斉藤鉄人から連絡をもらって「あれ、アニサキスちゃうかった。ブリ糸状虫っていって、食べても大丈夫なヤツだった」と言われた。
しかし、あの場で同じことを言われても、「わーい、食べよう!」とは、きっとならなかったと思う。食べる気がすっかり萎えていたからだ。

ちなみにこのブリ糸状虫は、食べても人に害を与えることはない。しかも、養殖物にはこの虫は付かないという。だから、ブリ糸状虫がいれば、「天然物の証」といわれているそうだ。
昔は、鮮度のよい「天然物の証」として、魚屋が料亭に卸すとき、わざわざブリ糸状虫を添えていたという話もある。でも、やっぱり実際に見ると、食べたくないし、ちょっと気持ち悪い。

電話の向こうで鉄人が「僕思うんやけど、ハマチって、天然ものよりも、養殖のほうが美味しいよね」と言っていた。「美味しくなるようにエサとか改良されているし、脂も乗っている。僕は養殖モンのほうがいいなぁ」。

それには、激しく同意した。

釣ったハマチをダーさんが「お土産」で持ち帰るため、内臓を取り出していた。アニサキス騒動の後でも、ハマチを持ち帰るダーさんが、ある意味「勇者」に見えた瞬間だった。

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