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海賊島へ 瀬戸内ツーリング ジェットスキー(水上バイク)

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村上水軍の島! ジェット乗りの夢「瀬戸内ツーリング」

幕末に来日した多くの地理学者たちが「世界一美しい」と絶賛したのが瀬戸内海です。無数の島々が織りなす美しい景観は『東洋のエーゲ海』とも言われています。そんな世界に誇る瀬戸内海を、ジェットスキーで思い切り走る喜びがここにあります。
世界に誇る圧倒的な美を、ぜひ堪能してください。


上の写真は、まさに歴史のロマンそのものです。ここ「能島(のしま)」は、「海賊」と呼ばれた村上水軍のなかでも、最も勢力を誇っていた「能島村上氏」の拠点です。
戦闘時以外は、輸送警固、難路支援などの交通支援組織としての「水軍」と、海域支配集団としての「海賊衆」の2つの顔を持っていました。

能島城は、小説『村上海賊の娘(和田 竜、2013年、新潮社)』の舞台としても有名です。
島の周囲には激しい潮流があり、「天然の要塞」といわれています。
今回、この美しい島々を、ジェットスキーで思い切り走り回れます。

ベース基地は、瀬戸内ツーリングの拠点としてお馴染みのマリーナ、マリンウェーヴ竹原(広島県竹原市)。水先案内人は、オーナーの山村道信氏。

瀬戸内ツーリングの拠点、竹原市の「マリンウェーヴ竹原」

私の瀬戸内ツーリングは、いつも広島県竹原市の「マリンウェーヴ竹原」から始まる。オーナーの山村道信氏は、広島の海を知り尽くしているから、何をするにも安心だ。ジェットスキーの販売もしている正規代理店なので、トラブルがあっても安心だ。そして、最も嬉しいのがアクセスの良さである。広島空港から、自動車で20分も走ればマリーナに到着してしまう。

例えば、東京から朝一番の飛行機に乗れば、9時半には瀬戸内海をジェットスキーで走っている。日暮れまで目いっぱい遊んでも、飛行機の最終便には余裕で間に合う。瀬戸内海を堪能するため、東京のユーザーが、山村氏のマリーナにジェットスキーを預けているケースもあるそうだ。

事実、私もこの日、朝1番の飛行機で東京からやってきて、村上水軍の本拠地・能島までツーリングをして、最終の飛行機で東京に戻っている。距離は遠くても、近い瀬戸内海なのだ。

山村氏から、海図を見ながら海賊島までのルートの説明を受ける。

歴史ロマン 村上水軍を訪ねて

ジェットスキーは速い。寄り道せずに行けば、マリンウェーヴ竹原から海賊島まで40分ぐらいで到着すると聞いた。しかし、これだけきれいな海を走るのだから、あちこち寄り道しながら、景色を楽しまないと損だ。

タラタラ走るのは好きじゃないが、走る喜びも十分に味わいながら景観も楽しみたい。その両方を楽しめるのが瀬戸内海だ。

ウサギの島で有名な大久野島。右後ろにある黒い四角の建物は戦時中の毒ガス施設の跡地だ。島内には、何カ所もこういった施設跡が残されている。

「地図から消された」癒しの島・大久野島

大久野島は、竹原市忠海から南方沖合い3kmに位置する小さな島である。マリーナからも近い。この島は、900羽以上の野うさぎが生息する「癒しの島」である。「うさぎ島」とも呼ばれている。現在は、癒しの島として有名だが、昭和4年(1929年)から昭和20年(1945年)まで、太平洋戦争で使用するための毒性のガスが秘密裏に製造されていた島でもある。そのため、戦時中は地図からも削除されていた。

現在生息しているウサギは、1971年に地元の小学校で飼われていた8羽が放されて野生化し、繁殖したという説が最有力である。

多々羅大橋。しまなみ海道のサイクリングのメッカである。全長1,480 m、広島県尾道市の生口島と、愛媛県今治市の大三島を繋ぐ道路橋。

これも瀬戸内独特の景色である。いくつもの島々が重なった景観は、まさに「日本の海」という言葉が相応しい。

「いつの日か」と、誰もが夢見る瀬戸内放浪記

以前、ツーリングの鉄人・斉藤智祐氏が言った言葉がある。「暇があれば、1週間ほど瀬戸内海でジェットスキーに乗り続けたい」と。朝、日の出と同時に出港して、日没まで気ままに走る。たどり着いた先の島の民宿に泊まる。そんな毎日を体験したいと言うのだ。

しかし、瀬戸内海ツーリングで気を付けなければいけないのが、「全て同じ景色に見える」こと。確かに、小さな港は同じ土木業者が工事をしたのではないかと思うぐらいだ。それでも地元の人が見れば違いは分かるのであろうが、ジェットスキーで走り抜けるだけの私などでは、その違いが分からない。

だから、水先案内人がいないと、すぐに迷子になる。だがそれ以上に、小さな島々にある歴史の重みを感じることができ、「日本は良いな~」と、顔がほころぶ景色や魅力に溢れている。斉藤鉄人が、気ままに1週間ぐらいジェットスキーで放浪したいという気持ちも良く分かる。

こんな小さな島に城があったなんて、すごい話だ。

激流に囲まれた島に、城を築いた男たちがいた

能島の周囲を流れる急流を走った。遠くから見るより、ずっと流れが速い。山間を流れる激流下りのようだ。300馬力のジェットスキーに乗っていても「流れが速い」と思うのだから、手漕ぎ船しかなかった時代には、この島に近寄ることも難しかったはずだ。

それなのに、ここに城を造った男たちがいたのだ。それが「村上水軍」だ。「海賊」とも呼ばれていた。

「うず潮」とは、渦を巻いて流れる海水のことをいう。潮流の方向・速さの著しく異なる境界や、潮位差の大きい場所に生じやすい。鳴門の渦潮は有名だが、瀬戸内海にも多いのだ。いろんな渦潮があって興味深い。この日の水面は、真っ平らで高低差がなかったが、これで高低差があったら、昔の人はさぞかし苦労しただろう。

暗礁とは、海の中に隠れている岩のこと(白い点線で囲った部分)。暗礁は船乗りの大敵だ。瀬戸内海は干満の差が激しいので、潮が満ちてるときは全く見えない。案内役の山村氏から、「気を付けろ」と教わっていたので平気だったが、知らずにスピードを出して接触したら、ただではすまない。海は怖い。

瀬戸内海は干満差があるので、こういった暗礁がいたるところにある。

瀬戸内海は、日々、景色の表情が変わるから何度来ても飽きない。水面も、場所によって全然違う。

島が多いので、休憩できる小さな砂浜は無数にある。

鳥のくせに誰の頭に乗ってんだ! 罰が当たると思ったが、弘法大師様は気にしないかも……。弘法大師様は平安時代初期の僧で、若いころは「空海」と呼ばれていた真言宗の開祖である。

岬の先端に鎮座する弘法大師様に航海の安全を祈願する。鳥のせいで気分が台なし……。

瀬戸内海・大鉄板コース。島が多いので、迷う可能性大。

伯方島で海鮮づくし。海水浴シーズン以外は、砂浜に係留できる。道の駅なので、レストラン以外にも特産品が買える販売所がある。
「マリンオアシスはかた」愛媛県今治市伯方町叶浦甲1668-1 Tel.0897-72-3300

竹原港内にあるジェットスキー歓迎の海の駅。ビジターバースは予約制なので、必ず事前に予約が必要。
「たけはら海の駅」広島県竹原市港町四丁目2番24号 Tel.0846-24-6100

美味しいお好み焼きの店を聞いたところ、山村氏が教えてくれたのがこのお好み焼き店である。お好み焼きも美味しいが、おでんも食べてほしい。
「御幸」広島県竹原市中央5丁目9-1 Tel.0846-22-4430

こんな景色を走ると、心が洗わるようだ。まさに命の洗濯。

1日、瀬戸内を走り回る。幸せなり!

海面は常に変化する。渦潮ジャンプ!



海賊の親分気分で走る。瀬戸内海は俺のモノ。最高!

村上水軍の島に圧倒されて、気分は「海賊」だった。海賊が、アクセル全開でレーシングターンを繰り返すのかは知らないが、私の頭の中ではそうだった。もし、村上水軍の海賊の親分がジェットスキーに乗ったら、きっとこうやって走っただろうと勝手に想像する。奇声を発しながら全速力で走りまわった。
海賊、最高!

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